【読書】「依存症ビジネスのつくられかた 僕らはそれに抵抗できない」を読んで思ったこと。人生には目標が必要、とは限らない。

本を読んで思ったことを綴っています。「依存症ビジネスのつくられかた 僕らはそれに抵抗できない」を読んで、人生には目標が必要とは限らない、と思ったお話をします。

「依存症ビジネスのつくられかた 僕らはそれに抵抗できない」という本


行動経済学者のアダム・オルターさんの著書です。


「行動依存」という視点で現代人のネットをはじめとする依存体質について書かれています。


そして、その行動心理を、インターネットの業界等がどう利用してビジネスをしているかも書かれています。


人間の行動心理に基づいて「あえて依存症を作り出す社会」が出来上がっているため、意志が弱いから依存症になるというレベルを超えている。


タイトルどおり、抵抗できない社会であるということです。


人間の「目標依存」


本書の中で「目標依存」という内容が気になりました。


この50年間で、「目標を追求する」という言葉の使用が爆発的に増えたそうです。目標を達成すると、また次の目標を設定せずにはいられないと。


なぜなら、インターネットによって、目標が簡単に見つけられるようになったから。というか、向こうから目指させようとやってくるから。


インスタのフォロワー1000人の人に憧れて、達成すれば次は2000人の人に追いつきたい、といったように。


過度に目標に依存している人は、目の前の幸せを犠牲にして目標を追求します。それに終わりはありません。目標を追っているようで、追われている。


目標を目指して行動しているときはやりがいを感じてよい気分ですが、その脳の働きを逆手にとって「目標を目指させようとする」ビジネスが存在するんですね。


それに気が付かずに過ごしていると、幸せな人生は訪れない。フェイスブックで時間を潰してばかりの人が、ザッカーバーグさんのようにはなれません。


こうも書かれています。


目標を目指している間は「達成できていない」のだから敗北状態である。達成したらまた次の目標を目指すのだから、慢性的に敗北状態となる。


あなたの目標は「目指している目標」ですか?


それとも「目指させられている目標」ですか?


3秒後はやってこないかもしれない


人生の目標があるのは良いことです。

しかし、目標の無い人生が、意味のない人生とは言えないと考えています。


目標を目指しているときは、未来に目が向きます。目標を達成した自分を空想しています。


しかし、病気や事故などの不運で、3秒後にはこの世にいないかもしれないのが人間です。


過去は変えられないのと同時に、目標を達成するどころか、3秒後の未来も保証されていないのが人間です。


それなら、目標を追わず、保証のない未来に生きず、もちろん過去にも生きず、今この瞬間を幸せだと思って生きる。


これが悪い人生とは、私は思えないのです。


最高の選択をし続ける人生


目標があるのは良いことです。しかし、人生の目標が無いからといってダメな人生とは限らない。目標の無い人を蔑む社会はおかしいです。


人生の目標が見つからない人は、こんな生き方はどうでしょうか。


過去も変えられない、未来はどうなるか分からない、確かなものは今だけ。

それなら、今この瞬間を最高に楽しもうとする生き方。


今この瞬間をどう過ごすか、自分自身で最高の選択をし続ける人生です。

目標から逆算して今の行動を決めない。ある意味、とても難しい生き方かもしれません。


でもこれができれば、後悔なんてあるわけがない。後悔したとすれば、最高の選択ができていなかったわけですから。


最高の選択の積み重ねが、むしろ目標を目指すよりはるかに価値のあるものを与えてくれるかもしれません。


「目標に依存しない生き方」ぜひ考えてみてください。





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