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6月のお薦め本

百冊挑戦を始めて、あっという間に半年が経ちました。

本を読む。それは多くの人が普通に行っていることだと思うけれど、「百冊」という数字目標を設定することで、逆に、普段から「読むペース」がつくれるというのは、やってみて感じたことです。「読まないと」とプレッシャーに感じるかと思っていたけれど、それは思っていたよりなく(まあ、100冊いかなくても罰金とられるわけではないので笑)、毎晩、寝る前に本を読む習慣ができたのは、とても気持ちいいです。

また、たくさん読もうと気持ちがオープンだから、自分の好きな小説だけでなく、ルポルタージュ、建築の本、民俗学、エッセイなど、幅広く読んでみることができるのも、この挑戦を始めたおかげ。特に、韓国の小説はドラマチックで面白い。BTSなどの音楽や、ドラマなどが人気があるのがわかる気がします。

残り半年。もちろん、グッとくる小説にも出会いたいですが、ますます幅広く、世の中の捉え方が変わるような本にどんどん出会いたいと思っています。みなさん、お薦めがあったらぜひ教えてください。

では、今月読んだ本を記載します。

1. テンポラリーアーキテクチャー (お薦め度:★★★★★)

大好きな馬場さんの新著で、注目すべき「テンポラリーな建築」が紹介されている。この「テンポラリー」は、日本語に訳すと「仮設」となり、つまり、数カ月後には壊されてしまう運命。実際、日本での事例は実施期間が数ヶ月がほとんどだった。それに対し、海外で使われている意図は違うのではないかとおもせられた。

『未来はわからない。でも少なくともこういう機能がほしいと感じている。だから実験的に「仮」でつくってみよう』

そうすると、結果が得られる。その結果をもとに、さらに実験をすすめる。そんな解釈ではないのか。北欧での実践は今なお、成長し続けているようなものが多かった。


2. 新しいコミュニティを生み出す空間とデザイン (お薦め度:★★★★☆)

社会が変わるとき、あるいは人の行動が変わるとき、その起点に建築の存在があることが多い。人はいつも何かを感じて生きている。それが建築空間として「新しい場」を提示さたときに、「そうそう!これを求めてたの」とその場に足繁く通ったり、友だちに広めたりするのではないか。そういう意味で、建築空間の事例を眺めることは、最新の生活者のもとめているものが見え隠れするようで面白い。

この本を読んでいて感じるのは、以下のポイント。

多層性:一つの場所が、コーヒーショップと、こども食堂、本屋、ホテル、いろいろな場を複合している

多年代性:20代、30代狙いではなく、これからは年代を超えて集まる

ゼロからプラスではなく、マイナスからプラス:オランダでは、土壌汚染が進んだ造船所跡地をコミュニティの場に変えるなど、自治で自分たちが住む場所自体をデザインしている


3. 宮本常一と写真(お薦め度:★★★★★)

4. 辺境を歩いた人々(お薦め度:★★★★☆)

民俗学者 畑中さんとお会いして、宮本常一を薦められた。

「『宮本常一と写真』を読んでみてほしいんだ。例えば祭りがあるとする。普通の人は演物を撮る。でも宮本常一は、だしものに目を輝かせている人々を撮るんだよ。さすがだよね」、そう語られて、『宮本常一と写真』を買った。彼が撮る写真の素朴さや、描く日常の生活風景の変哲のなさに、私の心も軽くなった気がした。


5. 方法としての東北 (お薦め度:★★★★☆)

「ひとつの日本」ではないのではないか?その問いが、私の胸に深く刺さった。両親の実家が広島と山口ということもあり、比較的、西日本への理解はあったが、東北への理解は浅かった。東京に住んでいると、東北がどこか掴みづらい。デザインや起業などのアワードを主催しても、東北からの応募はほとんどない。東北は遅れているのかも?そんな気持ちがどこかにあったのかもしれない。でも、それは全く違っていた。むしろ、アイヌの文化も含めて、縄文時代は東北で文化が生まれたこと。そんな「いくつもの日本」が提示され、ますます北東北への関心が高まった。


6. 遠野物語 (お薦め度:★★☆☆☆)

7. 菅江真澄と秋田 (お薦め度:★★☆☆☆)

8. 日本美の再発見 (お薦め度:★★★☆☆)

9. のんびり (お薦め度:★★★☆☆)

10. 心地よい空間をつくる小さな設計・建築事務所 (お薦め度:★★★☆☆)

(写真:北海道・美瑛の青い池)

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