円頓

一行阿闍梨之沙汰に「円宗」が登場し、語釈に「大乗円満の教義をもつ宗派の意で、円頓宗の略、中国では天台宗、華厳宗をいったが、日本ではとくに天台宗をさす。」とあった。何かと言い換えが多くて混乱する平家物語を読む上で丁寧な語釈はありがたいと、それで終わればよかった。

うっかり円頓寺を検索したら日蓮宗のお寺がいくつか出てきまして。しかも名古屋の円頓寺(商店街)はエンドウジと読むのか。「ん」を連続して発音するのが辛かったかね?と余計なことが気になり出す。

天台宗も法華経だしな(雑過ぎる認識)。平家物語の語釈としては出て来えないが、鎌倉以降は日蓮(宗)がよく引き継いだのかもしれない、そう想像した。
※よく考えたら華厳宗は華厳経では
ないのかね、と今思ってしまった。

仕方がないのでもう少しググる。
智顗『摩訶止観』に円頓章があるという。あぁ、こりゃもう少なくとも元々天台宗なのは間違いないですな。

全国天台宗寺院データベースによると滋賀県に円頓坊、千葉県に円頓寺と出てくるので、円頓を冠する天台宗のお寺もありますよ、と。
Googleマップが日蓮宗ばかり教えてくれたので、何だか引っ掛かって調べ始めたのだが、もう何を知りたいのか分からない。

円頓戒は最澄が唱えたが本人は円戒と呼んでいたとWikipediaにあるので、平家物語で円宗とあるのは「戒」を入れない表現が主流だったのかもなぁ。

平家物語の寺院勢力とか、この時代の神仏集合の様子とかは少し調べたいと思っていたけれど、いたく局所的な調べ物をしてしまったではないか。夜中だというのに。

古典を読む上で仏教や神道の知識があって困ることはないので真面目に向き合いたいとは思うけれど、信仰を説かれるとついていけないので資料選びに苦労するのであった。

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