さようなら、すべてのエヴァンゲリオン

シンエヴァ初回感想

まず最初に、わたしはカヲシンの民です。
以下全てカヲシンの民の感想です。

シンエヴァ観賞後ツイッターのぞいたらカヲシンの民が死んでるのをちらほら見かけたのだけれど、わたしは、カヲシンの歪な関係性が行き着く先として最高のアンサーをもらったなと思いました。

TVシリーズ、漫画版、Qまでの新劇でカヲルくん→シンジへの一方的に注がれる愛が描かれてきたと思うんですけど、シンエヴァでは最初っから最後までシンジ→カヲルくんへの愛がすごく伝わってきた。
カヲルくんを失ったシンジくんの喪失感、傷の残り方、過去イチだったよね。そしてその背中を押してくれたのもカヲルくんの言葉。

旧劇までのアダムおよび新劇でのアダムスのあたりがまだピンときてないのであれなんですけど、カヲルはアダムの魂の器として何体も作られて、円環の物語であるエヴァの舞台上で何百回、何千回、ループを繰り返してきたわけですよね。そのループの中でいつかシンジに出会い、孤独な自分の魂と近しいものを感じて、恋ではないけど、猛烈に惹かれた。そして自分にとって唯一の自由である死をシンジくんに委ねたいという執着から、やがて自分の手でシンジくんを幸せにしたい、それによって自分が幸せになりたいという祈りに似た呪いへ。

カヲルくんて、何度ループしても必ずシンジに出会えるように生命の書にシンジの名前を書いてたんですよね?
シンジくんに幸せになってもらいたいんじゃなくて、「自分が」シンジくんを幸せにしたい(それによって自分が幸せになりたい)というそのエゴのせいでシンジくんは毎度毎度エヴァ乗りの過酷な運命を背負わされていたんでは、、?いや、これはもうちょっと考えないとわかんないけど、、それにもしそうだとしても、互いが互いの罪を赦しているならこちらからいうことは何もないね。
いや〜しかし、はじめてカヲルの心理描写をしっかり見せられて、カヲル大好き度これ以上上がらないと思っていたのに軽く5億倍になりました。

カヲルについて、貞カヲが円環の最初の方で、TVシリーズ→旧劇→新劇かな?と思ってます。
自分の役割もシンジくんへの思いも処理しきれなくて戸惑ってる貞カヲ→シンジに会うために生まれてきたのかもしれないと思うようになった24話庵カヲ→シンジに会うために生まれてきたと確信しているQカヲ、、ウゥ〜、、

Qで反復練習の話してて「自分がいいと思えるまで繰り返すだけ」って言ってたのが、シンの最後で回収されると思わなかった。シンジの成長を寂しく思いながらも、それもいいねって言えたこと。やっと辿り着いたんだね、お疲れ様。

ネオンジェネシスでシンジは円環の物語を終わらせた。カヲルくんを救ってくれたね。
シンジがカヲルくんに自分から手を差し伸べて、仲良くなるおまじないをしたシーン、はじめてカヲルがアダムスの器でもなく父性の象徴でもなく何の役割も持たない渚カヲルとして認められ、二人が対等になった瞬間ですよね。めちゃくちゃ泣きました。

最後3番線(3次元=現実という意味かな?)にいるシンジはホームの反対側にいるアスカ、レイ、カヲルに背を向けて駆け出していったけど、マリが来るまでカヲルくんのことを見ていたよね。ちゃんとエヴァのない世界で、シンジを知らない人生を生きているのを見たうえで背を向けたところをみると、シンジはもうカヲルやレイやアスカに会うつもりはないのかもしれない。
父(カヲル)と母(レイ)と初恋(アスカ)からの卒業を意味しているというのもあるだろうけど、卒業したのはシンジだけじゃなくて、カヲルくんたちもまたシンジから卒業していったわけで。
ずっとシンジを幸せにすることを己自身の幸せとしてきたカヲルくんに、今度こそ自分の人生を生きて欲しいから、会わないほうがいいとおもっているかも。

それならそれでもいいと思う。
出会って、共に人生を歩むことだけがハッピーエンドじゃない。
今のこの世界が、シンジがみんなと結んだ縁によって実現されたものだということだけは絶対本当のことだから、もういいんだ。一緒に生きなくたって、一生出会わなくなって、結んだ縁がなくなったわけじゃない。

「縁が君を導くだろう」っていうセリフ、カヲルくんががいう縁は生命の書で仕組まれた(自分が仕組んだ)設定のことかなと思うんですけど、シンジくんはあの最後の握手でカヲルくんと本当の縁を結んだんだよね。誰の記憶に残らなくても、エヴァがなくても、二人が2度と出会わなくてもたしかに消えない縁。

ケンスケが「父親がいなくなっても縁は残る」って言ってたし、そういう話なんだろうなと思う。

映画はここでおわり。この先のことはわからないね。たらたら書いたけど、その「縁」に導かれていつかまたシンジとカヲルくんが出会う時が来るかもしれない。レイやアスカもね。それはもう誰にもわからないけど。

最後に、カヲシン以外で個人的にめちゃくちゃ泣けたシーンの話なんですけど、初号機の中に髪の伸びた綾波がいたところ!
破から14年、「もう碇くんがエヴァに乗らなくていいように」ずっと初号機の中にいたんだね。ずっと約束を守っていてくれた。
最後の補完シーンで綾波とそっくりさんはひとつになったってことでいいのかな。

わたしねえ、物語にめちゃくちゃ没入してしまうタイプだから、いまはすごく寂しくてまだしばらくエヴァのこと考えちゃうと思うけど、庵野監督の思いはちゃんと受け取りたい。
エヴァンゲリオンを卒業して、大切な思い出にしながら、ちゃんと生きていかなきゃなって思いました。

ありがとうエヴァンゲリオン、
さようならエヴァンゲリオン


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