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夏の夕暮れ ノスタルジーと、未来の夢

夏の夕暮れ、久しぶりに草を刈った。

もとは義母の実家。リフォームして住めたらいいよね。将来はアトリエとか…

そんな夢というか妄想というか、いや現実的ともいえる話をしながらひたすら草を払うわたしたち夫婦。

ご近所からの要請によりしぶしぶ出向いた、ある意味ボランティアだ。

田舎では嫁さんを見る目は厳しい。だからといって持ち主(故人)の奥さんに対し、たまには草刈りに来い、というのも酷な話。持ち主は、義母の親戚で、60歳手前で突然この世を去ったかた。生前は奥様の実家で寝泊まりしつつ、作業場となっていたこの場所。奥様は住んでいなかったが故人はちょくちょく立ち寄り、思い出が詰まった場所なのだ。

しばし無心でせっせと草を払っていたが、これ以上は体力的にキツい!というタイミングで、作業終了。熱中症になったら元も子もない。

ご近所の畑の通路にまで草が伸び、義母の実家だった場所は荒れまくっていた。高齢の義母はその状況が気になりつつも、どうにもできない状況だった。この猛暑のなか、我々も、仕方なくではあったが、廃墟に近いこの場所でもなんとなく未来というか、希望というか、そんな事を感じていた。長男にも付き合ってもらったが戦力というよりはその場所を見せて何を感じるか聞きたかった(草刈りはちょっと無理な感じだったので)

古民家をリフォームしてアトリエにというのは、「レトロとモダンの融合だよね」という息子の意見を、結構うれしく感じた。

3世代同居をしていると、何でも新しくとか、古いものは捨てるとかいう概念ばかりではうまくいかない。結構モノは増えてしまうけど、そのモノたちの意味や込められた思いなんかも知ることがある。

古き物を捨て新しきものを入れるのもいいが、あえて古きものを味わう文化も捨てがたい。

田舎の嫁だからこそ感じられる、いまどき珍しく、貴重なことだ。



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