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英国籍の某豪華客船に乗ってきた

先日、10日ほど英国籍のいわゆる豪華客船と呼ばれるものに乗ってきたので、忘れないうちに色々書いておこうと思います。
船の名前は、イギリスの先代女王の名前。今後「QE」と書きます。何故伏せるのかと言うと、その時船に乗っていた客の中で私の年齢層の人間は極端に少なく、身バレの危険性が高いからです。特に同行していた身内には絶対バレたくない。

船の概要

乗客定員数2000人超、全長294m、乗組員数1000人弱。
船の階層は「デッキ」で表され、デッキ1〜デッキ12まであるのと、さらに出入り口のある地下(エレベーターでは「A」と表記されていた)もあるので、少なくとも私が把握している範囲で13階層ありました。
マンションですね…。
乗組員の寝泊まりする部屋もあるはずだし、毎日大量の洗濯をする部屋とか、多分私たちの知らないエリアがたくさんある気がするので、もしかしたら地下にもっとあるのかもしれない…ないかもしれない…。
客の入れないエリアの扉はそこかしこにあったので、そっちには私の知らない世界があるはず。
2010年竣工、2018年に改装されているそうで、歴史を感じさせる格調高い内装ながらも、設備に古さは感じられず、バリアフリーも徹底されていました。車椅子の人も何名か見かけました。

特徴

階級がある

昔に比べたらかなり緩くなったらしいけど、船の中に明確な階級分けが存在します。
上のクラスの部屋の客しか入れないゾーン(デッキ11)があって、メインダイニング(基本的に食事をするレストラン)も分かれている。映画「タイタニック」を彷彿とさせますね…!世の中には数々の豪華客船と呼ばれる船があるようですが、近年カジュアル化が進んでいて、こういった階級分けは今では珍しいようです。
ちなみに私は下から4つ目のランクのバルコニー付きのお部屋だったので、上のゾーンには入れませんでした。
エレベーターも、そのゾーンに繋がるところは該当するカードキーを差し込まないとデッキ11に止まらないようになっていました。
とはいえ、普通に階段がありまして、一応「ここから先は下々の者立ち入るべからず(意訳)」な看板が立っていたけど、多分こっそり行こうと思えば行けたんじゃないかな…。行ってないから分からないけど…。行ったところでどこにも入れないしウロウロしていると声かけられて詰んだと思うけど。

夜になるとドレスコードがある(回避可能)

17時以降になるとドレスコードが求められます。
ドレスコードにも「ガラ・イブニング」と「スマート・アタイアー」の二種類があって、前者はフォーマル、後者はセミフォーマルという感じ。
ガラ・イブニングの日は男女共に皆さん気合い入ってキラッキラしてましたね。ガラの日にはさらにテーマが設けられていて、例えば「ブラックアンドホワイト」の日は、白や黒の(入った)服装をしてみましょうみたいな感じ。全然強制ではないけど、テーマに沿った服装を楽しんでみましょう、という趣旨ですね。
私が乗っていた中で「仮面舞踏会」がテーマの日がありまして…。本当にヴェネツィアンマスクを身に付けて着飾った男女が船内を闊歩してて、非日常ここに極まれりという雰囲気でした。
現代社会で仮面舞踏会というものがまだ存在してたとか思わなかった…。多分日本で普通に生きてたら一生参加することないと思う。
えー!フォーマルだのセミフォーマルだの、毎日そんな堅苦しい服装するのヤダー!という人もいるでしょうが、安心してください。
船内にはメインダイニングの他にも、ビュッフェレストランやパブなど色々なレストランがあって、そっちの方は服装は自由でした。
ルームサービスも24時間無料なので、正装しないと夕飯が食べられないなんてことはありません。
24時間無料ってすごいですよね…。私は1回だけ、22時くらいにサンドイッチ(ホットサンドでした)持ってきてもらいましたが、美味しかったしボリュームすごかったです。

食事について

メインダイニングは階級ごとに分けられていると書きましたが、じゃあ一番下(というかスタンダードクラス)のダイニング「ブリタニア・レストラン」は大衆的なのか、というとそんなことは全くありませんでした。
入口のところには吹き抜けとシャンデリア、足元はふかふかの絨毯、白いクロスが掛けられた全てのテーブルには花が飾られ、各テーブルには給仕とソムリエがついていました(一人が多分5テーブルくらい担当していたのかな…)。

メインダイニング「ブリタニア・レストラン」


食事の内容も、十分に豪華絢爛です。
ディナーは毎食フルコースで、前菜、サラダ、スープ、メイン、デザートをチョイスして注文する方式。さらに食後のコーヒーまたは紅茶(+茶菓子)も完備です。あとパンも付きます。好きなだけ。正直に言って全部食べてたらお腹がはち切れる…。

ある日のメニュー


もちろん「今日はパンとサラダはいらない」とか「前菜とメインだけで」とかも対応してくれるので、無理する必要はありません。私は二日目からは毎日「パンはいらないよ」って言ってたら、給仕の人に「ダイエット中かい?」と聞かれましたが、物理で入らんのよ…。
試さなかったけど、メインから二個とか、デザート全部、とかも全然OKで、食べたいものを食べたいだけ食べられるようです。
一番スタンダードなクラスでこれということは、上のクラスの食事はどうなっているの!?という感じですね…。
ちなみにランチもコース仕立てですし(フルコースではなかったと思う)、朝食も例えば卵料理はスクランブルエッグ、ゆで卵、目玉焼き(片面焼きと両面焼き)、オムレツ、エッグベネディクトなどから選べるし、フルーツ盛り合わせとかもあるし、他にもイングリッシュブレックファスト(一皿にベーコン・ソーセージ・卵料理・ベイクドビーンズ・トマト・マッシュルームとかが盛り合わせになったやつだと思う…私は朝食あまり食べない派なのでそれを選んだことがないため分からない)なんかも選べました。
余談ですが、ディナーの時など、サーブしてくれた料理には仕上げに大きなペッパーミルで胡椒を振ってくれるんですが、なんでか知らないけどうちの担当さん(だけじゃないかもしれない)はとにかく胡椒を振りたがるので笑ってしまいました。胡椒振っていい?って聞かれていいよ、って言うとめちゃくちゃ嬉しそうに振ってくれるので、だんだん可愛くなってしまう。なぜそんなに胡椒推しなのかは最後まで分からないままでした。
毎回フルコースは疲れるよ…という方は、デッキ11の「リド」に行けば気楽にビュッフェを楽しめます。ビュッフェの種類も非常に豊富で、野菜、肉、魚、主食、フルーツ、スイーツ、飲み物が山のようにあります。朝食時はオムレツはその場で具を指定して焼いてくれます。毎日大体似通ったメニューではあるのですが、ディナータイムには「Today's Special」といって日替わりのメニュー(アジア料理や麺料理などもありました)があったり、スイーツも日によって出てくるものが違ったりで、個人的には飽きることはありませんでした(同行した母は飽きたらしいので人によるようです)。
また、リドにはピザ窯があり、数十種類の具材から自分で好きにトッピングを選んで焼きたてのピザを注文することもできます。ピザ生地やソースも数種類あった気がする…。
そのほかにも船内には食事どころはいくつかあって、例えば「ゴールデン・ライオン」は本格的な英国パブでビールやカクテル(アルコールは有料)も楽しめますが、フィッシュ&チップスやカレー、コテージパイなんかも食べられます。美味しかったです。
午後三時には、「クイーンズルーム」というホールでアフタヌーンティーが催されて、白い制服と手袋を身につけたクルーによって紅茶とサンドイッチ・スコーン・スイーツも提供されます。
先ほども書いたように、ルームサービスも24時間あってそれなりのメニューが用意されているので、船内にいて空腹で困ることはまずないと言って良いでしょう。
驚くべきことに、基本的に船内の食事は全てクルーズ料金に含まれているので、どれだけ何を食べても無料。すごいですね。(一部、予約制の有料のスペシャルレストランなどがあります。また、アルコールは有料ですが、イギリスのパブでの一般的な料金程度らしく、個人的にもそこまでバカ高い金額とは思いませんでした。カクテルが10-15ドル、ビールが6-10ドルくらいだったかな…。)
豪華客船と呼ばれる船は多くがこのタイプ(食事などがクルーズ代に含まれるオールインクルーシブ)なようなので、食欲に自信アリニキは是非乗ってみてほしいです。多分、海外旅行行って毎食良いご飯食べるより全然安いんじゃないかなあ。
肝心の味について。私の感想としては基本的に大体全部美味しいです。ただ多分、日本で食べる星付きのレストランとか高級ホテルのレストランの味なんかを期待して行くともしかしたら「あれ?」と思う人もいるかもしれないですね。食べ慣れないものもあったりするし、ケーキ類は人によっては甘すぎと感じるかもしれないし、スープは味が濃いことが多い。でも私にとってはどれも十分美味しかったです。
そもそも、この船の中は日本ではなく外国扱い。ここはイギリスなんです。むしろ昔『イギリスの食事はおいしくない』という意見も聞いたこともあったので、私からすると期待を大きく超えた美味しさでした。海外旅行をしたことのある人なら違和感もなくどの料理も楽しめると思います!

決済システムについて

ルームキーのカードで船内の全ての支払いを行う仕組みでした。
チェックイン(オンライン)の時に自分のクレジットカードを登録しておくと、ルームキーに紐づけられていて、船の中で買い物をした時や有料のサービスを受けた時にはルームキーを出す方式。レストランのソムリエの人とかも含め、サービスを行う人は皆腰にカードリーダーをぶら下げていました。意外とハイテクです。
下船する日の早朝に明細票が部屋に届けられて、問題なければ後日登録したクレジットカードにその金額が請求されます。ちなみになぜか、船での支払いは全て米ドル。英国籍の船なのに、ドル。理由はわかりません。
基本的にカードをタッチして行った会計に間違いはほとんどないようですが、私の場合は、ある時カードがすぐに出てこなくて部屋に忘れたと思ってとりあえず支払いを部屋づけにしてもらったら(そういうことも可能らしい)間違って同行者の方に請求されていたので、明細書はきちんと確認するべし。もちろん、フロントデスクに問い合わせたらきちんと修正してもらえました。

部屋について

私の部屋はバルコニーが付いているタイプの、かなりスタンダードな作りのものでした。
ベッド(ツインまたはキング)、ソファ、テーブル、デスク、冷蔵庫、クローゼット、金庫、テレビ(当然日本のテレビは見られない)、湯沸かし器などが備え付けてあります。ベッドサイドにはチェスト、ベッドの足元にも大きめの引き出しがあって、割と収納は多め。ベッドの引き出しの奥側にはスーツケースを収納することも出来ました。
面白かったのは壁に磁石がくっつくこと。磁石付きのフックとか持って行くとちょっと便利かも。
洗面所はトイレ・シャワーが分かれていないタイプ。バスタブはなし。シャワーのヘッドが固定で使いづらかったのが、船の中での生活の数少ない不満の一つです。上の方のクラスになるとバスタブやらジェットバスが部屋に備え付けられるそうで、多分シャワーヘッドも動くんでしょうね…。
清掃は毎日二回行われます。そう、二回です。実家に暮らしてた時だってこんなに自分の部屋を掃除されたことなんてない。
清掃員さんは担当制のようで、私の部屋は毎日同じ人が掃除してくれました。朝食に行く時にいつも廊下で会うので毎日挨拶するうちにちょっと仲良くなったよ。

私の部屋。奥にバルコニーが付いています。ルームサービス頼んで朝食なんかも外で楽しめるそうですが私はやらなかった…勿体無かったかもしれない。
バルコニー側から見た部屋

部屋の扉は当然皆同じなので、廊下に出ると同じ扉がずらりと並んでいて、自分の部屋番号を忘れたらたちまち積みます。覚えていても、最初のうちは今自分がどこにいるのか分からなくてなかなか帰れない。
ちょっと面白かったのは、船の右舷側左舷側とで、部屋番号が奇数と偶数に分かれていたこと。右舷が奇数、左舷が偶数。最初これが分からなくて、自分の隣の部屋の番号はあるのに自分の部屋がない!?って焦りました。なんでだろうなあって考えてたんですが、多分、隣同士であること以上に、部屋番号を見た時に船のどの辺りの位置なのかが分かることが重要なのかなと想像しました。
部屋番号って4桁になってて一桁目はデッキ(階数)の数字なんです。例えば6123という部屋があったとしたら、それはデッキ6の123号室。この二桁目以降の番号を見た時、番号が若い部屋は船の前側、番号が後ろの部屋は船の後側、みたいな感じで分かりやすくするためなんじゃないかなあ…。例えば6004とかの場合はデッキ6の前方左舷。8191とかはデッキ8の後方右舷。みたいな。まあ誰かに正解を聞いたわけではないので実際の理由は分からないのですが。

船内の施設について

船内にはレストラン以外にも色んな施設があったので紹介します。

シアター

船には「ロイヤル・コート・シアター」という大変立派で豪華なシアターがありました。多分数百人…五百人くらい…?は収容できるんじゃないかな。ここで毎晩二回、専属のパフォーマー(劇団員?)によるミュージカルやらダンスショーやらコンサート、プロのジャグラーやシルク・ド・ソレイユ団員によるパフォーマンスなど、様々なエンターテイメントが催されます(もちろん無料)。専属のパフォーマーの人たち凄かったよ…みんな美男美女、身体能力抜群(揺れる船で平気でバク転とかしながら人をリフトしたりとかする)、歌って踊れて演技ができるを兼ね備えた人たちでした。
左右の上部にはいわゆるロイヤルシート的なボックスシートがあって、無料で開放している日もありますが、予約すると(確か69ドルくらいだった気がする)、公演の前に応接室に通されてちょっと偉い人から挨拶されてカクテルと三段プレートに飾られたチョコレートセットでもてなされ、講演中にもシャンパンとチョコレートのサービスを受けられるという特別気分を味わえます。ちなみに私が予約したBox15は、故エリザベス女王が実際に座って観覧されたシートです。予約する時に係の人に番号指定したら「あーね」みたいな反応をされました笑
シアターでの夜の公演は大変人気で、私は毎回1回目の公演ばかりに行っていたんですが、毎回満席御礼状態でした。

ロイヤルコートシアター。中央付近で撮ったので、この後にもたくさんの座席がある。地元の映画館よりずっと大きい。
ボックス席からの眺め

カジノ

立派な、と言っていいのか分かりませんが、カジノがありました。私は一度もやらなかったんですが、夜になるとディーラーの人たちが現れて、ギャンブルに興じる人たちの姿を見ました。
日本人はあまり馴染みがないせいかあまりやっている人を見かけなかったのですが、スロットマシンの方には日を追うごとに座っている人をよく見かけるようになりました。果たして船で一攫千金の夢を叶えた人はいたのでしょうか。(すごい大当たりが出たみたいな噂は小耳に挟んだのでいたのかもしれませんね)
私はカジノはやらなかった、と言いましたが、船内でできた友達に誘われてビンゴ大会に参加してみたところ、有料で(4ゲーム分のビンゴカードを60ドルで購入する)、ビンゴに当たると商品ではなく賞金がもらえるというものでした。たぶんこれ、最初気付いてなかっただけで実際はカジノの管轄のビンゴだったんだと思います笑
ラッキーなことに私は一度当たったのですが、引換券的なやつをカジノの換金所に持って行くと現金を貰えるという…、これどうしたいいんや…と思いながらとりあえず握りしめたドル札の写真を撮りました。いつか渡米する機会あったら使おうかな。

カジノ。夜になるとカウンターにはディーラーが立ってギャンブルに興じる人々が集まります

ダンスホール

「クイーンズルーム」と名付けられたホールも、この船(というかキュナードの女王の名前を冠した船?)の特徴だそうです。二階層吹き抜けの高い天井には大きなシャンデリア(とミラーボール)。木で出来たダンスフロアの周りにはテーブルセットが並んでいて、踊らない人もお酒なんかを飲みながらフロアの盛り上がりを味わえる感じになっていました。人がいない時には結構広く感じていたんですが、夜のダンスタイムには人でぎゅうぎゅうになってほとんど動けない💦ということも多かったですね…。それでも、他の船に色々乗った方によると、この船のダンスフロアの大きさは群を抜いているとのことでした。
ダンスをやっている人にとってはQEで踊るというのは憧れ、という人たちも多いそうで(私はそこまでと思ってなかった…この船踊れるんだ〜くらいに思ってて…)、このダンスタイムを目当てに乗船する人も少なくないようです。私が乗っていた期間も、とあるツアー会社のダンスを目的としたマダムの団体が乗っていて、毎晩気合の入ったゴージャスな衣装で踊ってらっしゃいました。(おそらくツアー会社の人が早めの時間から席を取っていたのか、毎晩中央の一番良い席一帯はその方々に占領されていました😂)
通常、ダンスというのはパートナーが必要なのですが、QEの場合は数人のダンスホストが用意されていることも特徴です。パートナーが居ない人も、ダンスホストが回ってきて踊ってくれるので楽しめます。(ただ私の時はほんっっっとうにダンスに来ているお客が多かったので、なかなか回ってこなくて暇になる時間も多かったです…。が、何日か経つと、団体の彼女たちは夜10時半を過ぎると部屋に帰ることが分かったので、私はそこからがフィーバータイムでした笑)
ダンスホストの方々は結構お年を召している欧米の紳士・淑女(女性も男性役ができました)が多かったのですが、中には船専属のプロダンサーも居て、大迫力のデモンストレーションを見せてくれることもありました。
録音音源の時間帯もありましたが、毎晩特定の時間帯はバンドによる生演奏やシンガーによる歌に合わせて踊ることが出来て、大変贅沢な時間でした。
これが無料で楽しめるというのは今思い返してもすごいことですね…。
ちなみに毎晩ボールルームダンス(いわゆる社交ダンス)というわけではなく、日によってはディスコのようになったり、ミュージシャンによるライブ会場のようになったりする日もありました。(そういった日は、別のクラブがボールルームダンスの会場になっていたようです。)
このクイーンズルーム、昼はアフタヌーンティー会場になったり、スイーツパーティやダンスレッスンといった船内イベントの会場として使われていました。

昼間は明るいクイーンズルーム。夜になるとしっとりと大人の雰囲気になります

バーラウンジ、クラブ

船にはいくつかのバーやクラブがあって、バーテンダーによるカクテルを楽しむことが出来ます。私は普段そういったところに馴染みがないので、あまり足を踏み入れることがなかったのですが、最後の数日、ちょっと仲良くなったダンスホストの人に誘われて、船の一番上の方にある「ヨット・クラブ」というクラブに行っていました。
そこには専属のDJが居て、アゲアゲ(死語…?)の音楽が流れ、真ん中のフロアはミラーボールで怪しげに照らされ人々が踊り狂う空間になっていました。といっても、私が居た時はあまりガンガン踊っている人はおらず、周りの椅子でお酒を嗜んで、たまにフロアに踊りに行く、みたいな感じが多かったですね。バーカウンターもあって、そこでカクテルを作ってもらえます。
私は社交ダンスは少し出来ますが、いわゆるクラブ・ダンスといったものは一切経験がなかったので見るも無様な踊りになっていたと思います…が、プロのDJのカッコいい音楽に合わせて身体を動かしてミラーボールの光に包まれるというのは妙な高揚感がありました。別にどんな風に踊っていても笑ってくる人なんていませんでした(内心どう思われていたかは分かりませんが)。
なんとなく大人の階段を登った気持ちになったので、今度は日本でもクラブというものに行ってみたいなと思っています。その時はちゃんとクラブ・ダンスをある程度学んでからかな…。

ジム、プール、ゲームデッキ

毎日ご飯たらふく食べまくって、運動しないと体調管理が心配…。そんなあなたも安心してください。船の中にはフィットネスジムがあります。9階に有料のスパ(エステとかヘアメイクとかしてくれる多分…利用したことはない)エリアがあって、そこにはいつもスパスタッフが立っているから一見とても入りづらいんだけど、その奥にジムがあります。
中にはランニングマシーンや自転車タイプのマシーン、筋トレマシーンなど一通りあって、海を見ながら運動ができる模様。もちろん無料ですし、使い方が分からなかったら誰かが教えてくれます。
それから、デッキ9の甲板にはプールもあって(しかも2ヶ所)、ジャグジーもあります。南の方を航海して気温が高くなると、水着で楽しんでいる人を多く見かけました。私はプールサイドのソファで昼寝をしていただけですが…。
また、クロッケー、野外ボウリング、パドル・テニス、シャッフルボードなどの競技場もありました。どれも日本では馴染みのないスポーツですが、船に乗っていると初心者向けのゲーム大会などが行われて、それに参加すると遊び方を学ぶことができます。
プールに近くに卓球台もあって、いつ行っても誰かが(大抵常連)白熱した試合をしていました。

ライブラリー

船内には立派な図書館がありました。二階層吹き抜けでステンドグラスの天井と螺旋階段のある美しい空間でした。
蔵書は大抵が英語でしたが、中には日本語のものもあるとのこと。本は部屋に持ち帰って読んでもOKだそうです。

美しいステンドグラスと螺旋階段
海を見ながら読書が出来るスペースもありました

ショッピング

多くはありませんが、船の中にはいくつかのショップが入っていました。
一つはクイーン・エリザベスおよびキュナードの公式ショップ。ロゴの入った公式グッズなどが買えます。といっても思っているほど種類は多くない…。ピンバッジやマグカップやタンブラー、Tシャツや紅茶とかあったかな。
あとは、宝石店や、ブランド品の時計や服、バッグなどのショップもありました。私には縁がないものなのでさらーっと眺めた程度でしたが…。
画廊なんかもあって、日毎に飾ってある絵のテーマが変わったりしていて、通りながら見るだけでも楽しかったです。(もちろん購入もできます)

船内アクティビティ

食事、シアター、ダンス、プール。他に何やるの?と思うかもしれませんが、船の中では常にどこかで何かしらのアクティビティが行われていました。
初心者向けのダンスレッスン(社交ダンスだけでなく、ラインダンスや、フィットネスなんかのレッスンもありました)、クイズ大会、料理講座、絵画教室(画材は初回に35ドルで購入しなければならないようですが、絵画教室自体は継続して何回か行われていたようなので高いという印象はありません)、スポーツゲーム大会、講演会など、全部出ようと思ったらとても忙しいです。もちろん興味がなければゆっくりのんびり静かな時間を楽しめば良いわけなので、過ごしたいように過ごしましょう。
私はスポーツゲーム大会に比較的よく参加したんですが、名前しか聞いたことのなかったクロッケーのやり方を学べたのはとても良い経験でした。普通にイギリスに旅行に行ってもクロッケーをやることはないと思うので。それから、バッゴー(baggo、砂袋を投げて穴の中に入れるゲーム)、輪投げ(ものすごい太い縄で作られていて、重いわ穴は小さいわ歪な楕円形だわで以外と難しかった)など、普段生活していたらやらないゲームばかりでしたね。私が乗っていた間には開催しなかったようですが、フェンシング教室などが行われることもあるらしいです。是非やってみたい…!
ゲーム大会はチームを組むことも多いので、それを通じて他の乗客と仲良くなることもあります。私も実際そこで知り合って、船を降りても連絡を取り合う人が何人かできました。

クロッケー場。ボールを打って4ヶ所のフープを通し、最後に中央のバーに先に当てれば勝ちというルールです

音楽

これまでに何度か書いているように、船では至る所でさまざまな生演奏を聴くことができました。吹き抜けのロビー、パブ、ダンスホール、ラウンジ。船内を歩いていると、プロによる弦楽奏やハープ、バンド演奏を聴くことが出来て実に優雅です。
個人的に一番アツかったのが、アイリッシュ・フォークの二人グループが来ていて、本物のアイリッシュ音楽を堪能できたこと。ちょっと個人的な趣味と興味で最近アイリッシュ音楽に興味を持って色々調べたり動画を見たりしていたんですが、生の演奏は聞いたことがなく、コロナ禍の影響もあってなかなか国内で聴く機会もなかったので、興奮しました。一人の奏者がフィドル(ヴァイオリン)、ティンホイッスル、フルート、イリアンパイプス(肘でふいごを膨らますバグパイプみたいなもの)、アコーディオンなどを次々に楽器を変えて演奏していくのは格好良かったです。聴きながら隅の方でアイリッシュダンスの足捌きで軽く踊っている人がいたのもとても良かった…教えて欲しかったな…。

インターネット

これだけが!!!もう本当に唯一といっていいほど(シャワーヘッド問題もあるけど)不満でした。いや仕方ないんですよ、船ですから。陸の基地局につなげないので、衛星通信しか手段がないので分かるんですけど。
船内インターネットにつなぐ料金、24時間で24ドル。たっか!私の格安SIMのスマホの一ヶ月料金よりも高いよ!?毎日つなげば24時間19ドルくらいに値下がるらしいですが…10日間つなぐとか無理無理。
しかも24ドル払っても激遅なんですよ…。動画視聴とか夢のまた夢。ソシャゲのログインだけでも激重だし、突然切れることもある。
ちなみに36ドル払えば動画視聴もできるプレミアム回線に繋げるらしんですけど…。いや高すぎでしょ。
船に乗っている間くらいはインターネットから離れて、静かな生活を楽しもう、ということかもしれないんですが、現代人かつオタクには厳しいものがありますね…。
インターネット問題さえ解決できれば、一生船に乗っていてもいいと思ったんですが(その前に巨万の富を手に入れねばならない)。あっでもアニメやゲームや同人イベントにも行きたいので年中船に乗っているのはやっぱ無し。
ちょっと面白かったのが、船内インターネットに繋いでても、とらの◯なのサイトには繋げられませんでした笑 何かしらの規制に引っ掛かってる…。

寄港地について

周遊クルーズなので、何日に一回かはどこかの寄港地に寄ることになります。
私の場合は、台湾と沖縄(宮古島と那覇)でした。
大体朝に着岸して、夕方に離岸します。乗客は船を降りて寄港地を散策してもよし、船に残ってのんびりしてもよし。ガイド付きのオプショナルバスツアーなんかも行われているようでした。私は自分で調べてバスやらタクシーやらレンタカーなどで現地を散策しまくっていました。
寄港するとその日の夕食が割と現地のメニューになったり、現地の食材が使われていたりするのも面白かったです。
台湾に寄港した日の夕食に「ルーローハン」があって、頼んでみたら、どんぶりですらない白い平たいプレートに、型に入れて盛り付けられた白いご飯(インディカ米)、八角が効いて味は美味しいけどなんか高級そうな肉、ブロッコリーやトマト(彩り?)などが美しく盛り付けられたものが出てきました。ちなみにナイフとフォークで食べます。スプーンもありません。
美味しかったけどこれじゃない感を味わえてとても楽しかったです。

QE式ルーローハン。美味しかったです。ルーローハンではなかったけど。

よくあった質問

・洗濯はどうしてたの?
私は日数分の下着などは持っていっていたし、ワンピースやズボンなんかは数回着たりしていたので特に洗濯は必要ありませんでしたが、船には一応無料の洗濯室がありました。洗剤も無料。乾燥機付き。アイロンもあり。ただ、おそらくワンフロアに最大二百人ほどが滞在しているにもかかわらず、洗濯機はワンフロアにつき2台程度。船内で知り合った人は洗濯機ヘビーユーザーだったんですが、洗濯室の開く朝10時の15分前に部屋の前に並んでいたそうです。同行者の母は部屋の洗面所で手洗いして部屋干ししていました。

・でも豪華客船ってお高いんでしょ?
ピンキリです。でも私が乗った航路は、確か一番安い部屋は20万くらいでした。10日間で。一番安いといっても、食事等、無料で受けられるサービスに違いはないので、旅行に行くと思ったら全然高くないと思います。むしろ安い…?
一番お高いお部屋(グランドスイート、128平米、我が家よりずっと広いし、専用バトラーサービス付き)なんかは200万円超えみたいですけど…。どんな人が泊まるんだろう。
ちなみに2025年から多分値上がりするっぽいので(世界的な物価上昇の波が…)、今年と来年がチャンスかもしれない。

感想

結論から言うと、個人的には豪華客船の旅、とても楽しかったです。毎晩夜に着飾るのも楽しかったし、知らない人や外国の人と交流するのも楽しかった。船で仲良くなった人が後で互いのことを知り合っていくとめちゃくちゃ面白い経歴を持っていたりもして、普段生活していたら会わないような人とも交流できるのは、船ならではという感じです。やったことのないスポーツができるのも楽しかったし、普段だったら自分では聴かない音楽を味わえるのも良かった。

事前に調べて想像通りだったこと、乗ってみないと分からなかったこと、色々だったので、興味がある方は是非ご自分で乗ってみることをお勧めします!
何か質問とかあったら答えるので、遠慮なくコメントしてください。(SNSとか知っている人はそちらからでも!ましゅまろやお題箱でもOK)


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