『破壊神の落とし物』の感想

こんにちはkarasuです。
ジャンプGIGA2023 SUMMERの読切作品『破壊神の落とし物』(西村あん先生)
を読んだので感想を掲載したいと思います。

目次でタイトルを見て「一体どんな話なのかな？」と思って読みました。

コメディかな？と予想したけど、かなり重い話でした。

でも、とにかく会話が軽くてテンポが良い。ギャグが面白い。夢中で読めました。

それに女の子が可愛い！

特に破壊神ちゃんが、女性らしさや人間っぽさを感じさせない飄々とした

所謂「神キャラ」なんですけど、見た目の可愛さと性格のギャップが気に入りました。

自分のことを信じないなら部屋中を壊し続けると脅したり

枠外の読み手に向かって目くばせしたり(この演出凄く良かったです)

変な行動ばかりの神様だったけど、ラストの行動は人間らしくて頑張れ！と思いました。

主人公の「普通に生きたい」という願望は共感出来るけど

普通に生きる、人並みになるって実は結構難しいし

破壊神の言う通り、普通に生きることに固執すると何かを失ってしまうこともある。

ここのコマ、破壊神の無表情さも相まってグサッときました。

最初に書いた通り、コメディタッチの会話とライトな絵柄なのに

実は被害者が大量発生するストーリーで、無機質な被害者だらけの１枚絵は

序盤の印象との落差が凄くてショックでした。

主人公が覚悟を決めて剣を構えたところから見開きの流れは爽快で、カッコ良かったです。

いじめられた子が暴れた事実は記憶から消失して、主人公が改めて言葉の力でいじめを阻止する流れも良かったです。

巻き込まれるかもしれないけど「普通」に拘るのはやめて、自分の気持ちを優先するようになったんだなって。

多分そっちの方が「普通」に近付ける気がします。

でもいじめを止めるって普通の覚悟じゃ出来ないので、やっぱり「普通」って難しい。

そして破壊神は最後までふざけたキャラでしたｗ