セカンドアルバムへの道、一歩目。

新しい世界から実に四年の月日を経て、シングル「海鳴りの島」は世に出た。

1stアルバム「新しい世界」をリリース後、僕は銀行口座に毎月一万の自動積み立てを始めた。明確な目的があって始めたわけじゃないが、こうでもしないと毎日の生活に追われて貯金が出来ないと思った。

一万円×12ヶ月、一年で12万、四年と二ヶ月で50万貯まった貯金を、子どもたち、ゴメン、と思いながら、もう一度CD制作費に突っ込むことにした。

「海鳴りの島」は当初、シングルではなくアルバムの予定で制作を進めていた。
なのでアルバムの制作予算で50万円。

1stアルバムの予算の半分だが、工夫すれば全然やれる。僕はスタジオでのレコーディングを諦めて、自宅での録音で行くことにした。

これは、一見クオリティーを諦めるネガティブな判断に見えるかもしれないが、実は確信的な判断だった。

まずドラム録音を生でなくMIDIにした。と言っても打ち込みではなく、自宅にエレドラを組んで、Protoolsに繋ぎ、ソフト音源で鳴らす。そして生の人間が叩いたMIDIグルーヴをエディットしてパターンを作る、というやり方だ。

僕は一番最初にCORGのMTR(マルチトラックレコーダー)D8を手に入れたときから生音エディットという手法で作品を作ってきた。

何小節目の何拍から何小節目の何拍までを、何小節目の何拍に何回コピー

これである笑

これでループが作れる。本来ならサンプラーやリズムマシンでやる事だと思うが、自分はバンドだったのでそれをサンプリングではなく生音でやってきた。カーミヌクーはそうして作った作品だ。

MTRからprotoolsへと道具が変わってからは一気にコピペ&エディットが加速し、思い通りの音を簡単に作れるようになった。

テンポやキーも変えられる。歌ってないメロディーも歌わせられる。「波形は友達」を合い言葉に生音をエディットしまくって作るのが自分のアレンジスタイルになった。

バンドじゃないなら、逆に一人で自宅で出来る強みを徹底的に活かした作品を作ろう。むしろそこを売りにしていこう!

こうして僕はセカンドアルバムへの道、一歩目を踏み出した。

今日はここまで、次回に続く!

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