長男の発達障害と療育~今後のこと

2022年3月26日
長男の保育園の卒園式。
生後5カ月で入園してから、丸6年間大変お世話になった。小さい頃からの様々な想いが駆け巡るが、この保育園で本当によかったと思う。

このnoteを書こうと思ったのは、長男が他の子とは少し違う点があったからだ。今後お子さんを持つ方にとって、何かのときに参考になることがあるかもしれない。そう思い筆をとることにする。

まあ、実際のところは「本当に大変だったんだから!聞いて聞いて!」が本音なのだが、大変なのはどこの家庭も大なり小なりあるはずで、そのあたりはなるべく抑えて書こうと思っている。

【2歳0カ月】異変に気づいたとき

長男は自分たちにとって最初の子どもだ。だから比較対象がなく、ネット上で得た知識くらいしかなかった。言葉の出がかなり遅かったが、個人差があるんだろうなくらいにしか考えていなかった。

行きつけの小児科のおばあちゃん先生は1歳くらいの時から言葉の出が遅いことに対してかなり心配をしてくれていて、早めに専門機関に相談したほうがいいよとアドバイスをくれていた。でもまあ個人差あるし、それほど焦る必要はなくない?と思っていた。

現実を突きつけられたのは、2歳の発達検査の時だ。

「新版K式発達検査」というもので、①姿勢・運動、②認知・適応、③言語・社会という3項目によって、発達の度合いが同年齢の子どもと比べてどのくらい差があるかを評価する検査が行われた。

判定の結果、長男は①姿勢・運動、②認知・適応はさほど問題がなかったが、③言語・社会の能力が2歳時点で6カ月程度しかないという判定だった。1年半の遅れである。

「発達障害の可能性あり」ということだった。

当時、発達障害という言葉は初耳だった。

発達障害の種類

最近は大人でも実は発達障害でしたと公表する方が増えてきているが、2017年当時はまだそこまで発達障害という言葉は一般的ではなかったように思う。(興味を持っていなかっただけかもしれないが)

発達障害には大きく分けて3つの種類がある。
①自閉症スペクトラム障害(ASD)
②ADHD(注意欠如・多動性障害)
③学習障害(LD)

長男は「言葉の遅れ」「パターン化・こだわりの強さ」からおそらく自閉症スペクトラム障害(ASD)の可能性が高かったが、その時点で明確に診断できるものではないとのことだった。

発達障害は20~30人に1人ほど存在するらしい。程度の差はあるが。

【2歳5カ月】保育園からの呼び出し

2歳半くらいのときに保育園の先生から長男のことで呼び出しがかかる。
長男の園での行動に困り果てて、どう対処すべきか相談したいとのことだった。

仕事を途中で切り上げ保育園に行くと奥に通されて、担任の先生と1時間面談をした。「お家での様子」「園内での様子」いろいろ会話をした。

保育園は今でこそものすごくご理解をいただいているが、長男が入園のタイミングで新設され、長男は1期生での入園だった。発達に遅延がみられる子に接したのはウチの子がはじめてだったのであろう。

「お話しをまったく聞いてくれない」
「みんなが座っている時もずっと園内を走り回っている」

他の同じ年の子とは明らかに様子が異なるとのことだった。家でも同様に困り果てていたため、市に相談をすることにした。

改めて発達検査を行ってもらった結果、言語能力は2歳半時点で9カ月相当しかなかった。1年9カ月の遅れ。その結果、子どもの障がい者手帳にあたる療育手帳と療育など必要な発達支援が受けられる受給者証が付与された。

そして毎日の保育園生活に加えて、療育に通うことを勧められた。

調べてみると民間企業が運営している療育施設が存在し、子どもの特性にあわせた支援計画を策定したうえで「出来ることを増やす」「隠れている力を引き出す」ことを目的に運営されているようだ。

自分たちや保育園でもお手上げな状態。藁にもすがる想いで療育施設を探した。

【2歳10カ月】週1回療育開始

それから2カ月後、週1回土曜日に療育施設に通えることになった。

最近は療育施設に通うお子さんが増えており、枠がとれないことが多いらしい。電車で数十分かけて行く必要があったり、車じゃなければいけなかったり、土日は空いていなかったり、いろいろ苦労されている家庭が多いようだった。

長男は奇跡的に家から歩ける場所(片道25分くらいかかるが)で土曜に枠がとれたのは本当に幸運だった。
土曜日は妻が基本的に仕事日(毎週ほぼ水・日休み)であり、必然的に長男を連れて週1回1時間の療育教室に通うのは自分の担当となった。

【4歳】発達検査での成長具合

魔の2歳、悪魔の3歳、天使の4歳とよく言われるが、天使であるはずの4歳の発達検査で我が子の言語・社会能力は2歳相当だった。この時点で2年遅れだ。

言葉で説明しても長男は理解できないので、絵が描かれているカードとかをつかって見た目で認識してもらったりもした。簡単なコミュニケーションをとるのも一苦労だった。

それでも少しずつ成長は続けている。いつか同年代の子どもに追いついてくれるのではという期待もあったが、現実は厳しい。

いろいろ発達障害の事例を調べたが、今後ゆるやかに伸び続けることもあるが、ある年齢で止まってしまうこともあるらしい。これは個人差がかなりあるようだ。

外に出るときも大変だった。

先ほどから言語・社会能力について言及しているが、運動能力は年相応にあった。これがかなり厄介だった。

簡単にいうと「4歳児が全力で2歳児の行動をする」のだ。小さい子を持つ方ならこのことのヤバさが想像つくのではないだろうか。

4歳の男の子の力ってめちゃくちゃ強いのね。大人1人で抑えきるのが難しいくらい。普通に手を繋いでたくらいでは、瞬発力で簡単に抜けだされてしまう。

車に轢かれそうになったことは片手じゃ数えきれないくらい。車がビュンビュン走ってる道路に突然飛び込もうとしたり。そうならないように車が近くを走っている時は極力捕まえてはいるんだけど、毎日の仕事や育児で身も心も疲弊しきっているところで、突如瞬発力をつかわれて手を振りほどかれてしまうと即座に対応できないことがある。追いつくことができず、たまたま近くにいた見知らぬ方に制止してもらったことは一度や二度ではない。

家から勝手に外出して行方不明になったときは肝を冷やした。すぐに追いかけたんだけど、めちゃくちゃ足が速くて、自分が道路に出たときはもう姿がみえなかった。
たまたまパパ(私のこと)の携帯で写真撮影をするのにハマっていた時期で、パパの携帯を持ち出していたため、携帯電話会社に紛失として連絡し、GPSからおおよその位置を割り出して探した。それがなかったら永遠に探し出せなかったかもしれない。

1時間半後、違うマンションからたまたま出てきたところを発見する。本人は悪びれることもなく「何かあった?」とケロっとした顔をしていた。親が近くにいなくてもまったく恐怖感がないのだ。おそらくお腹がすいたら家に帰ればいいやと思っていたのだろう。親の心配も知らずに。

あるときは駅の改札口付近でいきなりつないでいた手を振りほどいてダッシュして改札を通過し、Suicaを持っていなかった自分は大急ぎできっぷを買いに走る。その間に長男は階段をくだりホームに降りて、勝手に電車に乗る寸前だった。見知らぬ方が制止してくれてた。一歩間違ったら電車に轢かれていてもおかしくなかった。毎日が危険の連続である。

ハマると永遠にやり続けるタイプで、休日に7時間散歩に連れ出されて永遠にデパートやビルの階段上り下りに付き合わされたり、意味なく電車に乗せられて片道1時間以上かけて新宿のほうまで行って何もせずトンボ帰りしたこともある。

よくテレビで痛ましいニュースを見かける。昔は親は何やってるんだ?って思っていたけど、最近はその裏にある背景を想像するようになった。これは事故もそうだし、虐待もそう。もちろん親の怠慢や悪意ある虐待によって子どもを傷つけるのは論外だけど、普通の親でもそうなってしまう可能性って全然あると思う。そのくらい育児って心身ともにバランスを崩しやすい。

【6歳】小学校は特別支援学級へ

2021年10月、長男は6歳になった。
周囲の同い年の子と比べるとだいぶ発達は遅いが、5歳でトイレを一人でできるようになり、まだまともな会話はできないが、2~3語文での簡単な意思疎通はできるようになった。

元々数字と音楽にものすごく興味があり、覚えが速かったが、ひらがなカタカナの読み書きもできるようになったし、漢字も少し読んだり書いたりできるようになった。時間の概念とか数の概念はものすごくよく理解している。

驚くのは記憶力の高さだ。1週間前にさらっと大人が「〇〇」って1回だけ発言したことを、1週間後に思い出したように「〇〇」って同じシチュエーションで言ったり、1~10まであるような細かい手順も正確に記憶している。パターン化されたものを覚えるのがものすごく得意なのだろう。ヘブバンのダンジョンなんかもクリアできる。

カレンダーも「〇〇年〇月〇日は何曜日?」って聞くとすぐに「きんようび!」とか答えてくれるし、過去の記憶も日付とともに鮮明に残っており、2021年の9月6日に何をした?とかも教えてくれる。大安とか仏滅とか先勝とか六曜も覚えている。

しかし「保育園で何をしたの?」というような正解のないふわっとした質問には一切答えてくれない。だから保育園でどういう生活をして、何が楽しかったのか、何が楽しくなかったのかということのは長男の口から発せられることはないし、写真や連絡帳、先生からのお話しでしか様子を伺い知ることができないのは少し寂しい。

出来ることは確実に増えているが、現状まともに会話ができず、周囲との円滑なコミュニケーションが難しいことから、小学校は特別支援学級に通う判断をした。付きっきりで様子をみていないと危険が伴うため、これが最善の選択という判断をした。

最初は登下校を1人でさせることが出来ないため、朝は必ず親が付き添って小学校に連れて行く必要がある。帰りは奇跡的に放課後デイサービスに空きがあり契約ができため、そこの方が小学校にお迎えにいき、放課後デイサービスで預かってもらったのち、夕方頃に車で自宅に送ってくれるらしい。

放課後デイサービスも申込者が多いらしく、空きがないことが多いようなのだが、長男はそのあたりは本当に恵まれていると感じる。本当にありがたい。

【6歳】卒園式でみられた成長

2022年3月26日
丸6年間お世話になった保育園の卒園式。

コロナ禍により、様々な保護者が参加する保育園行事が中止となっていたため、実にほぼ2年ぶりの保護者参加の行事だった。

3年前までは人前でパニックになってほぼ泣いていた。2年前の生活発表会では長男はその場に立っていることが精いっぱいだった。
そしてこの日、長男は立派に「さよならほいくえん」という歌をうたいあげた。本当に成長したね。。

他の子と比べたら落ち着きがなく突飛な行動をとってしまうし、卒園式という事の重大さもわかっていない様子ではあったけど、出来ることが増えたのは保育園の先生達や療育の先生達が長男と向き合ってくれた結果だと思っている。そして、保育園のおともだちが長男のことを受け入れ、優しくしてくれたのは本当にありがたかった。

6歳5カ月を迎えた今、おそらく長男の言語・社会能力は3~4歳といったところだろうか。長男なりのペースでゆるやかでもいいから成長していってくれると親としては本当にうれしいし、何か得意なことを見つけて挑戦してもらえれるといいなと思っている。

歌うことが大好きで、音程もリズムもちゃんと取れてるから、音楽の道もありなのかもしれない。長男のやる気次第。

伝えたかったことは、少しでも自分の子どもが周囲と違うなと感じたら、早めに自治体に相談したほうがよいし、療育に通わせられるなら通わせたほうがいいと思う。ただただ不安を抱えながら子どもの成長を心配するよりも、子どもが好きなことや得意なことを見つけて、それに取り組んでもらえたら成長してくれる可能性があると思っている。

今後の自分の活動

2022年4月は長男の小学校入学、次男の保育園入園、5月中旬には妻が育休明けで職場復帰をします。

2021年は自分が心身のバランスを大きく崩してしまい、病院通いを余儀なくされました。今も通院を続けていて、薬に助けられています。聴覚過敏と睡眠障害に悩まされていますが、だいぶマシになりました。9月以降は妻もその様子を考慮して、たまにパパ自由デーを作るべく実家に1泊で帰ってくれたりするようになりました。自分がたまに土日祝日に外出できているのはそのおかげです。

おそらく妻の仕事日は産休前の水・日がベースになるのではと思っています(祝日も年末年始も元旦以外は関係なく仕事)。そのため土曜日は長男・次男を一人で見ることになる可能性が高いです。
ここ数カ月は月1回程度、妻子が土日1泊で実家に帰る等で土曜日のイベント参加を調整したりしていましたが、今後は土曜よりも日曜の方が少し出やすくなるかもしれません。

休日に息子2人を1人で相手するのはかなりきついので、妻1人に任せて外出というのは難しいので、幸運にも奥の手ができました。長男の放課後デイサービスが月の利用日数の範囲内であれば、日曜日の日中(10~16時くらい)の利用も可能らしいのです。

土曜は1人で2人育児がんばって、日曜は月1回くらいわがまま言っても許されるかなと思いながら、今後のことを考えています。

平日は長男がパパと一緒に寝たいといってパパの布団で帰りを待っているので、基本的には20時半までに帰宅するようにしています。でも息子は時間に忠実なので、帰り23:00とホワイトボードに書いておくと先にママと寝てくれます。これから週1くらいは遅め帰りを取り入れようと思っています。
今の自分の仕事はフルリモート可能で、ずっと家でやってもいいし、どこか違う場所でやってもOKです。週3家で、週2は外に出るくらいのバランスでいこうか。

心身にとってよい行動が何かをいろいろ試してみたんですが、一番体調がよいのは麻雀を打ったり、麻雀で知り合った仲間と話しをすることだったんですよね。心身を整えるためにいろいろ模索していきたいです。

最後は自分の話でした。
家族の幸せと自分の幸せ、そしてみなさまの幸せを願って結びとします。

おしまい!

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