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ビビッドマンV、REM

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このヒーローは、武蔵野美術大学で自主制作特撮を撮影しているサークル『ビビッドマン製作委員会』の映像作品で私がデザインさせていただいたものです。私の描いたヒーローの最初と二番目になります。今回はそういった経緯もあってこの二人を並べて絵にしたいと思い、成田亨さんがヒューマン1号、2号を描いたイラストを基に本作を制作しました。

ビビッドマンシリーズはこれまでに5作品が制作されており、怪獣、ヒーロー共に毎年新たにデザインをしています。その年の参加メンバーが各々デザインを提出し、最終的にその中からコンペ形式で決定します。

二つのデザインをそれぞれ解説していきます。画面手前が、2018年の作品『ビビッドマンV』の時のものです。頭部のデザインにはいくつかのパターンを提出し、その中で過去作品のビビッドマンを踏襲した稿が選ばれました。しかし私が当初描いていたものは、立体に起こした際に表情が険しい印象になってしまい、マスク造形を担当していただいた先輩方のアレンジでより柔和な顔つきになって完成しました。色彩については、監督から金色を加えるようオーダーがあり、赤色をメインにすると派手になり過ぎると考え青を大きく使うことに決めました。青は縮む色なので全体を引き締めつつ、金を引き立ててくれるだろうという意図でした。

画面奥が2019年の作品『ビビッドマンREM』でのデザインです。この時は新しい形を今一度考える必要があると考え、歴代のラインを踏まえつつ、巨大ヒーローのデザイン開発についても模索する事が目標でした。しかし、完成度としては今一つで、もう少し推敲が必要だったと思います。新しく加えた要素としては口許の処理があります。前回のデザインでは、人間のような口をつけるとどうしてもウルトラマン的になってしまうことから意図的に避けていましたが、口は表情を生み出し、造形的にも重要な部分です。そこで今回は顔の中央に、口があるのか、或いは鼻なのかを曖昧にした構造を設けることにしました。このアイデアはあまり成功とは言えませんでしたが、今後の制作の一つヒントにはなったように思います。


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『V』の初期デザインです。この時は、成田さんのこのポージングの意図を恥ずかしながら全く知りませんでした。

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完成したスーツを基に描いたイラストです。

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『REM』のデザインです。自分の中で決め切れていない所が多くあります。


サークルの公式サイトはこちら→ビビッドマン製作委員会

 

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