ENDLESS SHOCK 北山宏光

2年前だから間違えて覚えてるとこもあるかもだし、自分のために描いてます。もっと上手に気持ちを言葉にできたらいいんだけど。描いてたらもう一度観たくなった。円盤化してほしい。今の事情だと厳しいかな。

SHOCKは、コウイチさんの物語。堂本光一さんが、全ての力を注いで作り上げてきた世界。自分を極限まで追い詰めて身体を作って、空を飛んで、階段を落ちて、歌って、踊って。その時その時の仲間をまとめて座長として気を配って、私達を楽しませてくれる事を考えて進化し続けてきた。リカ役やオーナーや、ライバル役が毎年変わっても、それぞれキャストの魅力はもちろんあるけど(個人的には瀧本美織さんのリカ、好きだった)でも、コウイチさんを眼で追いかけて追いかけて終わるshowだった。

その感覚を打ち破ったのがヒロミツだった。

それまで博多は遠いし簡単には行けないので、行った事なかった。ただ、なんとなくキスマイの北山宏光くんがライバル役やるから行こうかな、見てみたいかもぐらいの気持ちだった。
もちろん、キスマイは知ってたし、北山くんのミリオンジョーもただリコも観てた。演技力のある人、とは思ってたけど、ハマってはなかった。博多座のチケットが取れたあと、善良な市民同盟を偶然観た。最初北山くんだとわからないくらいオーラ消していてびっくりした。ほんと、そのぐらいの認識で博多に行った。

ヒロミツは歌がうまかった。甘い声でコウイチさんの声に良くあっていた。楽屋シーンのリカに渡そうとする贈り物をオーナーに渡しちゃう定番のおふざけも楽しく普通にどんどん物語が進んでいく。空気がいっぺんに変わったのは大劇場に行く話が出た時のリカへの「お前は黙ってろ」のセリフだった。劇場内に緊張が走った。
すごかった。そこからはもうヒロミツ劇場だった。コウイチに憧れて憧れて、でも自分はコウイチにはなれなくて、でも、認めてほしい、その葛藤が全てのシーンで滲み出ていた。
SHOCKのコウイチって、いわゆる天才なんだよね。自分と自分の高みのことしか見えていない。もちろん、そのあとに自分が一人じゃなかった、って気づくのが物語の核なんだけど、周りを見ているようで見えていない。というか、あがく凡人の気持ちがわからない。普通の人は、努力して努力してでも不安や焦りやいろんな気持ちが入り混じる。それを表現したのがヒロミツだった。もう、自分の気持ちの行き場がなくなり、舞台をぶち壊してしまうしかなくなってしまうそんなせつなさ、やるせなさを込めて本物の刀をとるしかない、そんな演技だった。
二幕からの自分のした取り返しのつかない事に後悔に苛まれるヒロミツは見てられなかった。雨の中語りかけるシーンもシェイクスピアのシーンも。北山くんの狂気と悲哀は凄い以外の言葉がない。

復活してきたコウイチが、higherを踊るとこでは、脇に立ちすくんで仲間が誘いに来ても頑なに拒むヒロミツから目が離せなかった。立っているだけなのにコウイチの側に行きたいのに行けないヒロミツの気持ちが手にとるようにわかった。踊ってるコウイチを見なかったのは初めてだった。
苦しみから解放されたくてリカにナイフを渡して自分を殺してくれと懇願するシーンは、もう号泣だった。コウイチを傷つけてしまった事への後悔だけじゃなくて、コウイチを追いかけ続ける事に疲れて果てて楽になりたい。そんな気持ちが溢れて出てた。
そして、コウイチがやっと、自分の天才ゆえの間違いに気づき、消えてしまうまでに一緒に踊りたい、舞台を作り上げたい、とみんながまとまったあとの、何か吹っ切れたようなヒロミツも凄かった。コウイチとヒロミツ、二人の世界だった。ヒロミツの演技が真に迫れば迫るほど、消えてしまう前のコウイチがさらに光輝けてたように思う。
夜の海、ヒロミツにも目がいってしまう。
最後コウイチのネックレスを拾うシーンも美しかったな。想いを受け継ぐ覚悟ができた、そんな感じだった。

観たあと、私よりも年季の入ったコウイチファンともヒロミツの話しかしなかった。
翌年、帝劇でたぶんもう退所はわかってたんだろうけど、ヒロミツのエターナルが観たい、って、光一さんが言って、ヒロミツの出演が決まった事に感謝しかなかった。

今年のSHOCKは、別な意味で覚悟が必要だった。ヒロミツは出ない。まさかのSHOCKもラストイヤー、kinkiファンクラブも閉じた。

結果、toHEROesから有明アリーナでめっちゃ北山宏光に沼った私がいる。


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