「両思い」の音楽。

アルバム「新しい世界」制作の「裏目標」として掲げたのは、音楽パートナー探しであった。

今回は自分に出来ることと出来ないことをはっきりさせる為に、全て一人で企画・制作・営業・販売をコントロールして自分でセルフマネジメントでやったけど、また次の1歩に出るにはまた人の力が必要だと思っていて、このアルバムを名刺として、一緒にやりたいと言ってくれる人をこれから探して行くことになるでしょうね。僕の音楽を評価して一緒にやってくれるミュージシャンか、プロデューサーか、スタッフか分からないけど、ミュージシャンとして一緒にものを作れるパートナーを探していきたいです。

<当時のリリースインタビューより引用>

ソロアルバムという名刺が出来て、自分がなんぼのもんか一応形になった。

出来上がった作品を聞いて「面白かった、是非一緒にやってみたい」と言ってくれたミュージシャンが二人いた。

音大卒の知識とブルーハーツ仕込みのロックスピリットを合わせ持つマリンバ&打楽器奏者の米須雄作さんと、ピアノと三線を操りジャズから八重山民謡までこなすサキマジュンだ。

このマルチプレイヤー二人との出会いで、ライブの幅が大きく広がった。

アコースティック編成なのに、「ミクスチャー」としてのジャンルの振り幅でライブが出来る。そして何より嬉しかったのは、二人が家で曲を聞いてハモリやコーラスパートを覚えて歌ってくれたことだ。曲の再現性が一気に高まり、これは本当に感動した。

これまで100組を越える沢山のミュージシャンとレコーディングでコラボレーションしてきたが、ほとんどの場合は僕の一方的な片想いからオファーして実現したコラボだ。相手の方から僕とやりたいと言ってくれた人はカクマクシャカ含めほんの数人しか居ない。ミュージシャン冥利に尽きる幸せだ。

この二人と出会えたことで、僕がソロをやるにあたって一旦封印していたミクスチャー音楽の炎に再び火が着いた。昨年発売したシングル「海鳴りの島」とカップリングの「サン」もこの二人とのセッションから生まれ、二人の所属するバンド「ヒカリトカゲ」に演奏してもらってレコーディングしたものだ。この二曲を作れたことで、自分が作るべき音楽、目指すべき方向がぐっと明確になることになる。

続く


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