最後のお産を振り返る

今更だけど
これもまた、下書きのままだったものを投稿。

出産前日

明らかに不規則な生理痛のようなズーンとした鈍い痛みがあり、前駆陣痛かな？と思いながら過ごしていた。

午前4時頃

頻尿のせいで就寝後も目が覚めてトイレへ行こうと立ち上がった瞬間、ドバッと何か液体が出た感覚。
トイレで確認してみると、透明な液体とおしるしが下着に付着していた。焦る私。破水なのかおりものなのかさっぱりわからん。

3人目でもわからん。

子供達の朝ご飯を作りつつ、病院へ向かうか悩んだ。病院の先生からも「破水かな？と思ったら何時でもいいから来てください。違ったら違ったでいいんです」と言われていたのに、「迷惑かけるかも」と悩んでいた。

午前5時半頃

1時間近く悩んで悩み疲れた私は「もー！迷惑かけてもいいわ！！」若干キレ気味に悩みを振り払い夫を起こし経緯を説明。
「もっと早く言いなよ！」と軽く叱られた。そりゃそうだ。

午前6時頃

病院で調べてもらったところ、破水ではなかった。
子宮口は1cmほどで、念の為NSTで様子をみたところ割と強めにお腹の張り来ていることがわかり、助産師さんからは「今日明日で産まれそうだね」と言われ、帰宅。
夫はそのまま仕事へ。すまんな…

帰宅後〜夕方

強めの痛みが不規則に来ていた。まぁ耐えられるなぁ〜くらい。なんなら姪っ子の誕生日プレゼントをラッピングして、メッセージカードを工作しちゃうくらいには余裕。

子供達には「今日明日でおそらく出産になるから、朝起きたら父ちゃん母ちゃんいないかもしれない。朝食は用意しとくから安心してね」と伝えた。

夕食後〜

腰の痛みがいつもより酷く出てきた。妊娠中はとにかく腰が痛くなるタイプだから「座りっぱなしで痛くなったか？」と思っていた。

この時点で張りの間隔は不規則ながらも短くなってきていて、およそ20〜30分ごとくらいだったと思う。

22時〜0時

お腹の張りが強くなってきて、10分や15分を行ったり来たり。痛みで眠れず、規則的って何？とキレながら実母とLINE。「下方向への痛みがあるなら陣痛。病院行きな」と言われた。

便が出そうな感じで何度もトイレに行っていた。下方向だ。
でも15分とかたまに20分。どうしようかな、と悩んでいたらあれよあれよという間に6〜7分を行き来していた。

ここにきてようやく病院に電話。「う〜ん、悩むくらいの感じなんですよね？でも経産婦さんで10分切ってるなら来てもらえますか？」と言われ、夫を起こす。

出産当日

0時　いざ病院へ

病院へ向かう途中、「大丈夫きゃ？」と夫に何度も何度も聞かれ、「きゃ」ってなんだよと内心イラつく私。夫は初めて陣痛から立ち会うことになるのだから、まぁ慌てていたのだろう。

「痛いから大丈夫ではないな」としか答えられない。

病院到着

到着して助産師さんと合流すると陣痛がきて、痛みでしゃがむ私を見た助産師さんが「あ、これ結構進んでる感じですね。痛みが引いたら早歩きでLDRへ向かいましょう」
すごいなーしゃがみ方でわかるのか〜と思いつつ、痛みが引いてきたタイミングを逃さずささっと移動。

ささっと服を着替え、ささっとベッドへ。このベッドは分娩時は分娩台へトランスフォームするやつで、寝心地良かった。

この時点で子宮口は1.5cm。こんなに痛いのに嘘だろと白目を剥く私に対し、よくわかっていない夫が説明を求めて来た。

こんなクソ痛いのに説明なんてとてもできないため、病院からもらった陣痛から出産までの過程が載っている冊子を見るように伝えた。

ベッドの上で姿勢良く胡座をかいて痛みを逃す。
痛みが引いた直後、この時はまだ話せる余裕があったため「今相当悪い人相してるよね」と言ったとこら、夫には「かなり悪い。今なら刀で蝿を切れそうな顔」と言われる。

隣のLDRからの産声やナースステーションから聞こえてくる赤ちゃん達の泣き声が陣痛中の励みになった。
赤ちゃんの声が聞こえる度に、ふっと力が抜けて気持ちがポジティブになったのをよく覚えている。もうすぐ会える、次、この痛みから解放されるのはこの私だ！！

もう時間の感覚はわからない。
時計見たら長く感じて辛くなりそうだから見ない。

子宮口3〜4cm

陣痛のピークが過ぎるたびに「酷い目にあった」ような顔になってしまう。
とにかく呼吸、陣痛が引いたら脱力し、次に備えて水分補給！ずっと姿勢良く胡座。尻は痛くない。

内診の際に破水。ここから一気に進み、痛みが凶悪さを増す。胡座に戻れず横向きに寝る。仰向きは腰が痛くて変な力が入ってしまい無理だった。

陣痛の合間に会話をする余裕もなく無言。
なんでこんなに痛いものが進化の過程でなくならなかったのか。でも機能的には必要なさそうに思える男性の乳首ですら無くならないのだから仕方がないか。とか

アステカ式出産方法だっけ、男性の睾丸に紐くくりつけて陣痛が来る度に引くやつ。あれしたらこの痛みを分かち合えるのかな…でも夫婦で瀕死になる意味はないよな…など
どうでもいいことを何度も考えていた。

子宮口7cm

筆舌に尽くしがたいほどの痛みで吐きそうになる。声は出ず、呼吸するだけで精一杯。

夫に短く、「尻の穴を押さえて」と言ったら「は？けつの穴ぁ〜？」とムカつく言い方をされ、こいつ一生許さんからなと思った。しかも、なぜか右の尻を押された。

「違う」と言うことも痛すぎて伝えることができずずっとイラついてた。
助産師さんが来た時は救われた。

痛くて吐きそうなうえに、いきみたくなってきた。　「まだ早いから深呼吸ね〜」と助産師さんに優しく言われまた泣きそうになる。

この我慢大会はただただ辛く、一回休憩させてくれたらまた頑張るから！！一時停止！ストップ！無理だよねええぇ（痛みのあまり頭真っ白になる）
と内心泣きながら耐える。

とにかく喉が渇く。痛みが引いたタイミングを逃さず「お茶ください！」とお願い。なんて丁寧なんだ私…。

いよいよ全開、誕生

猛烈にいきみたくなって「もう無理無理無理無理」無理を連呼したら「うん、いいよ〜少しいきもうか」と言われ、ものすごくほっとした。

全開でーす、先生呼ぼっか〜という声が聞こえましたがもう知らぬ。待たない。待てない。

横向きに寝たまま上の脚をあげ、少しずついきむと赤ちゃんが出る感覚が。「気持ちのいい感じでいきめばいいよ」「短く息しようか」と淡々と指示を飛ばしてくれるのが、もうありがたい。

「旦那さん、赤ちゃん出てくるの見る？」と聞かれた夫が私の足元付近へ行き。

午前3時過ぎに「どぅるるん」と娘がこの世に出てきた。
その日に書いたメモには、「やったね、おめでとう！やっと解放された！暑い！喉乾いたーー！」
と書いてあった。

処置・安静中の話

出産直後、放心する私に対し夫が「おーい」と呼びかけてきましたが知ったことではない。
胎盤を出すためにまた子宮が収縮し始めて痛い。私の顔は相当ブチギレていたと思います。いつの間にか子宮収縮の点滴がされていて、刺さってる部位もなんか痛い。（ちゃんと刺さってる）

お腹を撫でるとと少しマシだからずっと撫でてた。

その間、先生が内診。今回も切ることなく裂けることもなく出産を終えた！産後の快適さが変わってくるので割と重要視していたため、嬉しい。

生まれたての娘はとんでもなくかわいく、目がぱちっと開いてきょろきょろしていた。あくびやくしゃみをしていて超かわいい。

抱っこしたかったけれど、後陣痛が痛くてたまらず無理無理。お腹撫でてないと耐えられない。
点滴に収縮剤が入っているから痛みを強く感じるかも、と助産師さん。

しばらくしたら痛み止めをもらえて驚いた。長男次男の時ははもらえずひたすら耐えてたのに。
病院が違うからか、それとも時代なのか？とにかく神！早よ効け今すぐ効け、と祈りつつお腹を撫で続ける。

2時間ほど休憩した後、部屋へ移動。ここで夫、帰宅。おつかれ〜仕事頑張って！

夫の感想

「産まれてくる瞬間を見せてもらったけどゾンビみたいに出てきた」と言っていた。「紫で、ぎゃーって顔が出てきたから人によっては気分悪くなるかもね、確かにあれは倒れる人がいてもおかしくないと思った」とのこと。

助産師さんからのメッセージ

「お手本のようなお産でした」

って書いてあって笑った。
この助産師さん、本当にいい人だった。淡々としてるけど優しい。いろんな話を聞いてもらい、市の産後ヘルパーに繋いでもらえ、とても助かった。本当にありがとうございました。

出産の感想。

長男出産の際は夫に対し暴言を吐き散らかして恥をさらし、悪いことではないが会陰切開もした。
「次は絶対に落ち着いて、静かに産むぞ」そう意気込んで、次男出産の時も今回も、とにかく落ち着いて呼吸しプロの指示をきくようにしていた。

結果、次男の時も今回も会陰切開なし！
ほんの少しの擦り傷のみで出産することができた。会陰切開は必要ならやってくれればいいと伝えていたけど、やらなくて済んでラッキー。

とにかく無事に産むことができてよかった。