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きみとぼくだけの場所。

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日常と恋愛を切り取った、とっても短い創作です。
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2022年2月の記事一覧

あなたの手で縛りつけてよ。
私には、目の前しか見えていないの。

鼻と鼻がくっつきそうなくらい近いのに、あなたを見ていないんだよ。

俺のこと見て、って言って。
イケナイ子だ、って叱って。

腰に食い込んだ指が心地よくなるまで、何度でも教えて?

私が好きなのは、一体誰なのか。

まち
2年前
8

なんでいちいちこんな可愛いの…
俺専用の可愛いツボ押しマシーンなのか?
そうなのか?
むしろピンポイントで押されすぎて苦しい。

普段そうでもないのに2人きりになるとめっちゃ恥ずかしがるとことか、一瞬吸光度が変わる目線とか。

隣で頬杖つきながら、内心いつもにやにやしております。

まち
2年前
6

目覚めるといつも泣いているの。
あぁ、本当にいないんだなあって。

素肌に当たるシーツは、なぜだかいつもよりやさしい。

この場所は、いつも最後まであなたの香りが残っているところ。

だから、いつまでも離れたくないんだよ。

まち
2年前
12

ねぇ、特別な好きってどんな匂いがするの?
どれだけ説明されても、わからないの。
わからなきゃあ、いけない?

誰だって、他人のことを完全に理解だなんて、できないでしょう。
私も、同じじゃあないの?

「君はそうなんだね」

そう言って、肩を抱き寄せて。
ただ、笑いあっていたいの。

まち
2年前
7

とけて、とけて。
触れあったところから細胞は同期を始め、
甘く震えるたびに、私の中でdeleteとwriteを繰り返す。
流し込まれたそれは、口角から溢れる。

コントラストは曖昧なままでいいの。
境界なんて、ないままで。

まぶたの裏が白む頃、私たちになんて名前を付けようか。

まち
2年前
12

「今夜は月が綺麗だね」なんてナチュラルに言える男って格好よくね?

いや、僕は言ってないですけども。
言う相手もいないんですけどね。

僕がこれまで何千、そしてこれから何万とその言葉を囁くであろう君は、確かにこの世界のどこかで呼吸して、日々を右往左往する僕を笑っているのだろうか。

まち
2年前
11

僕たちは、キスをした。 君が委ねるように、目を閉じたから。 今だけ、どうか。 この激しすぎる拍動が荒くさせる呼吸。唇。 音を立てないでいて。 カタチのない熱を交わしあった今を知っているのは、永遠に僕たちだけ。 そうであって欲しい。

「冷たっ!なんでこんな冷たいの。え?ちゃんと血、通ってる?大丈夫??生きてる?🤣」
不意に触れた指のあまりの冷たさに、彼は笑う。掴もうとするそこからパッと逃れて、自分の両頬にあてる。
「ダイジョブだよ💦」
今、私の身体の中で、いちばん熱いとこがどこかは、ちゃんとわかってる。

まち
2年前
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