声劇台本【わからない】

声劇台本 わからない

ジャンル
ホラー

登場人物
・守田 昌義(もりた まさよし)【刑事】
・金森 裕二(かねもり ゆうじ)【刑事】
・澤田(さわだ)【山岳ガイド】
・村田 祐希(むらた ゆうき)【学生】
・木村 洸希(きむら こうき)【学生】
・長澤 大知(ながさわ たいち)【学生】
・おやっさん【司法解剖担当者】
・その他数人

【台本】

澤田「今日は晴れて良かったですね!これなら、あと1時間ぐらいで頂上ですよ!」

村田「本当ですか?よし!みんな後少しだ!」

澤田「それにしても、どうして登山を?」

村田「いや~僕たち、卒業記念に何かしたいなて、思って」

澤田「なるほど、ここの山は景色が綺麗ですからね!」

木村「それにしても、疲れた~」

長澤「洸希、もうちょっとだからさ!がんばろ!」

澤田「あれ……?急に天候が怪しくなって来ましたね……」

村田「澤田さん、どうしますか?」

澤田「今から、降りるとなると……」

木村「なぁ!あそこに小屋ないか?」

長澤「あっ!本当だ!」

澤田「よし!助かった!行きましょう!」

村田「すみません!誰かいますか?」

澤田「誰もいないようですね……」

木村「あっ~疲れた!おい!すごい吹雪いて来たぞ!」

長澤「吹雪く前に、見つかって良かったね!」

澤田「とりあえず、暖炉があるので、火を付けましょう!」

村田「そうですね!」

木村「暖けぇ~!生き返る!」

澤田「奥に食料と寝袋が、後は部屋が2部屋ありました」

村田「良かった!これで、どうにか大丈夫そうですね」

木村「よし!とりあえず、後は天気次第か」

長澤「そうだね、どっちにしろ止んでも、明日の朝になりそうだね」

澤田「では、これ!さっき見つけた食料の缶ずめです。皆さん食べましょう!」

木村「おおっ!ちょうど腹減ってたんだよな!」

長澤「僕も!」

澤田「私は、他にないか見てくるので、皆さんは食べててください。」

村田「はい、わかりました。」

木村「いや~美味かった!生き返ったぜ!」

長澤「だね!」

村田「なぁ、澤田さん帰って来ないな……」

木村「そういえば、そうだな!」

長澤「確かに……」

村田「ちょっと見てくるよ!………澤田さーん!うん?奥の扉が開いてる……そこか?澤田さん、だいじょ……うわぁっ!?」

木村「どうした!」

村田「くっ、くっ来るな!」

木村「なんだよ!どおっ……なんだよこれ?」

長澤「どうした……!?うぇぇぇぇ(嘔吐)」

木村「なんだよこれ?」

村田「わっ…わからない!どうなってんだ?」

木村「おい……腹引き裂かれて……クソッ!何なんだよ!」

村田「長澤大丈夫か?とりあえず、戻ろう」

木村「なぁ……俺たちの他に誰かいるんじゃないか?」

村田「こんな小屋に隠れるような所はないと思うけどな……」

木村「もしかしたら……クマ?じゃねぇか?」

村田「どうして?」

木村「いや…なんて言うか、腹引き裂かれてたからよ……クマが食ったんじゃな」

澤田「おぇぇぇぇ……」

村田「この話は止めよう、それに警察に調べてもらえば分かるだろうし」

木村「そうだよな……悪ぃ、澤田大丈夫か?」

澤田「ご……ごめんよ……だだっ、大丈夫……」

村田(でも、クマだとしても、どうやって中に?足跡も無かったし……鳴き声もなか……)

???「ヴァ"ァ"ァ"ァ"ーーーー!」

木村「何だ今の?」

村田「……鳴き声?聞こえたよな?」

木村「あぁ……小屋の外から聞こえたぞ!」

村田「………澤田!?何してるんだ?」

澤田「み……見てくるよ!」

木村「何言ってんだよ!危ねぇぞ!」

澤田「でも!本当にクマがいるか確認しないと!気になって仕方ないんだ!じゃないと………」

村田「待て!澤田!行くな!」

木村「おい!落ち着け!この吹雪だ!危ねぇて!」

村田「離してくれ!澤田が!」

木村「いいから落ち着けよ!冷静になれよ………なぁ……」

村田「……はぁ……わかった……」

木村「とりあえず……澤田!?」

村田「澤田!大丈夫だったのか!」

澤田「うん、大丈夫だよ。小屋の周りを見ただけだし、何もいなかった……
安心したよ!」

木村「そうか、もう心配させんなよ!」

澤田「ごめんね、僕は部屋で寝るよ!」

村田「澤田、部屋は寒くないか?ここで寝た……」

澤田「いいんだ!今は1人になりたいし、寝袋あるかさ」

村田「そうか……何かあったら言えよ!」

澤田「うん、おやすみ」

木村「よし、俺達も寝袋持ってきて寝るか」

村田「そうだな…」

村田「……朝か……」

木村「よぉ…おはよう…寒ぃなぁ~とりあえず、火付けるか」

村田「そうだな、澤田呼んで来るよ」

木村「あぁ」

村田「お~い澤田!おはよ……澤田!?」

木村「おい!どうした?……嘘……だろ!」

村田「どうして……こんな事に……」

木村「……澤田が…首吊り自殺するなんて……」

村田「……澤田、自殺するようには見えなかったのに……どうして?」

木村「なぁ……もしかして、昨日の夜の」

村田「昨日の?」

木村「あいつ外に出てから、帰って来てから、少し様子が変だったし」

村田「確かに……でも何で自殺を……」

木村「もしかして……何か見たんじゃないか?」

村田「えっ?何か見たて……熊てあいつ」

木村「いや……本当は熊じゃなかったんじゃないか……」

村田「じゃあ……何なんだよ……」

木村「わかんねぇよ!」

村田「……とりあえず雪は止んでるし、下山して」

木村「なぁ……何でこうなっちまったのかな?」

村田「木村……」

木村「登山なんてしようて、言わなきゃこんな事にならなかったのによ!」

村田「木村!仕方ないだろ!」

木村「仕方ない?ふざけんな!2人も死んでるんだぞ!どうしてくれんだよ!」

村田「落ち着けて!とりあえずげざ」

木村「うるせぇ!お前のせいだ!」

村田「待て!落ち着けて!今は争ってる場合じゃないだろ!」

木村「うるせぇ!お前が悪いんだ!お前が!」

村田「止めろ!木村離せ!止めろーーーー!」

木村「うぁ!!」

村田「……はぁ……はぁ……木村?おい!木村!大丈夫か?おい!木村!」

尋問官「なるほど…それで、突き飛ばしてしまい、その時に木村洸希さんは、頭を強く打ち付けてしまったと……」

金森「先輩、彼の言ってること本当なんですかね?」

守田「まぁ、木村の件は本当かもな、ただ……長澤は偽装の可能性もある、澤田に関しては調査中だ……とっ!おやっさんからだ!もしもし!お疲れ様です!えぇ……わかりました……金森、俺はおやっさんの所に行ってくる」

金森「わかりました」

守田「おやっさん、何かわかったんですか?」

おやっさん「それがな……わからんのだよ」

守田「わからない…?」

おやっさん「澤田の司法解剖だが、確かに動物に食われた様な痕はあったんだが…見たことない痕でな……今、獣医やらに調べてもらうように連絡はしてみたが……」

守田「わかりました。いつもありがとうございます!自分の方でも、いろいろと調べてみます!」

おやっさん「守田よ、無茶はするなよ」

守田「はい、おやっさんも身体には気をつけて」

守田「はぁ…はぁ…ここが事件があった山小屋か……三島さん、案内ありがとうございます」

三島「いえいえ、澤田とは同期でしたから……」

守田「三島さんは、ここで待っていてください」

三島「わかりました」

守田「何かあれば、呼んでください!さて……ここで木村 洸希が倒れていた場所…確かに打ち付けた所に血痕もある……供述通りだな……そして、この部屋で長澤 大知が首を吊り、自殺……そして、ここでガイドの澤田が……うん?何だこれは?」

???「ヴァ"ァ"ァ"ァ"ーーー」

守田「!?なんだ今のは?……三島さん!!………三島さん!だいじょ……クソ!いない……どこに行ったんだ?……これは……血、引きずった後……中に入っていたのか……確かにあの声は熊…ではなさそうだな………」

???「ヴァ"!ヴァ"ーーー!」

守田「ははっ……嘘だろ……」

金森(次の日、守田さんは帰って来なかった……そして、捜索隊があの山小屋に行ったが、誰もいなかった……守田さん、あなたは何か真実を知ったんでしょ?僕はそんな気がします……そして、あの山小屋は封鎖された……)

山での行方不明者は年間300人以上……
もしかすると、その内の何人かは
そこの山小屋で行方がわからなくなっているのかもしれない……

???「ヴァ"ァ"ァ”ーーーー!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?