2021/08/28 ラバーガールLIVE「史上最高の夏!」 + その他ごく個人的な話
先日ラバーガールさんの単独ライブに行きました。
ラバーガールさんは好きなのですが、私の主な出没場所である新宿の劇場群で気軽にお見かけできる方ではないため大きいライブやそれこそ単独ライブでしかネタを拝見する機会がありません。昨年に関してはそもそもライブに行った/配信を観た回数がとても少なかったので、配信を含めても一回しか観られなかったと思います。(確か行列の先頭だったはず)
今年はそれに比べれば多くの機会に恵まれ「やっぱりラバーガールさんは面白いな」と改めて思い、そういう中で久しぶりの単独ライブが開催されるとのことでこれは行かなきゃなあとなった次第です。
普段ライブの感想をここに書くときはネタの名前や内容を割ときちんと記すのですが、恐らくいずれDVDが発売されそうなのと、あと単純に正確な順番を失念してしまったのでふわっとした感じで行きます。
全体を通してとても印象的だったのは明確にコロナ禍を下敷きにしているコントが二つもあったことです。昨年はリモートという形でコロナ禍に対応したネタが続々と出てきましたが、何となく舞台上のパフォーマンスが解禁になってからはそういう雰囲気のものはあまり見かけなくなってきたような気がします。(コントだと尚更)
私自身、コロナ禍を題材にしたネタに対して見たいけど見たくないという微妙な気持ちを抱いています。幸いにも周囲に陽性者や濃厚接触者は出ておらず、未だに本当の意味での実感が湧いていないからかもしれないですが、コロナネタで全く笑えないという訳ではないですし、余程不謹慎でなければ笑えると思います。一方現実逃避としてお笑いを楽しんでいる節もあるので、そんなものを題材にしなくてももっと面白いことはたくさんあるじゃん、とも思うのです。
今回披露されたその二ネタは、前者はコロナ禍に振り回される人々、後者ではコロナ禍の中でも楽しもうという人々が登場します。どちらも今の辛い状況を受け止めた上でそれを笑いに変えようとする意志を感じられて、これはもう「救い」なんじゃないかというやや大袈裟な感慨すら湧きました。
特に前者は内容としてはかなりしんどく、色々な人がコロナウイルスによって散々な目に遭ってしまう様を見るのはコントだと分かっていてもつらいものです。でも、それを優に上回る「いやこんなん笑うしかないだろ!」というインパクトがありました。本当にコントってすごい力を持っています。
ラバーガールさんのコントは普通からちょっとズレている人の描写が見事だなあと勝手に思っています。実際、「変なヤツ」が出てくるコントは多々あっても「嫌なヤツ」はあまり見かけません。今回もあるネタでは反社会的な立場の人と罪を犯した人が出てきますが、不思議と憎たらしい感じが無いのです。これはお二人が持つ愛嬌の為せる業かもしれません。
そういう人間的なあたたかみを大いに含んだ七本のコントはどれも面白くて、観終わった後は「あー観に来てよかった!」と心から思えたし、ライブの感想を誰かと共有したくてウズウズしました。本当は配信期間中にこの記事を載せて「みんなも配信観てね〜」ってやりたかったのですが、私の筆が絶望的に遅いのでそれは叶いませんでした。無念。
ここからは個人的な思い出の話です。
日程的に最終日の土曜しか行けそうになかったうえ、キャパを絞っていることを考慮すると倍率が高そうだと感じたのでとりあえずプレオーダーは二公演応募したところ、ありがたいことにどちらも当選しました。ただ、両方行くことに家族から難色を示されてしまったため一公演分はお笑い好きの親友に観てもらうことにしました。
その親友は趣味でライブに通うようなタイプではないですがテレビやYouTubeはしっかり観ているし、ザ・ギースさんの「スペース・ラグジュアリー・コント」や、今年は「anna」の配信も観ていて二人で感想を言い合うなどもしています。要するに最高のともだちです。三月以降会っていなかったので、チケットを受け渡すついでに軽く近況報告でもしようということになりました。
待ち合わせていたとある喫茶店で、昼ご飯を食べられなかった私はガッツリしたものを、おやつを食べたかった親友はデザートを頼みました。注文するときに親友は店員さんに色々聞いた上で全部逆の注文をしていたのが何だかおかしくて、こういうやりとりからコントが生まれたりするのかな、なんてたわいない考えが浮かびます。
就職の話や同級生の話など、話は途切れることなく続いたけれどワクチンの話で意見の相違が出てきて、親友とこの手のセンシティブな話題で意見が分かれるのは滅多にないことだったので一瞬どうしていいか分からなくなりました。ただ、私は昼公演を観て「こういうことも含めて受け止めて前向きに生きていこう!」というマインドが生まれていたのでそれ以上のことには発展しませんでした。ありがとうお笑い。お笑いのある世界に生まれてきてよかったです。
その日の夜にLINEで感想を言い合いました。全部面白かったけれど強いて一番を挙げるならという話になり、私は不動産のネタが好きで親友は配信フェスのネタが好きだということが分かりました。あとは最初のコントの大水さんがモード感あって可愛かったねとか、そういうふわっとした感想が多かった気がします。
それからまた後日、別の話題から流れで再びお笑いの話になり、私は親友から8/30放送分の空気階段の踊り場をオススメされました。これはいつか記事として書くかもしれませんが、私はドラマやアニメなど継続的に視聴する必要があるコンテンツを受容するのが本当に苦手で、ラジオもその御多分に洩れずあまりチェックできていません。親友はそれを知ってか知らずか、漠然と踊り場をオススメするのではなく直近の回を薦めてきました。
そもそも、普段はライブレポを備忘録として記している私がこんな個人的な思い出をnoteに書こうと思ったのはこの踊り場が原因です。リスナーの方ならお分かりだと思うのですが、その回は特別企画として「真夏の果実を聴かせて」というコーナーがありました。親友曰く「笑える系ではないんだけど結構良かった」そうで、じゃあ聴くしかないなと。
結論から言うと普通に面白かったし、ちょっぴりおセンチな気分になりました。(「お前の果実だ!食え!」とかすごく笑っちゃいました) それと同時に、夏の終わりのこの企画を他でもない親友がオススメしてくれたことがトリガーとなって色々なことが脳裏をよぎっていきます。
昨年「夏っぽいことができていない」と親友と葉山に行って、美術館で展示を観たついでに近くの砂浜に行ったらビーサンが即座に壊れて満足に浅瀬を歩けなかったこと。そのときに就活の話をしたけれど結局この間会って報告をしたときと今思えば状況がほとんど変わっていないこと。私はリアルの友人と単独ライブの感想を共有することすら滅多にないのに、ラバーガールさんに関しては今回だけじゃなく「お前ら愛してるぜ」なんかは大学の友人と二人で観に行ったこと。
こうして自分で書いていても取り留めのないことばっかりだなと思うのですが、何だかぐるぐる考えているうちにいてもたってもいられなくなりました。友人が全然おらず、その数少ない友人との交流も一般的に見れば希薄な方な私がこんな風に友人との思い出を文章に書き起こしてまでしがんでいるなんて自分でもびっくりです。
ライブ当日。夕方の公演を観るために本多劇場へ消えていった親友を見送り、人と自転車でごちゃごちゃした道を抜けて辿り着いた駅前の広場は日陰も何もなく「これから調理されるのか?」と思うくらい暑かったのを覚えています。そんな八月の暑さが嘘みたいに最近は涼しく、嬉しい反面夏が本当に終わってしまったみたいで一抹の寂しさを感じます。
この「史上最高の夏!」は誰しもが抱えているコロナ禍に対する鬱屈とした感情を晴らしてくれたし、こんな世の中だからこそ一人じゃないということの素晴らしさに気付かせてくれました。
一昨日、親友から「annaのDVD買おうか迷ってるんだけど、もし買ったら私の家で一緒に鑑賞会してくれる?」と連絡が来ました。
流石にご時世のこともあるので実際に家に行けるのはだいぶ先になるかもしれないけれど、もしそうなったらきっとその頃には発売されているであろう「史上最高の夏!」のDVDも勝手に引っ提げて行こう。それで、お家でホルモンうどんを作って二人で食べよう。そういうライブでした。
あ、もちろんannaのDVDもしっかり観てしっかり二人で噛み締めたいです。
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