介護人材の定着

上記について、最近考えていることがあります。

人材を確保するための取り組みのことをリテンションマネジメント(retention management)と言いますが、具体的な施策としては、職場内のコミュニケーションの促進、報酬・処遇の改善、労働環境の改善、研修の充実、人材配置の適正化等があげられています。

厚労省においても、人材の確保のためには、魅力ある職場づくりが重要であるとして、雇用の改善について、以下の各側面から支援を考えています。
「評価・処遇・配置」
「人材育成」
「業務管理・組織管理・人間関係管理」
「福利厚生・安全管理・精神衛生」

また、魅力ある職場づくりとは、 労働者からみて「働きがい」と「働きやすさ」を感じる職場をつくること であり、 「良好な労働条件」だけでなく、従業員が「職場の中で自分が期待され役立っている」という意識を持てるような雇用管理を行うことによって働きがいと働きやすさが高まるとしています。
                人材確保対策 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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上記は、人材確保のための具体策を検討する上で、参考になる考え方です。

特に、私が勤務しているのは介護事業所ですので、人に対するサービス(役務)の提供がお仕事ですので、職場に対する職員の意識が、そのままサービスを提供する相手方に伝わり、人材確保のための具体策の効果がそのままサービスの質につながることも実感しています。

また、使い捨てではなく、また年代に限らず働く人を大事にしようという国の方針が補助金、助成金、介護報酬の中に反映されている現状は望ましいと思うのです。

他方で、人材確保のための一つ一つの支援策を職場内で講じていたとして、それが、加算、補助金といった経済的な利益を得るための手段となっており

魅力ある職場づくりができていることを、証明するための、時間と手間(会議、記録、研修…)が求められている…と思ってしまうこともあります。

何をするにも、資金は必要であり、そのための財源が国の予算から拠出されているのですから、これの事務については不正受給を防ぐための必要な作業であるのですが、目の前の作業にとらわれると、負担ばかりが目について、結局お金が入るからやるのです…となってはもったいない
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人材を確保するためには、言われたから面倒くさいけど、やるか
と消極的になる前に、
どうやったら自分と同僚のために、この組織体をこれからも継続できるのか
についてだけ考えるなら、三つに絞り込めると思いました。

①生活できるだけの給料
②職場を壊そうとしない人間関係
③自分が関心を持てる分野における成長

まず、この柱を立てて、
その後で、①~③を守るために必要な外部支援を取り入れる。

私の勤務先は、小規模の介護事業所で、働いている方の平均年齢も高く、勤続年数も平均15年以上、さらに自ら学ぼうとする職員さんが多いのです。
色々な職員さんが過去におられた中で残っている方々
そして、何よりも、この事業所を選んで利用してくださる貴重なお客様の存在があります

健全な経営状況とは言い難く、(人件費を除く)固定費を下げるために必死な面もありますが
このような恵まれた環境があるから、このような悠長なことを言っていられるのかもしれない。とまず恵みを数えて

事業所で働く一人一人が、仕事を通じて得られる満足を日々感じることができる環境であれば、その環境に魅力を感じて、その事業所を利用してくださる方が確かにおられることにも感謝して

魅力ある環境づくりは、働く人にとってだけではなく、利用者にとっても居心地の良い環境になって初めて完成することを心得ます。

個人の満足は青天井で、人の欲望には限りがない。
どの程度まで、満足を得られるように対策をとるのか
これは、その場所とそこに居る人全体の満足の均衡を考えて方針を定めなければならない。

その部分を決めるは、運営側の責任
そこに納得できる者同士で、いのちを共有しながら生活を続ける
そのための、仲間を迎え入れるのが、人材確保ではないかと思っています。

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我ながら営利を追求しない精神論ばかりで読んでくださる方には申し訳ないことです。
人材の確保も、お金の確保も、それが何を実現するためなのかを考えてから行動しようというお話でした。

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