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第37回全日本自転車競技選手権大会 マウンテンバイク

自分にとっての全日本は勝つためだけに走るレース。負けたら意味がない。その考えは今でも変わらないです。



先に言っておきます。今回めちゃくちゃ長いです。おそらくいつもの倍以上の文字数です😅
レースのレポートが読みたい方は目次からXCCまで飛んでいただけたらと思います。

使用機材

タイヤサポート

使用タイヤ

バイク

XCO:ORBEA OIZ

XCC:MERIDA BIG NINE

ショップサポート

ウェアサポート

ケアサポート



話を結構前に戻しますが、2年前の修善寺で行われたマウンテンバイク全日本。

多分だけど、自分のレースの中であれが人生1緊張していた気がする。

あの時は今と違ってオフロード1本で勝負しようという風に考えていだ時期だったし、ほぼ毎日MTBに乗っていた。しかもコースは得意の修善寺オリンピックコース。これ以上ない舞台が用意されたと思っていた自分がいた。

実際、3位に終わった時は現実を受け入れるのに少し時間がかかったし、そして、あのレースで負けてから自分は種目問わず全日本選手権という大会自体にイップスになっていった。

📸井上さん

もう自分の中で少し伸びしろを見失いつつあった中、去年からはロードレースに本格的に復帰。

最初はオフロードのフィジカルベースアップのためにと思っていたが、次第にロードも楽しくなっていき、MTBに乗る時間は極端に減ったが、フィジカルが多少改善され、オフロードレースでのスピード負けはなくなってきていた。

そんな中での昨シーズンのMTBレースに関しては国内全勝を条件とした上で、絶対に勝たなければ行けないこのレースだったが、唯一、この全日本選手権だけを落としたシーズンになり、結局チャンピオンジャージゼロで2023を終えてしまった。


📸織田さん、一昨年と全く同じうなだれ方してますね😅

自分の中で最も苦しいシーズンになった2024

迎えた2024年、国内レースは全日本3種目制覇を目標に迎えたが1月のシクロクロス全日本で光志に50秒以上の大差で敗北。またしてもタイトルレースを落とす。

全日本は2位ではあったが、それまでの成績で2月に行われるシクロクロス世界選手権の代表メンバーに選んでいただき、自分自身が自転車を始めた頃からずっと憧れていたヨーロッパへ。

そこで感じたのは、自分が思い描いていたような世界ではなかった。

ヨーロッパの選手と比較したときの圧倒的フィジカルの差とスキルの違い。

泥の裁き、人数の多さ、選手レベル、レース数、その他諸々含め全てが僕ら日本人とは普通の基準が違った。

CX世界選手権

絶望感を感じた状態で帰国し、オフを取れたのは5日ほど、5日も自転車乗らなかったのは何年ぶり?ってレベルで随分久々だったが、それでも疲労感は全く抜けず…そんな中、3月から始まるロードシーズンに向けて始動した。

しかし、気持ちが入らず思うように練習できない時期が続く。

登り、平坦、トレイル技術含めて去年の自分よりも圧倒的に弱くなって行く現実、練習の量自体をどれだけ増やしたところで一向に良くなる気がしない。

その状態のまま迎えたロードシーズン開幕戦。

今シーズンからJプロツアーを走る事となり、富士クリテ、JBCF真岡ロード、宇都宮クリテとギリギリで完走。レベルの差に絶望を感じたが、なぜか悔しいと思う自分はなかった。

トレーニング量としては去年より多いし、MTBに乗る時間も今まで以上に削り、やってるつもりではあったが、なんだろう…全然、自転車乗ってて楽しくない。

自分の1日の楽しみは学校から家に帰って自転車乗って、暇な時間にワールドカップや国内の自転車レース、その他自転車関連の動画を見たりする事。10年以上それは変わらなかったが、初めてだった。もう自転車なんか見たくないって思ったの…
練習もただ、メニューこなしてるだけでまるで1日の作業のうちのひとつで自転車に乗るみたいな、そんな気持ちになってしまったことは今までなったことがなくて、気持ちをどこに持ってけばいいのかはわからなかった。

自分が1番好きなものが1番嫌いなものになってしまった事。そんな気持ちで自転車とは向き合いたくないし、とにかく早くこの辛い現実から逃げたくて仕方がなかった。

そんな心情の中、3月にあったMTBの強化指定合宿。久々に皆んなといっしょに走って遊んで、って出来てそこで自分の気持ちを少し整理する事が出来た。やっぱり仲間って大切だよなって改めて思いましたね😁

合宿が終わった後、MTBのアジア選手権に派遣するとの連絡が入った。正直迷った。そもそもシクロクロスシーズンが終わった後に予定してあったプランが何も連絡がなく、ただ勝手に時間が過ぎて行き、本来だとMTBの合宿には行く予定もなかったから、MTBのアジア選手権には今年は出るつもりはなかった。

そんな中での選出は、自分が行っても良いのかなって、今は練習にすら気持ちが入らないし、そもそも辞めようなんて考えてる人間がそんな状態でアジア選手権に行っても良いのかと、でも、やっぱり行きたいし、ここで断るのは違うよなと思ったので行かせてくれと頼んだ。そこで自分が決めたのはMTBのアジア選手権まではしっかり練習はこなして、そこまでは全力でやる。それじゃなきゃ同じ強化指定の皆んなに申し訳ないし、やるからには勝つための準備をしていこうと思った。

そこからはトレーニング方法を変え、今まで以上に短時間高強度なメニューに変えてみた。

4月に入り、チャレンジロードは7位と勝てなかったけど、少しづつ調子が上がってきた事を感じ、続く東日本ロードクラシックの群馬2連戦では初日はジュニアルールのうちの140kmを完走。2日目は自己最高の24位となぜかここに来て身体の調子が上向き傾向。

けど、ホントこの時期はなんであそこまで走れたのかはまるで分からなかった。

正直な事を言ってしまうと、走れないくらいで諦めをつけたくらいの方がスッキリするだろうなって思っていた。その方が気持ちも楽にレースできるだろうな、と。
練習そんな気持ち入ってないのになぜか中途半端に走れてしまう。

そのせいで今の自分がどの目標に向かって進んでいるのかがどんどん分からなくなった。

JBCF群馬が終わった次の週はもう1度MTBの合宿に参加した。この時はJBCF播磨中央と被っていて、どっちに参加するか直前まで決めかねていた。正直な事を言うと、どっちにも行きたくはなかった。結局どっち行こうがまた自分に迷いが出るだけだと思ったから。それでもその直前にMTBスタッフの皆さんと少し話して、合宿に行く方を自分は選択した。この判断は今でも本当に良かったなって感じている。

合宿中は小笠原監督始め、スタッフの皆さんに大変お世話になり、選手の皆んなともいろいろ話せたおかげでなんとかアジア戦に向けて出来る準備をやるだけやって成田に行こうと思えた。

それでも合宿が終わった直後、マレーシア出発までの1週間の間は何度も心を折られかけたけど、絶対アジアタイトル取ってひっくり返してやるって気持ちだけで進んだ。

時さんの優勝を見て、ここじゃ終われないと思ったMTBアジア選手権


5月のアジア選手権は勝つことが出来なかった。もちろんあの日の自分に出来る走りは全部して、ラスト1周までは先頭を走れた。けど、準備不足が出て最後に失速して8位で終わった。


アジア戦スタート前

もちろんゴールした時はホントにただ悔しかったけど、どこかやりきった感覚もあった。ようやく終わったなって思った。

その日中に気持ちを整理することは難しかったけど、レース終わってからの沢山のメッセージが支えになってくれて、その日はなんとか寝つけた感じだった😂

次の日は朝早めに起きてエリートクラスの応援に、そこで自分は今までにないほどの刺激を受けた。

それは時さんのエリートクラス優勝。

去年優勝の中国、そしてカザフスタンを相手にした最後の1周までもつれ込んだバトルを制したレースは見てる方も大興奮だった。

そして時さんとはアジア選の遠征では同じ部屋だったこともあり、レース前から色々お話する事は多かったが、レースが終わってから部屋で時さんがアジア選手権で優勝するのは初めてと言った事に自分は凄く驚いた。

自分が時さんを知る限りで1番古い記憶が時さんが丁度今の自分くらいの年齢だった頃。

その頃からとにかく、時さんは全日本選手権とかタイトルレースはいつも勝っているイメージがあったから30歳になってようやく初めてアジア王者になれたと聞いた時に、諦めなければいつかは届くものもあるんじゃないかと思った。

その話をした後に時さんが「ぜんしんなら来年は勝てるよ、大丈夫だ」と言ってくれて、ここで終わるのは自分としても勿体無いかもと思い始めた。

その日の夜は色々考えた。どこかの会話の最中でまだ全日本もあるし、このままじゃ終われないでしょ!と言われた時に本当にその通りだよなって思った。夏の全日本で必ずリベンジして見せる、やるならロードとMTBの両方取りに行くと心に誓って帰国した。

そこからは少しづつ自転車が楽しいという感覚を取り戻しつつ、練習を再開して行ったが、今までと同じトレーニングをやっても仕方がないと思い、インターバルのメニューを平日は3回に増やした。特に1番辛かったのは水曜日のオハサイ。
光志に八幡浜で負けて改めて再認識した、最大出力まで持っていくまでの時間が光志に比べて自分は長いという事実。それを少しでも埋めるために全日本の1ヶ月前からは毎週水曜日は朝4時前に家を出発して、1日分の追い込みをしてから学校に行くという。まあ、学校着いてから授業に集中するのは大変ですよね🤣


初オハサイ後

けど、アジア選手権の後も、思ったような成績が出たわけじゃなかった。八幡浜は光志に惨敗を喫し、一里野では弘明に初優勝を許した国内のCJ。

そして何より1番きつかったのは先週の全日本ロード。最後に落車して1番の勝負所には入れずに終わった後、来週ももう一度全日本があるという事実は嬉しくも感じたが、少し嫌だなとも感じながらレースウィークを迎えた。

レース前日

今回の会場、富士見パノラマには金曜日の昼から入って午後から試走。

事前の雨もほとんど降っていなかったので、ドライタイヤでまずは1周。

コースがかなり変わっているとの情報はもらっていたので、まずは1周。
突っ込み過ぎないように走って流れを見る。確かにリズム感などは結構変わっている印象。

大まかな周り方のベースは変わらないが、ひとつひとつの登りの時間が極端に短くなり、インターバルが求められるようなコースレイアウト。下りからの登り返しや、フラットコーナーからの立ち上がりなど、立ち上がりから行かに早く最大パワーまで持って行けるか、そこが凄く鍵になりそうなコースだなと感じた。

多分、1番長い登り区間でも2分も登らないため、後続と10秒差をつけれれば勝率としては90%くらいになる。
逆に考えるとひとつのミスが本当に命取りになるコースだとも感じた。

今回皆んながセクション練習で反復していた4連ロックはAラインBラインとほぼタイムが変わらないようだったが、とりあえずAライン通せるようにしとけば良いやという感じで、どうせレースになったらこのセクションはゆっくり走るだろうなと思ったので、何回か反復はしたがあまり深く考えずに走った。

金曜日は3周とXCCコース1周で試走終了。ホントに富士見かと思うくらい暑い日だったので、水分を取ることを忘れずに、リカバリーに努めた。

夜は車中泊だったため、1回下まで降りて、風呂入って、ご飯食べてから11時前くらいに就寝。朝の4時半までに3回くらい夜中起きたが😅身体の疲れはさほど無いので👍

朝5時ごろに朝ご飯買いに行って、この日は11時45分からXCCの予定だがまだやる事ないのでのんびり準備しながら過ごす。

9時からのXCCの試走はハードテールのMERIDA BIG NINEを試した。感触としては、最初の砂利登りは速いがそれ以外は路面が固くて跳ねるので恐らく、OIZ使った方が速そうだなって印象だったが、明日のためにメインバイクは温存しておきたいのでBIG NINEで走る事に。

レース前アップはレーススタート45分前から軽めに20分脚を回してスタートに向かった。

レースプランとしては明日のXCOのための刺激を入れるのが主な目的だが、負けては意味がないので、何回かアタックした後早いうちに1人で走れたらが理想的な展開だなと感じた。

そして、このレースからDECOJAの木下さんに急遽作っていただいたTORQUE NEWジャージのデビュー戦でもあった。

NEWジャージ、色が綺麗でかっこいい😎

XCC


📸ta_doさん

スタートはそこまで飛ばさなかったがホールショットは取れたので、まずは先頭で進める。
後ろには内野選手がピッタリマークしてきたが、
1周目は先頭でペースを作ってホームストレートで内野選手を前に出す。


📷加藤さん

そしたらペースが下がり、内野選手の調子がそこまで良くなさそうだなと感じたので、これはもう一度すぐにアタックする事は向こうの頭にもないなら今なら決められると思い15秒数えたらもう一度アタック。

これはインターバルトレーニングを増やした成果なのか、最小限のレストでアタックできた。

登りの終わりまでは着いてこられたが、その後も緩めることなく踏み続けたら少し間隔が空いたのを感じ、そのまま独走開始。


📸伊東さん

こうなったからには最後まで1人で行こうと思い、後ろは待つような事はしないで、1人で淡々と走る。

ペース的には一定で、翌日のためにも無駄な上げ下げはし過ぎないようにして、とにかくペースキープを意識。

標高が高いせいなのか、心拍が下がる感覚はなく足の回復も全然見込めなくてずっと苦しい状況だった。

各周回3〜4秒くらいでジリジリと差は開いていく感じだったので最後までペースでは踏み続けることを意識した。

後ろとの距離感は確認して、最後の登りだけは全開で踏んでゴールした。


📸ta_doさん


レースが終わってから直ぐにテントに戻ってクールダウン。久々のXCCはやっぱり強度が高いなと感じた。

疲れを残さないようにしっかり足回して、リカバリー。

その後はエリートのXCCの観戦して、表彰式終わってから午後試走に向かう。

XCCを走った影響もあったので、前日以上にゆっくり2周くらいと思って走ったが、天気予報が早めにズレて試走途中で雨が降ってきてしまい、あまりコンディションは明日に向けての参考にはならずな感じ。試走を走っている人数が増えたこともあるのか、前日にはなかった木の根などが少しづつ出てきているのを感じた(滑って落車してからそれに気づきました😂)

ロックのセクションの走りはAラインはつるつるなのでBラインの走り方だけ少し仲間内で共有したら2周で試走終了。

バイクを洗車したら、山路さんのとこに自転車を持っていき、Muc offのチェーンオイルを刺してもらう。ホントにこれがあるとないとでは大違い、明日はさらに良い走りが出来そうだなと思うとワクワクした気持ちが止まらなかった。

チェーン洗浄してもらったら雨降ってきていたので、早めに撤収準備して会場を後に、夕食食べに向かった。

そしたら同じ場所に来人君来てくれて一緒にご飯食べれて楽しかった😆

食べ終わったら宿に戻って、風呂入ってストレッチしたら10時半からサポートしていただいているまっさ鍼灸整骨院の阿部先生に来てもらい、30分ほど身体をほぐしてもらったらそのまま爆睡。

XCO当日は朝4時半に起きて、5時半に宿を出発して6時前に会場入り。

天気は梅雨の決戦にしては驚くほどの快晴で、かなり暑いレースになることを予測。

朝の試走前のコンディションは父親とvittoriaスタッフの豊口さんのコースウォークしてきた感覚からするとほぼ、ドライだという状況らしい。

まだこの時はタイヤのセッティングには決めかねていたが、所々濡れているとも聞いたので、タイヤはMEZCALのUCIカラー60tpiを選択。タイヤ幅としてはこのコースはそこまで最高時速は高くないなと2日間走って感じていたため、前後2.25で登りの軽さを求めたチョイス。

サスペンションのセッティングは一里野からリアは5psi落とし、フロント60psi リア110psiにセット。

レース2時間前に食事を摂り、少しづつレースに向けての準備を進める。

9時頃にもう一度身体を先生に診てもらってからアップの準備。

なぜか今回はテントの雰囲気緩い気がして、あまり緊張せずにリラックスして過ごせていた。

アップはレース1時間前の9時40分から開始。
最初に20分ほど脚を回した後に、20秒のダッシュを6本で終了。暑かったので、いつもアップに時間をかける自分にしてはこれでも少なめ。

最後に今井さんにサスのエア圧をもう一度確認してもらい、スタートに向かった。

今回、自分の戦略としては、とにかく自分主導でレースを進めること。おそらく、スタートループが終わって本ループに入った直後あたりから光志との2人での勝負になるはず、最後の1周までもつれてしまうと自分に勝ち目は圧倒的に低くなる。勝つためには独走するのが条件。相手のミスを誘発するように走って、少しでも間が開いたら全開で決めに行くこと、とにかく最終周回までに10秒以上のマージンを稼ぐことが今回のレースのキーポイントになると感じた。

スタートグリットは2番コールだったが、中央ど真ん中に並んだ。

1分前になっても今回は去年までと違い、めっちゃガチガチみたいな感じはなくて、なぜか早く始まらないかな〜って思ってたのを覚えている。


XCO


📸伊東さん

いよいよスタート。

クリートキャッチはまずまずで、右から光志が飛び出す。勿論、すぐに真後ろに入る。

最初の登りは光志を先頭に縦長になって進んでいく。自分は2番手クリア。理想的なポジションだ。

📸伊東さん

走り始めてすぐに分かった。今日は調子が良い。疲れもないし、どこまでも行けそうな感覚がある。でもやっぱりこのコースはスタートループで飛び出しすぎて本ループ入る前に垂れてしまったら元も子もない。

去年は踏みすぎて垂れたのもあるし、光志もスタートループは飛ばしすぎない程度に余裕をもって走っている感じが後ろから見て感じ取れたので、おそらく、次の登りでまずは振り落としに来ると読んでいたので、ここは後ろにいるほうがいいと判断。

すると最終コーナーの立ち上がりで光志がギアを上げる。ここは読み通り、来たかと自分もすかさず反応して、一気に2人になると思ったその直後、光志のバイクから、変速の最中にバキン!と音がした。
チェーン切れだ。

気持ち的には8割、結果にこだわった4周回

それを見た直後、ペースが上がりかけたこのタイミング、勢いを殺さずに自分はそのままのペースで行った。まずは後ろを振り返った。自分の真後ろにピッタリついてきていた選手はいなくて、少し間隔がある。

これは一気に上げると言うよりペースでジリジリ引き離すやり方のほうが脚を使わないと考え、シングルの入口までに少しずつ上げていった。


📸高野さん

もしこれで仮に誰かついてきたとしても、脚を使って追いつかなければいけなく、自分有利で進められることは間違いないので、焦って勝負急いでしまうのは1番やっちゃいけないことだと、負け続けたおかげで感じていたので、落ち着いて走ることが出来ていた。

実際林間区間には単独で入る。後ろには弘明が3秒位で追ってくる。その後ろは4人くらいのパックで8秒ほど。



📸ta.doさん

これは追いつかせて2人でペースを作って後ろを引き離してから弘明と勝負した方がいいかな?と思ったが、コーナーの立ち上がりで弘明の表情を見たらかなりきつそうだったので1人で行くことにした。

しかし既に、弘明と3〜5秒だがその後ろとのパックとは自分が勝つために必要だと感じていた10秒弱のビハインドがあるので無理せずに走った。

感覚としてはテンポ走でまずはフィードまで登る。折り返すように登っていくとこで後ろとの差を確認してみると、少し開いている感じがあったので、今日はこのペースで行けるなと判断。

もし後ろが追いついてきた場合は自分もまだペースを上げられるので、今はペース維持が無難だなと判断し、ロックセクション、大岩含めた下りセクションはとにかく、パンクと落車を引き起こさないように丁寧に走ることを意識で1周消化。

2周目に入り、最初の登りの踏んでいる感じも全開って感じではないが、フォームのブレもなく力感なく進んでいる感じがした。これはやっぱりMuc offチェーンオイルの力が強いのか、本当に無駄な感じがなく、昨日よりバイクが1.5kgも重いフルサスバイクだとは思えない軽さだった。

自分が最初の登坂を終えて林間に入るころに後ろがコントロールラインを通過したアナウンスが聞こえて、大体30秒くらいかなと認識、ここまで余裕持って走れている日は久々だ。


📸ta.doさん

林間に入ってここもミスをしないように走る事を心がける。


下りも登りもMEZCALタイヤのグリップ感は抜群で60tpiになったUCIカラーシリーズはノブとタイヤ自体の柔らかさが格段に違って柔らかくて、ただでさえ乗り心地が良いオルベアのバイクを更に楽に走らせてくれている感覚だ。

葛折りの登りではとにかくアウトインアウトで体力を削らないように走ることを徹底。ギアは比較的軽めで脚を回した。

登りではダンシングを極力避けた。勿論、1発勝負のレースであるし、今日は調子も良かったからドンドン踏んで行きたい欲は出ていたが、このレース、今自分が置かれている状況を一度整理してみると、1番やっては行けないのはメカトラと身体に痛みや体調不良河発生する事。ゴールまで行って最善の結果を出すことだけ考えるなら今は抑えろと自分に言い聞かせて登った。


📸伊東さん

まだレースがスタートして1周半の所ではあったがアジア選手権ではゼリーを取ることはしたが、飲み込めずに戻してしまい、それが失速の原因にも繋がった事もあり、今回は早めに取った。

あの時の苦い記憶も今になると無駄じゃなかったと感じる。

3周目もペースは一定、下りでは飛ばすことは一切考えずに丁寧に走った。

後ろとは1分近くまで開いたとのタイム差を聞き、大体予想通り、1周に30秒ずつくらい引き離して行けてる。ここに関してはインターバルでもタイムを測るようにしていたため、1人でペースをコントロール出来る能力が少しづつ身について来たように感じる。

4連ロック、大岩のセクションを終えた後に光志が3番手まで上がってきているのが見えた。

恐らくタイム差としては2分ないくらいか…まじ、もうここまで来たのかよ…と内心は思ったが、彼の能力を考えると不思議ではないよなと感じた。

📸伊東さん

いよいよ最終周回。

ずっと欲しかったタイトルまではあと3.2km

身体は持つ。まだまだ全然余裕はあるなと感じここで少し登りはペースを上げた。

下りはリスクを考慮して攻める事はしなかったけど、登りではダンシングを前の周より多く入れて立ち上がりもこの周回は踏んで行った。

このレースはユース3周回、ジュニア4周回のレースと言うこともあってこの周回はユースの子に追いつくこともしばしばあった。

自分も必死だったから後ろから抜く時開けてー!としか言えなかったけど、皆んなジュニアの先頭だと分かってくれていたのか、下りの前とかだと止まってまでして道を譲ってくれる子もいたり、本当に助かった。この全日本という舞台でそれぞれの勝負があるというのに、ここまで配慮してくれる中学生が沢山いてくれた事にレース中でしたが凄くビックリしたし、本当に感謝しかありません。

そんな中、残りは半周。早く終わってくれ〜って心の中で願ってましたが😂
沢山の人がコースサイドで声援をくれて、キツい富士見のゲレンデでもまだまだ踏める

登りはほとんど終わってそんな中での最後のロックセクションをこなしてゲレンデの方を見る。まだ誰も居ない。

狭い林間の下りに入り、ここはもう慎重に行き過ぎてめちゃくちゃ遅かった😂

下りが終わって最後のフィードゾーンを通過して、バックストレート。もうこの時点で結構泣いてました😂

ゴールゲートが反対側に見える。

80%エリアをクリアして最終コーナー立ち上がり、反対側を見る。いない。

コースサイドで応援してる人が手を出してくれて、ゴールの奥にはカメラマンの方々が構えている。

待ちに待った最高の瞬間だ。

ようやく、思い出した。このために自分は走ってるんだなと。ただ、自転車が好きで、マウンテンバイクが大好きで、レースに勝つ事が何よりも大好きなんだと。


📸教頭

ここに来るまで、何ひとつ期待に応えてこれなくて、裏切ってばっかりで、ずっとMTBのタイトルはなかったのに、それなのにいつもサポートしてくださるドロワー山路さん、vittoria豊口さん、
ジャージをサポートしてくれたDECOJAの木下さん、いつもなにかあると直前で頼ってばっかりなのに完璧にバイクを仕上げてくれるコーキ屋さん、営業日なのにわざわざ会場まできてサポートしてくれた阿部先生、いつも自分に沢山の応援をくださる皆様がいてくださるからこそです。

そして、いつも最高なTORQUEチームのバックアップがあってこそです。
本当にこのチームにジャージを持って帰って来れて良かったなと思っています。(弘明、来年はワンツーな😆)

それと、自分は昔からライバルに恵まれてばっかりです。先週、颯良が全日本ロードで勝ったのを見て光志、颯良と2人とも全日本チャンピオンになったのをどこか嬉しくもあったが、置いていかれた感じがあって凄く悔しがっている自分もいました。
今でも2人に追いつけたとは全く思ってないけど、いつかは自分もあの2人と同じ舞台で走れるようになりたいと思います!

まさか3人揃って同じ年に日の丸ジャージを着ることになるとは…しかも全部競技違う🤣

これからの目標

今年の夏の1番のビッグイベントは終了しました。
けど、自分の目標はもっと先です。
後半戦からはロードレース、MTBをベースにしつつ高体連のレースを走り、トラック競技にも参戦しようと考えています。

まずは8月に行われるMTB世界選手権に出場して、25位以内でのフィニッシュを最大目標に、来年のロードタイトル獲得のため10月の四日市ジュニアロードの優勝を夏以降の最大の焦点にします。

CXシーズンに関してはサマーシーズン終えてから考えようかなとは思ってますが、今年のCXシーズンはとにかく全日本選手権で勝つことだけに集中して行こうと思っています。

自分が本当の勝負だと思っているのは来年の夏です。

そこに向けて準備して行きたい思います!!

長過ぎてすいません😂
書きたい事ありすぎて全部書いたらとんでもない字数になってしまいました😅
もうちょっと上手くまとめられるように今度からはしたいと思います笑

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!

※もしよければいいね、シェアなどしていただけたら凄く嬉しいです。


📸高野さん














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