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Le Petit Prince

一言では表せることができない作品。

まさに、自分の中で1番の HadesTownに値するミュージカルを観劇した。リトルプリンスの物語は大体知ってたが、ほぼ初見の気持ちで見たからその分感じることがたくさんあった。

このレビューはタイトルをいくつか分けて書きましょう。

-演出

-ダンス

-土居さん

-幸人さん

こんな感じで。

まず、演出は小林香さんと正直知らなくて厚かましいが、舞台の構成、キャラクターの関係性、もちろんストーリーの伝え方に演出の細かな表現があった。

舞台の構成は、さまざまな大きさの丸、ドット、穴のような4面でできたシンプルな白いフラットで囲まれていた。第一印象はもし自分が穴恐怖症や、集合体恐怖症だったら見れてなかっただろうなって。

でも、このシンプルなフラットがシーンによって変化する。

最初は、ヘビの出口。あーこれ登って上の丸もキャラクターの出入り口になるのかと、一本やられたと思った。それから、星々の一部、水と変化できる様は、リトルプリンスの抽象的でファンタジーの世界を壊さずにシーンを演出できていた。

で、1番天才だ!と思ったのは1部の最後プリンスが地球に着くとき。

上のフラットが降りてきて、地球に見立てるというもの。

降りてきた時はもうああああああこれは地球になるんだと、こんなふうに箱のステージの中身が地球で埋め尽くされていて、比較的小さめな劇場だったがそれ以上に大きい世界を見たように感じた。

それから、これはもしかしたら演者の意思かもしれないが、たくさんの台詞の中で、シーンごとにメインで伝えたい、Quotesの部分は強調して、間に間をいれて観客に気づかせようとしていて観やすかった。

1部の最後、飛行士、はな、王子が集まったところ3人の動き方が重ならずに動いている様子がまるでそれぞれが星のように見えて、実は私自信人間は一つの輝く星なのかと感じさせるような動きだった。

あと最後に、飛行士とキツネが同じキャストで演じている。

このチョイスは見ている時からこれはそもそもそういう設定だったのか、今回だけそうしたのか気になっていたが、調べると今回が初めてのようで。そこに演出の考えが詰まっているなと感じた。

まず、王子の台詞の中で、キツネのシーンが終わった後、「キツネと同じことを言ってて嬉しい」と飛行士とキツネのキャラクターが繋がる部分。飛行士とプリンスは最初はただの知らない同士から始まっていたが、キツネのシーンの後にはキツネとプリンスの関係性のようにかけがえのない友情のように変化していたことに飛行士とキツネが重なる部分があって、1人で2役やったからこそストーリーやキャラクター同士の関係性に深みが出ているように感じた。


港 ゆりか・木下菜津子さん振り付け。すごくジャズメインで1番は黄色のお花のシーン、バオバブの木のシーンはアンサンブルさん達の良さが出ていて見応えがあったなと。でももっとコンテ寄りの意味わかんないような動きがあっても良かったんじゃないかなと思っちゃたりしなかったり。

もっとダンサーさんたちの良さが出るんじゃないかなーと観ながら、私ならどうするだろうって考えてた。こんな身分が本当に言えたもんじゃないけど。

土居さん。

わーもうなんか王子の年齢ておそらく小学生とかなんだろうけど、あの子供らしい笑い方。あの子供のなんともいえないずっと聴いてられて、聞いてるこっちまでもにやけちゃうそんな笑い方。

なんでできるの。

いや、もちろんそりゃ長年やってるからかもだけど、本当に王子にしか見えなくて。でも、言葉一つひとつが土居さんが生きてきた人生を示しているような重みがあって。

すごく言葉が心に突き刺さった。

あーこれが役に生きるかと。感情をコントロールしながらでる透き通った声は本当に鍛錬されてる方の声で。

ブロードウェイとは違った日本のミュージカルの良さを感じた。もっとみたい。土居さんの作品もっとみたい。研究したい。


幸人さん

へびのキャラクターを理解するのに1番苦戦したかもしれない。だって怖そうなのに最後には王子が家に帰る手伝いをしてあげるって。

それを死を意味しているんだろうけど、でも王子の反応からは死に対して怖がらなくていいような感じがして。そんななんか謎でミステリックな感じがヘビのキャラクターなのかとも感じた。

その謎さを幸人さんの踊りでさらに磨きかかっていて。本当に頭が機能しないぐらいいい意味で毒げきかかったように幸人さんに魅了されてたなあ。

楽器ひとつひとつにヘビのキャラクターを絡ませていて、歌も台詞もありながら身体全身で、爪の先まで表現してるから、あの幸人さんだけの空間ができるだな。

リトルプリンスの物語の中でなんだかヘビのシーンだけ他のシーンよりかけ離れて違って見えて。それはその幸人さんのかけ離れた世界観を作る表現力が、人間が一番わからないからこそ怯えている死というものを意味するのに合致しているからそう見えたのかと。

そんな死とかそういう概念を暗示させるような表現者って他にもおるんやろか。



すごく自分の心の中がいろんな毛糸が絡まったみたいになってたのが、紐解く先はこれだよ!こっからこんなふうにひっぱたら抜けるよ!って教えてくれたような作品だった。

観終わって疲れるぐらい、その後の1日がリトルプリンスで頭いっぱいになるくらいに自分に響いた作品。

2部で、プリンスが星空見るの好きなんだって言ってて、お母さんも好きだって言ってたの思い出して、小さい頃は綺麗だからと思ってたけど、お母さん見るときはなんか癒されたい時とか、何かあった時に見てることが多くて。実は星見ながらリトルプリンスのお話を思い出してたのかなあって気づいた。違うかもだけど。

ちゃんと読み直して、自分も心の中で大事にしたい。

もっと理解できるようになりたい。

もっとこういう作品に出逢いたい!

勢いで書きすぎたな。 Ayaka


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