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【リーダーの本音】條川武志(理学部物理学科新3年)

こんにちは。ブロック長の條川武志です。先日の部員紹介の記事で私の生い立ちを大まかに記しました。今回は私がブロック長を半年務めて感じたことを正直に記したいと思います。長くなりますが、よろしければ最後までご覧ください。

昨年の10月1日にブロック長に任命されてから、私は最大のチーム目標を第100回箱根駅伝予選会への出場として掲げてきました。しかし、就任時に10000m34分切り(参加のための標準記録)を達成していたのは当時3年だった堀越(前ブロック長)のみで、引っ張る立場である私ですらクリアしていないという情けない状況でした。

休部直前の対校戦(10000m)で32分52秒をマークした、前ブロック長の堀越(前列中央)。彼の最高の置き土産からこの半年は始まった。

10月下旬の記録会で私が2人目の突破者となると、12月に伊藤、2月に西田(中距離)と添田がクリアし、34分切りは5名となりました。

正直に申し上げますと、この半年は幾度となく予選会出場を諦めかけました。結果がすぐには表れないのがスポーツの難しさの一つです。それでも私は「予選会に必ず連れて行く!」とチームメイトに強気に言い続け、私なりにプレッシャーと向き合い続けてきました。闘志や情熱を絶やすことなく、常に堂々と振る舞うことこそがブロック長である私の責務です。また、私自身11月20日の上尾シティハーフで自己ベストを5分46秒更新する69分48秒をマークし(自分でも驚いています)、予選会で他大学の格上のランナーに挑戦したいという思いが強くなりました。

そんな中、伊藤(12月)と西田(2月)の快走はチームに勇気を与えるものでした。伊藤は医学部生のため、授業や実習で忙しい中練習時間を確保するのは至難だったでしょう。先日の記事にもありましたが、やり方を工夫し、2ヶ月で2分以上タイムを縮めた彼の努力は計り知れません。さらに、2月の松戸記録会では、中距離ブロックの西田が専門種目ではないにも関わらず初レースで軽やかに34分の壁を超えました。私が嬉しかったのは、西田が記録をクリアしたことだけではありません。彼はシーズンイン直前の大切な冬季期間を長距離ブロックのために捧げ、自分の結果とはいえ私以上に記録突破を喜んでくれたのです。この時点で私は改めて覚悟を決めました。「前ブロック長の堀越さんや中距離の思いを踏みにじることはできない」

チームに勇気をもたらす走りを見せた伊藤(前列右から2人目)と西田(同中央)。諦めかけていた私の「夢」を再び手繰り寄せるものだった。

また、一年生にしてチームのエースである添田の走りにはいつも惹きつけられています。試合でも練習でも安定感は抜群で、5000mの自己ベスト(14分54秒)でも全く歯が立ちません。彼はロードに苦手意識があるようですが、苦手なロングジョグも積極的に取り入れている姿を見ると、近いうちにハーフマラソンにも対応できるでしょう。それでも私は彼のレベルに近づきたいと思って毎日練習しています。私の持論ですが、「後輩に負けて何も思わなくなったら、それは引退の時期」と考えています。例えどれほど力の差があろうとも、引っ張る立場の人間が簡単に後塵を拝するわけにはいかないのです。

27大駅伝の3区で力走する添田(写真中央)。本人は不満だが、各校の主力が集う中で大いに健闘した。

先ほど申し上げた通り、任期が半分終わった現在(4月1日時点)、標準記録を突破しているのは私を含めて5人です。もちろん「時間がない」というのが私の率直な感想であり、立川に行けるかどうかは恐らくギリギリの闘いになるでしょう。それでも10月14日、私達は必ずあのスタートラインに立ちます。多くの選手やサポーターの思いが交錯するあの場所に立ったとき、私たちは何か大きなことを成し遂げるような気がします。

怪我に苦しんだ前ブロック長の堀越(左端)の思いも無駄にはできない。

最後になりましたが、日頃から千葉大学陸上競技部へ多大なるご支援を賜り、ありがとうございます。特にレース中の皆様からのご声援が、苦しい局面において選手の背中を強く押しております。6年ぶり、そして記念すべき100回目の予選会への出場は、皆様への恩返しでもあります。険しい道のりではありますが、これからも「ちばりく長距離」を温かく見守ってくださりますよう、よろしくお願いします。

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