見出し画像

成人式の思い出

1月の第2月曜日に多くの自治体で成人式がおこなわれる。
懐かしい友人たちに会える貴重な機会。
久しぶりの再会に、話が尽きない人もいるだろう。

私は、成人式には出ていない。

出れなかった。
ではない。
出たくなかったから出なかった。
それだけ。

地元で開催された成人式。
出席者の座席は、出身の中学校ごとに分けられているらしい。
「らしい」というのは、人づてに聞いた話なので、自分で確かめたことがないからだ。

中学校から私立に行っていた私の席は、そこにはない。
いや、正確に言えばあることはある。
「空いている席にどうぞ」と言われるそうなので、どこの中学校の席に座らされるかは不明。

運が良ければ、校区内の中学校の席に座れるかもしれない。
ただ、その保証はゼロだ。
まったく、知らない地区の中学校の席に座らされる可能性もある。

校区内の中学校の席に座れたとしても、周りは知らない人だらけだ。
小学校の同級生は、私の中では12歳で成長が止まっている。
8年ぶりの再会なんて、誰が誰なのかわからない。

知らない人たちに囲まれて、おえらいさん方の話を聞いて何が楽しい??

そう判断したので、成人式には出なかった。

この話をすると、夫は私のことを「成人式に出れないなんて、かわいそうだ」と言ってきた。
「出れない」じゃなくて「出たくない」だ。
それに、「成人式に自分の席がないこと」ぐらい、中学生のころから知っている。
別に、20歳になっていきなり知らされたことじゃない。

成人式に出なかったからこそ、良かった面がある。
それは、ヘアセットの時間帯を自由に選んで予約できたことだ。
成人式に出席しようものなら、当日は早朝の予約になる。
ちょうどいい時間帯を確保するため、1年も前から予約する人もいるらしい。

私は成人式に出ないから、式典最中の10時頃に予約を入れた。
成人式がおこなわれる日にちの1週間前に予約を入れたとしても、セットの枠が空いている。

きれいに髪をセットしてもらい、同じ日の夕方に開催された中高の同窓会には出席した。

同級生のほぼ全員と、高3当時の担任の先生方が集まり、ホテルのパーティー会場を貸し切って、食事会。
知っている顔と楽しくしゃべりながらご飯を食べている方が、ずっといい。

私は「出たくないから行かない」と選択したが、私立中学校に行った全員が、「成人式に出たくない」と思っているわけではない。

「中学から私立で、地元に友達がいないからこそ、あえて」成人式の実行委員をした人もいる。
「式典は記念だから、とりあえず行きたい」と思って出席している人もいる。

ただ、「出たくない、行かなかった=かわいそう」とは思ってほしくない。

今は、コロナの影響もあり、オンライン開催の自治体もある。
あのころに、「オンライン開催」があれば、参加していたと思う。
周りのことが気にならないのは、すごく楽だ。
私と同じような理由で「出たくない」と考えている人にとっては、オンライン開催は「参加してもいいかな?」と思える方法ではないだろうか?