ひとりっこのおはなし


うちの息子はひとりっこです

ひとりっこだから…とたまにいわれることがあります

彼はとても良い子なので学校や地域の方々からよく褒めていただくのですが

褒められるときにこの単語はでてきません


夫も私も3人兄弟です

特に私は兄弟と仲良しなので、できれば兄弟はいたほうがよいと考えています

子どものうちは気づかなかったけれど、今の私には兄弟はとても大切な存在です

なのでできれば息子にも兄弟を、と考えていました

でもいろいろな事情で、彼はひとりっこです


今十歳になった息子をみていると、ひとりっこって素晴らしい!って思います

なぜ世間でひとりっこに良い印象がないのか不思議です


ひとりっこは生まれたときから大人の世界のルールの中で生活しています

ひとりっこは我侭に育つと聞いたことがありますが、そんなことはないと思います

彼が幼稚園に通い始めた頃、私は日々質問攻めにあっていました

どうしてご挨拶やお返事をしない子がいるの?

どうして泣いている子は理由を教えてくれないの?

どうしてお友達が使っているものを取ってしまう子がいるの?

きっと苦手か練習中のお友達なんだね、と答えると

僕はそんなことしていいって知らなかったよって

大人の世界ではありえない子どもだから許されることを彼は知らなかったのです

本当に彼は良い子だったんです


息子は私たち両親、祖父母、叔父叔母からたくさんの愛情をうけて大きくなりました

そこに比べる相手がいないのです

姉や兄を羨んだり、妹や弟と分け合わずにすむのです

なので彼の自己肯定感はかなり高いです

自己肯定感の高い彼は常に前向きです

注意をうけたとき、ここを直せばいいんだと素直に聞ける、自分が否定されたとは微塵も思いません

教えてくれてありがとうと笑顔でお礼がいえちゃうくらい余裕です

だから彼は、いつも優しい人より時には叱ってくれる人のほうが自分のことを考えてくれている人だということを知っています


今ひとりっこを育てていて、ひとりっこで残念に思うことはひとつもありません

ひとりっこだからしてあげられたことや、ひとりっこだからの彼にすごく満足しています

もし兄弟がいても私のように仲良しの兄弟になるとはかぎらないですしね

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