【声劇台本】浦島太郎の不思議な冒険

【声劇台本】浦島太郎の不思議な冒険

ジャンル
バトル・パロディ

登場人物
浦島太郎
かめ
乙姫
僧侶
その他数人

台本

むかしむかし、あるところに
浦島太郎がいました。
浦島太郎が砂浜を歩いていると
子供たちが、かめをいじめていました

子供A「どうしたよぉー!逃げてみろよ!オラッ!」

子供B「こいつ硬ぇな!足が痛くなってきちまったよぉ~!」

浦島太郎「おい!何をしている!
やめないか!」

子供A「うるせぇーなぁ!別にいいだろ!」

子供B「そうだ!そうだ!」

浦島太郎「いいから、やめなさい!」

子供A「ちぇ!白けちまったぜ!」

子供B「帰ろうぜ!」

浦島太郎「大丈夫かい?」

かめ「これは助かりました
ありがとうございます」

浦島太郎「いえ、無事で何より怪我はありませんか?」

かめ「大丈夫ですよ!私の甲羅は
鋼鉄ですから」

浦島太郎「では、私はこれで」

かめ「お待ちください!助けていただいたお礼をしたいのですが!」

浦島太郎「お礼……ですか?」

かめ「えぇ!我々の住む、竜宮城へ
ご招待します」

浦島太郎「竜宮城ですか?ですが
どうやって行くのですか?」

かめ「私の背中に乗ってください!」

浦島太郎「は…はい」

浦島太郎はかめの背中に乗り
海の中へ

浦島太郎「かめさん、その……海の中
ですか?」

かめ「大丈夫ですよ!」

浦島太郎「うわぁ!………えっ!?
苦しく……ない?」

かめ「えぇ!私のスタンド能力ですよ」

浦島太郎「スタンド?」

かめ「さて、見えて来ましたよ!」

海の中を進むと
目の前に、大きなお城が見えて来ました

かめ「さて!こちらへ、乙姫様に
ご挨拶をしましょう」

浦島太郎「乙姫様?」

大きな扉が開くと
奥には綺麗な女性が座っており
その周りには、沢山の魚たちがいました

乙姫「あら、あなたが私のかめを
助けてくれたのね!」

かめ「はい!乙姫様、この方と
その前には、うさぎさんに助けて
いただきました」

乙姫「それは、それは、良かったですね。あなた、お名前は?」

浦島太郎「私は浦島太郎と申します」

乙姫「浦島太郎、感謝の気持ちとして、あなたを歓迎します。
宴を開きましょう。さぁ、楽しんで
行ってください」

浦島太郎「ありがとうございます」

そして、宴が始まりました。
沢山の料理や踊り等
浦島太郎は楽しい時間を
過ごしました。

浦島太郎「さて、私はそろそろ帰らなければ」

乙姫「そうですか、太郎!これをお持ち帰りなさい!」

浦島太郎は、乙姫から1つの箱を
もらいました。

浦島太郎「ありがとうございます。
とても、楽しかったです」

乙姫「それではまた」

浦島太郎は、かめに乗り陸へと戻りました。

浦島太郎「かめさん、ありがとうございました」

かめ「それでは……あっ!その箱ですが、困った時に開けるといいですよ!
それでは!」

浦島太郎「あぁ!ありがとう!さて
家に帰るか」

浦島太郎は家に戻りました。

浦島太郎「ただいま!お父!お母帰ったよ!うん……?お父(とう)!お母(かあ)!どこだ?おかしいな……出かけてるのか?」

浦島太郎は、家の周りを歩いて
父と母を探しましたが
いません。

探していると、村人がいたので
聞いてみることにしました。

浦島太郎「すみません。この近くに住んでる浦島といいますが、私のお父とお母見ませんでしたか?」

村人「はて?あの家に住んでる浦島さんかい?」

浦島太郎「はい!そうです!」

村人「おかしいねぇ?あそこに住んでた夫婦は20年前に亡くなられたと
聞いてますよ。そして、息子さんも
行方がわからなくなったと……」

浦島太郎「にぃ……20年!?そんな…
竜宮城から20年もの時が経って
いる?」

村人「あんた、息子さんの割には若いですが、本当に息子さんかい?」

浦島太郎「あっ!あの…ありがとうございました!」

浦島太郎(どいうことだ?お父とお母は
亡くなった?20年も時が経っている?)

浦島太郎は、困惑していました。
気づけば、家の近くの池にいました。

浦島太郎「どいうことなんだ…これからどうしたらいいんだ……」

浦島太郎は、途方に暮れていると
ふと思い出したのです。
困った時に、この箱を開けるといいと

浦島太郎「そういえば……一体何が
入っているんだ……?」

浦島太郎が箱を開けると
そこには、変わった矢尻が
入っていました。

浦島太郎「なんだこれは?」

浦島太郎がその矢尻に触れると

浦島太郎「痛っ!?しまった!指を切ってしまった」

浦島太郎は指を矢尻で切ってしまいました。
ですが、傷口が治って行きます。

浦島太郎「なっ……なんだこれは!?
さっきまで、指を切っていたはず!」

浦島太郎は、今の状況に困惑してい
ました。

浦島太郎「なんと、不思議だ……
帰ってきたら、20年もの月日が
経ち……指を切ったはずが治り……
私の体はどうかしてしまったのか?
……なぜ20年経ってるはずなのに
私は変わりがないんだ?」

???「20年後……了解した…」

浦島太郎「だっ……誰だ!?」

謎の声が聞こえました。
そして、浦島太郎の周りに
白い煙が出てきて
浦島太郎を包んでいきます。

浦島太郎「何だこれは!?」

浦島太郎を包んでいた白い煙が
消えていくと

浦島太郎「何だったんだ……今のは?
なっ!?か……体がぁっ!?重たい?
まるで岩を担いでるみたいじゃあー
ねぇか!!なんだぁこれはぁっ!?
それに、体を前屈みにしないと、
腰がきついぞぉ!?」

浦島太郎の体は岩を担いだかのように
重く
立ってるのもやっとです。

浦島太郎「どうなってやがる?それに……なんだぁーこれはぁっ!?
手がシワだらけじゃあーねぇか!?
まさか!?」

浦島太郎は、恐る恐る湖に写る自分の
姿を見ました。
すると、そこには歳を取った自分が
写っています。

浦島太郎「どういうことだぁ?歳を取ってるぞ!!さっきの白い煙が原因
なのか?」

???「あなたを20年後まで、歳を
進めました。」

浦島太郎「誰だぁ!?」

後ろを振り向くと、そこには人の姿をした
奇妙な生き物がいました。

浦島太郎「なぁんだぁーーこいつは!?妖か?」

???「私はもう1人のあなたです」

浦島太郎「どいうことだ?もう1人の
自分?」

???「そうです」

浦島太郎「よくわらないが……それよりも!この姿どうにかしてくれないか?元に戻らないのか?」

???「20年前の姿ですね。承知しました」

すると、再び白い煙が浦島太郎を包みます。
そして、白い煙が晴れると
浦島太郎は、元の姿に戻っていました。

浦島太郎「も……戻ったのかぁ?
なるほど、こいつは人の時を進めたり、戻したりできるのか?」

すると、浦島太郎は
あることを思いつきました。

浦島太郎「そうだ!お父とお母の亡骸を、こいつで時を戻してもらえれば
甦るかもしれない!」

浦島太郎は、お父とお母の亡骸を探し
妖の力で甦らせようと考えました。

浦島太郎は、墓地がある
近くのお寺に行きました。

浦島太郎「すみません!」

僧侶「はい、どうされましたか?」

浦島太郎「こちらの墓地に、浦島という名字のお墓を知りませんか?」

僧侶「はて……沢山あります故
私も全てを把握している訳ではないので」

浦島太郎「そうですか……すみません
では、探してみます。」

僧侶「あぁ!ところで……あなた、
最近、妖に取り憑かれてはいませんか?」

浦島太郎「えっ!?もしかして……
分かるのですか?」

僧侶「えぇ…あなたから、妖の気配を
感じます。それと……何か変わった
矢をお持ちでは?」

浦島太郎「矢?……あっ!?矢尻なら
あります!」

浦島太郎は、竜宮城で貰った
矢尻を僧侶に見せました。

僧侶「ほぉ~まさか……あなたが持っていたとは……」

浦島太郎「あのぉ……一体これは?」

僧侶「ふふっ……気にしなくていいでしよ……あなたは死ぬんですから!」

すると、僧侶から人の姿をした妖が
浦島太郎を襲って来ました。

浦島太郎「なんだぁ!?」

すると、浦島太郎の妖が現れ
僧侶の妖に、攻撃しました。
ですが、僧侶の妖の方が
力が強かったのか
浦島太郎の妖は腕をやられました。

浦島太郎「なぁにぃーーー!腕がぁっ!?妖がやられたところが!
自分にも反映しているぅー?」

僧侶「あなた……もしかして知らない
のですか?その妖は自分自身であり
妖のダメージは自分に返ってくる
のですよ…
外国では、スタンドやモンスター等と呼ばれているようですが……」

浦島太郎「一体なんだっていうんだ!?」

僧侶「あなたの妖は、私の妖より力は弱い、近接戦闘向きではないようだ、それに、自分自身の妖について、まだ理解していないようですね……私の
妖の名は清明、この世に蔓延る
魑魅魍魎や霊を成仏させられる!
そして、生きてる人間もなぁ!」

浦島太郎「なん……だと!」

僧侶「そして、冥土の土産に1つ教えておきましょう……昔あなたは、亀を助けましたよね?」

浦島太郎「なぜ、その事を知っている!?」

僧侶「20年前、その亀をいじめていたのは、私です……そして、あれから私は、沢山の動物を殺めて来ました……
ですが、私は恨みを買い、取り憑かれてしまったのです……毎日、謎の熱が出て、私は苦しみました……毎夜、見る夢に、私の殺した動物たちが出てきました……そして、ある日の事、ある男が私の所に尋ねて来ました。その男は、
生きたいか?なら、お前に力をやる。運が良ければ、苦しみから解放されるだろ……と、私に矢を突きつけてきたのです。そして……この妖……清明が
誕生しました!それからは、魑魅魍魎や霊を成仏させ、人々から感謝されました。」

浦島太郎「なんて野郎だ!命を
何だと思っているんだ!」

僧侶「だから?なんだってんだよぉーーー!それ以来、殺し放題!!
最高じゃーねぇかーーーー!!」

浦島太郎「この外道がぁ!!」

僧侶「ふっ……何とでも言え!さぁ……
あなたも成仏するがいい!」

浦島太郎「ウラァーーー!」

僧侶「何だぁー?その煙は?目くらましかぁ?」

浦島太郎の出した煙ごと
僧侶の妖は殴りました。
ですが……

僧侶「なぁ……なぁんだぁーーーこれはぁ!?て、手がシワシワになってるじゃーねぇかーーーー!!まるで、干物の様にシワシワじゃーねぇかーー!!
まずい!この煙に触れたら、体の
水分を取られるのか?いや!?これは見た事あるぞ!年寄りの腕だぁ!
そうか!この煙に触れると、歳を取るのか!なら、触れなければ良いだけ!所詮煙!吹き飛ばしてやる!」

清明が左腕を振り、その勢いで
煙を飛ばしました。

煙が晴れると、浦島太郎の姿が見えました。

僧侶「そこか!見つけたぞ!」

僧侶が浦島太郎に向かって走って行きます。
ですが、あと少しの所で床が抜け落ち
足がはまってしまいました。

僧侶「なぁーーにぃーー!!
まさか!!床の年月を進めて、腐らせたというのか!!」

浦島太郎「これで…あなたは動けない、そして、私は決めました……私の妖の
名前は時煙(じえん)、この煙で時を
駆け抜け、私は未来を得る!」

僧侶「何を言う!まだ左腕が
あるわ!」

僧侶の妖が浦島太郎、目がて殴りますが
浦島太郎は煙を出します。

僧侶「しまった!!ひっ!左腕も
シワシワになっちまったじゃー
ねぇかーーー!!チクショーーー
力が入らねぇ!」

浦島太郎「これなら、あなたの妖より力は、私の妖の方が上ですね!」

僧侶「わかった!お前の両親の墓を
教える!墓地の1番奥の列だ!
頼む!なぁー許してくれよぉー!」

浦島太郎「無理な話ですね………
あなたは、沢山の命を奪った!
例え成仏したとはいえ……私が許し
ません!」

僧侶「もしかして……右で殴るのか?」

浦島太郎「いいえ……」

僧侶「左か?」

浦島太郎「いいえ……」

僧侶「もしかして…ウラァウラァか?」

浦島太郎「そうです!ウラァウラァウラァウラァウラァウラァウラァ
ウラァーーーーー!!!」

僧侶「ぶぅばはぁーーー!!」

浦島太郎「やれやれです………」

僧侶再起不能

そして、浦島太郎は墓地で
父と母のお墓を見つけました。

そして、父と母の遺骨を
掘り起こしました。

浦島太郎「よし!時煙20年前に戻すんだ!」

時煙「……無理です」

浦島太郎「どうして?」

時煙「生きている者にしか、適用
されません」

浦島太郎「………そうか」

そして、浦島太郎は海へと
やって来ました。

浦島太郎「よし……やるか!」

浦島太郎は、妖の煙で自らを
包み込みました。
そして、煙が晴れると
浦島太郎は20年後の姿になっていました。

浦島太郎「お父、お母……寂しい思いをさせてしまって、ごめん……私は
もう少し生きてみます……」

浦島太郎は、残りの人生を
穏やかに暮らしたとさ
めでたし、めでたし。

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