桃太郎伝説~OGER~第十章

桃太郎伝説~OGER~第十章

人と鬼

登場人物(8人)
閻魔オーガ
妖魔オーガ
父オーガ
母オーガ
ミツコ
ミツコ父
村人

昔、数百年前の事
まだ、人と鬼が共存していた頃の話

村人「いや~今日も忙しいの!」

鬼「真田さん!大丈夫ですか?私が持ちますよ!」

村人「おぉ!すまんのぉ!流石、炎魏(えんぎ)殿!力持ちじゃ!助かるのぉ!」

鬼「いえいえ!困った時は、お互い様ですよ!」

人と鬼は助け合い
生きていました。
そして、人と鬼の子供たちは
仲良く遊んでいました。

妖魔オーガ「おーい!早く来いよ閻魔!」

閻魔オーガ「待ってよ!にぃちゃーん!」

ミツコ「2人とも早く!」

閻魔オーガがまだ5歳の頃
兄の妖魔と人間の友達
ミツコと3人で
山に遊びに出かけていました。

ミツコ「こっち!こっち!早く!」

妖魔「待てて、ミツコ!閻魔が!」

閻魔「大丈夫だよ!すぐ行くから!」

ミツコ「ほらぁ!ここ!いい景色でしょ!」

3人は、綺麗な景色が見える
崖の上まで来ていました。

妖魔「確かに!綺麗じゃ!」

閻魔「にぃちゃん!ミツコちゃん!危ないよぉ!」

妖魔「何だよ閻魔!怖いのか?」

閻魔「怖くないやい!」

ミツコ「そう言って、本当は妖魔ちゃん、怖いんでしょ?」

ミツコは妖魔を軽く押します。

妖魔「怖くねぇや!よくもやったな、ミツコ!」

妖魔がミツコにやり返します。

閻魔「危ないよぉ!2人とも!」

2人はふざけ合っています。

妖魔「よし!これでどうだ!」

ミツコ「へへっ!こんなの避けてやる!あっ!?」

ミツコが1歩後ずさりをした瞬間でした。

妖魔「あっ!?」

閻魔「ミツコちゃん!?」

ミツコが足を踏み外し
崖の下へと落ちてしまいました。

妖魔「ミツコーーーーー!!」

閻魔「にぃちゃん!?どうしょう?」

妖魔「早く、村に帰って、みんなに知らせるんじゃ!」

2人は急いで村に戻り
ミツコが崖から落ちたことを伝えました。

ミツコ父「ミツコが……崖から落ちた?」

オーガ父「ええ!早く行きましょう」

妖魔「とぉちゃん……」

オーガ父「お前たちは、待っていなさい!」

ミツコの父とオーガの父はミツコが落ちた崖下へと向かいました。

閻魔「にぃちゃん……ミツコちゃん大丈夫かな……?」

オーガ母「2人とも、家に戻るわよ。」

母に連れられ、2人は家に戻りました。

そして、数時間後
父が戻って来ました。

妖魔「とぉちゃん!ミツコは?」

父は何も言わず
首を横に振りました。

妖魔「嘘じゃ!嘘じゃ嘘じゃ!」

父オーガ「妖魔!よぉ聞くんじゃ!いいか!とりあえず、今は何も考えるな……ええな!」

妖魔「でも……でも!」

妖魔は泣き出してしまいました。

父オーガ「妖魔……今は何もできん、とりあえず今は……」

妖魔は飛び出して行きました。

父オーガ「妖魔!?母さん、閻魔を見といてくれ!ワシは妖魔を追いかける。」

母オーガ「わかりました。」

父オーガ、妖魔を追いかけました。

閻魔「にぃちゃん、大丈夫かな?」

母オーガ「大丈夫よ。とぉちゃんに任せなさい!私たちは、待ちましょう。」

数時間後………

何やら外から声が聞こえます。

母オーガ「何かしら………?」

家の扉を開けると
そこには、村人たちがいました。
そして、父オーガと妖魔の首が切られ
首を掲げられていました。

母オーガ「あなた!?」

閻魔「どうしたの、かぁちゃん?」

母オーガ「閻魔!来ちゃダメ!」

閻魔「と……とぉちゃん!?にぃちゃーーーーん!」

村人「鬼は出ていけ!」

村人「お前ら、鬼と暮らすのは間違いじゃったんじゃ!」

村人「そうじゃ!そうじゃ!この人殺しめ!」

閻魔「違う!違うよ!」

村人「ええぃ!黙れ!鬼が!」

母オーガ「閻魔!早く逃げなさい!」

閻魔「かぁちゃん!?」

母オーガ「いいから!早く逃げなさい!」

閻魔「いやだよぉ!怖いよ!」

母オーガ「いいから!かぁちゃんも、すぐ行くから!早く逃げなさい!」

閻魔「かぁちゃーーーん!」

閻魔は、泣きながら
必死に逃げました。

村人「鬼の子が逃げたぞ!追えーー!」

母オーガ「お願い!あの子だけは……手を出さないで!」

村人「邪魔をするな!この、鬼め!」

そして、閻魔はどうにか逃げ切りました。

閻魔「とぉちゃん……かぁちゃん……にぃちゃん……」

閻魔は泣いていると
1人の鬼が来ました。

鬼「お前さんは、閻魔か!よぉ無事じゃった。ワシも人間に襲われて逃げて来たんじゃ!」

閻魔「おじちゃん!」

鬼「怖かったのぉ……もう大丈夫じゃ!おじちゃんと行こう。」

閻魔「うん……でも、かぁちゃんが……」

鬼「大丈夫じゃ……ほら、早く行こう。」

閻魔は、鬼に連れられ
逃げました。

それから、母オーガが
戻って来る事はありませんでした。

Mark XII「そんな事が……」

閻魔オーガ「そして、それから人間たちは、鬼を殺し続けた……中には鬼を捕え、奴隷にする人間もおった……ワシら鬼は復讐を誓った!人間共を根絶やしにし、鬼だけの世界を作ると!」

Mark XII「そんな事して、また復讐を生むだけですよ!」

閻魔オーガ「黙れ!ワシら鬼の何が分かる!ワシはお前ら人間を絶対に許さん………覚悟しろ!」

Mark XII「僕は………あなたの心の闇を……斬る!」

閻魔オーガ「ぐっはっはっはっ!やってみろ!死に損ないが!」

そして、Mark XIIと閻魔オーガの最終戦が始まる!

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