2024/06/01 ザ・ギース単独ライブ2024「Venti」
前回の単独から一年。この一年の間で無事に転職できたのですが、定時が少し遅いため結局今までと変わらずお笑いライブにはあまり行けていない状況です。
土日は土日で違うことをしがちなのですが、ザ・ギースさんの単独は這ってでも行くのが信条なので、今回もまた例の如く母親と行ってきました。
※以下、ネタバレ有。敬称は適宜略しております。
●タイムカプセル(OP)
20年前に駅前のオオゼキの裏に埋めたタイムカプセルを取りに来たザ・ギースのお二人。
尾関さんは広島の佐々岡選手(当時)のノーヒットノーランが一面になっているスポーツ紙を、高佐さんは例の共通一次を入れています。
尾関さんの好きなアーティストが「チャゲアス、JAYWALK、槇原敬之、ピエール瀧」と含みを持たせたラインナップだったり、リニアモーターカーがまだ開通していないことにチクりと言ったり、シニカルなフレーズもちょくちょく挟んでいたのが良かったです。(母親は「ギースって案外社会派だよね」と言っていました)
●OP映像
今回もとってもオシャレ! グッズやフライヤーにもなっている、たくさんのザ・ギースのお二人がいるビジュアルを動画にした感じの映像でした。曲は、Cory Wongさんの『Radio Shack』という曲を使っているみたいです。
●バーオリジナル
お二人の大喜利力が活かされた楽しいコント。最初は『バーにて』みたいなしっとり系の話なのかと思っていたら良い意味で裏切られました。次から次へと出てくる変な物や言葉たちがノンストップで登場するのがとても面白かったです。特にお気に入りだったのは「栃木で犬に関西弁を教える仕事」と「元素水」。私は直接行けませんでしたが、反省しないのメニューで元素水があったのも嬉しかったです。
私は別にそんなことはなかったのですが、母親は1ヶ月以上経った今でもファミマの入退店メロディを聞くと「♪田舎町の〜寂れたバー〜」と聞こえてしまうそうです。
●博士からの手紙
禁断の研究に手を出してしまった博士(演:尾関)が、あちこちに(本当にあちこちに)残していった手記を見つけて読んでいく助手(演:高佐)。自らを実験台にしてしまった博士を前に、バイオハザード的なバッドエンドにならなくて良かったねー的なオチなんだろうとは思いますが、むしろ現実的な範囲でヤバい変貌を遂げたのって結構怖くね? と私は思います。私だけな気がしますが。
●難読捜査会議
高佐さんの漢字スキルと字の綺麗さが遺憾無く発揮されたネタ。饂飩とか御御御付とかビャンビャン麺とか(この文章を打ちながら気が付きましたが、ビャンの字ってコピペすらできないどうあがいても入力できない漢字なんですね)、何だか食べ物多めの構成でお腹が空いてきます。
余談ですが、私はいつもレポートを書くために公演中メモを暗闇の中で取っているのですが、よく見えないせいで字はミミズのようだけどそれでもちゃんとビャンビャン麺以外は漢字を書き取れていたのがちょっとした自慢です。
●SUBE証券
毎度お馴染み一発ギャグコーナー。母親は一発ギャグ自体はそんな好きではないのですがこのコーナーは例外らしく、いつものように下手側が謎に空いているのを見て「始まったね」と小声で喜んでいました。
今回は証券がテーマということで株価ならぬ「ギャグ価」が壁面に表示される楽しい仕組みに。これってある程度はウケ量を見て映像を瞬時に切り替えているのか、それとも順番が決まっているのかどうかがちょっと気になりました。その場その場だったらすごい。
●冒険家
冒険家(演:高佐)が恋人(演:尾関)にプロポーズをするのだが、彼女はこのプロポーズも彼にとっての「冒険」なんじゃないかと疑い……。何やかんや毎回一度はある、尾関さんがだんだんイイ女に見えてくる女装コント枠。今回は破れ鍋に綴じ蓋的なカップルなのですが、赤羽のどこかでこんな光景があったのかと空想すると何だか微笑ましくなります。
●RITZパーティー
配信できないならいっそのこと行けるところまで行こうと仰っていた意味がよく分かる問題作(?)。素性を隠した悪い大人たちが集まる会員制のパーティーかと思いきや、その実リッツパーティーだったのだ!……ですが、明らかにKENZEN(世代がバレるネット用語ですね) な雰囲気がぷんぷん漂い、リッツのパッケージで作った管で砕いたリッツを鼻で吸うやら、ガンギマリッツと言わんばかりのサイケな映像とイケイケなクラブミュージックが流れるやら。
巨大リッツをダイブの要領で運んでいくパートでは、最前に座っていたおかげで私も参加できました。前回のドッジボール居酒屋のときも思いましたが、最前だと思いもよらぬことに巻き込まれますね笑。
リッツパーティーと言えば……な、あの方(?)もビデオ出演しているため賞レースを含め外部で披露することは恐らく無い気がするので、そういう意味でも単独らしい良いネタだなと思います。
●間違い探しの宿
ある旅館に宿泊する男が、お風呂から上がって部屋へ戻ると部屋の様子がおかしい。どうやらここは「間違い探しの宿」で、10個ある間違いを制限時間以内に全て見つければ宿泊代がタダになるらしい……というあらすじなのですが、こちらもまたわちゃわちゃ感が楽しいネタで良かったです!
尾関さんの出オチビジュアル、オジェスティ、尾関さんの「は?」を引き出すのが楽しくて何回も言わせる高佐さんなど、ニヤつく要素がいっぱいありました。
そう言えばネタ中特に触れられていなかったですが、部屋に飾ってある浮世絵が春画っぽかったのは何だったんだろう?(流石に細部まで見てないのでただの浮世絵の可能性もありますが)
●上京
今回、いや何なら今まで私が見てきた単独のネタの中で一番の衝撃が走ったネタでした……! このコントを見たが最後その日の記憶全てがそれに上書きされてしまうので、メモを取っていなかったら危なかったです。
高校卒業を機に上京するおっくん(演:尾関)と、その親友のたかちょ(演:高佐)。たかちょは、自分にできることはこれくらいしかないと北国の訛り混じりで自虐しながら、何とその場でポールダンスを披露し始めます。恐らく女性物と思われる真紅の衣装を身に纏いしなやかに踊るたかちょ。薔薇をバックに妖艶に踊るたかちょ。手書きの横断幕をポールの上で掲げるたかちょ……。とにかくたかちょに釘付けです。
最前列にいたため、身体にじんわり浮かぶ汗とあちこちに貼られた湿布も見えてしまって、二重の意味で見てはいけないものを見ているような感覚に陥りつつ、普通にポールダンスがすごすぎて気が付けば夢中に拍手していました。何でも器用にこなし、かつ器用にこなすために血の滲むような努力をする高佐さんだからこそだと思いますし、本当に尊敬しかありません。
ペットを飼うときに反対するお母さんのごとくポール購入の本気度を確認する涼太社長や、およそ1ヶ月半に及ぶ高佐さんのポールダンス成長記録、笑えないアクシデントなど、反省しないではかなりたっぷりこのポールダンスの裏話を聞けたました。しかし、昼公演後に全く動けなくなってしまっただとか、結局後から疲労骨折が判明していただとか、「高佐さん本当にお身体を大事にして……😢」という感じでしたね。
棒上で身体を固定するために腕や腿などで強く棒を挟む訳ですから、最初のうちは痛々しいアザができてしまうようです。その写真も見てうわーってなったのですが、高佐さん曰く「痛いけど慣れる」もので、ハープの演奏も「(弦とかで指は)痛いけど慣れる」と仰っていて、配信を見ながら「そんなのばっかりじゃんか!」と思わずツッコんでしまいそうになりました笑。
話はコント本編に戻りますが、そうまでして見送られて上京したおっくんの後日談など、単純に「単独ライブラスト長尺良い話コント」で終わらないところもあったりするのですが、最後に流れるサニーデイ・サービスの『東京』で何となくチャラになるというか「良い話だったなあ〜(多分)」で着地させる感じがある意味らしくて良かったです。
●感想など
先述したように、最後にとんでもないコントがあったことで今回はあまり正常にレポができていないような気がするのですが、何にせよ非常に面白く「ザ・ギース20周年」を象徴する単独だったのではないかなと思います。
※もしかすると私の思い違いかもしれませんが、過去作っぽい要素をあえて入れているかも?というコントもあったりして(『バーにて』や『金縛りの宿』など) 、何だかニヤリとする瞬間もありました。
また、11月6日〜8日の3日間で「20周年コントセレクション」が開催されることも発表され投票も行われていましたが、そちらもめちゃくちゃ楽しみです! 母親はもう一度SLクラブが観たいとずっと言っているので(投票したかは不明) どのコントが選ばれるのかもワクワクします。
20周年イヤーの今年は、バンドで例えるなら最新アルバムで超クールな新曲をたくさんぶち込んで来たかと思ったら、ファン投票のボリュームたっぷりなベストアルバム(新曲あり)も出る、みたいなありがたい状況になっておりますが、ザ・ギースさんならきっとこれも通過点として21年目も25年目も、あるいはもっと先も全力で走り続けていくんだろうなと思います。そんなザ・ギースさんが大好きです。
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