ずっと疲れていく

もう疲れてしまったと書いたところで、過去形ではないなと思い直す。
ずっと疲れているしこれからも疲れていく。
もううんざりだよと思ったところからさらに想像を超えてくる。
人殺しをやめないやつら、それを止めないやつら、止めようとする人を冷笑するやつら、腐りきっても居直る為政者、悪意ない人たちの無関心、ある属性を排除することで自分の安全が保障されると本気で思っている人々、この国で障害者として生きていくこと、女の体を抱えて生きていくこと、難病を抱える同性パートナーと生きていくこと、病気の体に鞭打って長時間働く恋人、戦士たりえない弱者には寄り添わない制度、すり減っていく恋人の命になにも手立てのない自分。
私欲のために他人を積極的に加害するゴミみたいな人間の吸って吐いた息が、力をもたない誰かの望まない状況を、悪化させていく腐った空気の渦になっている。
何が私をこの世につなぎとめているかといえばそれはもう命でしかない。
能動的な気持ちを奪われていく。心をいっとき慰める美しいものも無意味になる。生きていることがただ死んでいないだけのことになる。もとよりあってないような希望だったけれども、そのわずかな希望がひとつずつ打ち砕かれ続けている。
死んだ方が本当にましだと思う。誇張なしに、どの瞬間にも、生きていてよかったと涙するようなときにさえ、そういう思いが固く横たわっている。
殺すなよ。犯すな。命も尊厳も土地も財産も、誰からも奪うな。全部消えてくれ。他人を脅かさずにいられない心をこの世から永遠に消し去ってくれ。こんなところにいるのは、つらい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?