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文學少女に出てくる文学作品一覧その①

楽曲情報

文學少女
作詞 熊谷和海
作曲(編曲)BURNOUTSYNDROMES
リリース日2015年5月13日
完成日2015年3月30日

それでは1つずつ見ていきましょう。

国境の長い雪国を抜けると雪国だった。

川端康成の『雪国』(1935年)の冒頭の文章です。とても有名なフレーズですが、この言葉は定期的に雪国を訪れる男性「島村」の目線で書かれたものです。

背中にくい込んでいた夜と

川上弘美の『蛇を踏む』という作品で、3つの短編で構成されており3つ目の『惜夜記』(1999年)の冒頭の言葉です。
読み方は「あたらよき」と読みます。「あたらよ」とは明けてしまうのが惜しい夜という意味。
冒頭の正しい文章は「背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった。」

桜の樹の下に埋まる死体と

梶井基次郎の短編小説『櫻の樹の下には』(1928年)の冒頭の台詞です。
冒頭の文章は「桜の樹の下には屍体したいが埋まっている!」これは信じていいことなんだよ。

1stアルバムの『檸檬』も梶井基次郎の作品である檸檬からきています。

蜘蛛の糸と

芥川龍之介の『蜘蛛の糸』(1986年)の作品名です。学校の授業で習ったという方も多いかと思います。

また、2011年リリースの『新世界方面』には「蜘蛛の糸」が収録されています。
余談ですが、サカナクションの楽曲にも蜘蛛の糸の内容が出てくる曲があると思われます。『蓮の花』はMVが、ナイトフィッシングイズグッドの「かの糸たぐりよせてしなる」の歌詞は蜘蛛の糸と関連性があると個人的に思っています。

羅生門と

芥川龍之介の『羅生門』(1915年)の作品名です。こちらも非常に有名な作品です。
読み終わると追い込まれた人の醜い一面をみせられている気がして、やるせない気持ちになります。

城の崎と

志賀直哉の『城の崎にて』(1917年)の作品名です。
あらすじはこちらの記事を書かれ方が綺麗にまとめています。

またまた余談になりますが、一度城の崎温泉に行ったことがあります。温泉街の雰囲気は落ち着いて静かな場所でした。湯めぐりを楽しむことができるのでおすすめの温泉街です。

走れメロスと

太宰治の『走れメロス』(1918年)の作品名です。
もはや知らない人などいないでしょう。特に説明しなくても伝わると思います。
ちなみに熊谷が引用する文学の中で一番多いのが太宰です。この曲にも複数登場します。

ネット記事のインタビューで好きな小説について聞かれた時、廣瀬は

「僕は太宰治の「斜陽」や「人間失格」が好きですね。この2作はもともと熊谷が好きな小説なんですけど、」と答えている。

名前はまだない

夏目漱石の『我が輩は猫である』(1905年)の冒頭「我が輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。」からきていると思われます。

2ndアルバム『孔雀』には「我が輩は猫である」が収録されています。

恥の多い生涯を送ってきました

太宰治の『人間失格』(1948年)の冒頭台詞です。
『新世界方面』に「人間失格」が収録されており、アルバム『文學少女』に収録されている「こどものじかん」の「恥の多い生涯も隠さず伝えよう」も太宰の『人間失格』からきていると思われます。

熊谷さんが太宰の作品が好きなことがわかりますね。

以上で1番で出てくる作品は以上となります。以降の作品は次回以降にまとめます。