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私にとってのコモンミール【コレクティブハウス聖蹟】

自分の中に日々流れている時間で起こることには
もうだいぶ大人になったからだろうか
いろんなことを経験してきたからだろうか
意外と想像がつく出来事の方が多い。

こうきたら こうなるだろうな
こうやったら こうなるだろうな
こっちへいったら きっとあそこへたどり着くだろう。
想像からズレることはあっても
まさか。という事は、なかなかそうは起きにくい。

それは安心感。というものを運んでくるかもしれませんが
どこか、何か物足りない生活。

そんな事を感じていた折
私は1年ほど前にコレクティブハウスへ引っ越してきました。

引っ越してきて1年、改めて振り返ると「生きる力」がついたなぁと思います。
たいていの事はなんとかなるぞ。と大きく構えることもできるようになった気がします。笑

そう思わせてくれる代表選手がコモンミール。

コレクティブハウスといえばコモンミール!
皆で一緒に食事をします。
コモンミールを作るのは、もちろん居住者。
ここに住んでいれば1人1人が働き手です。
居住者は月に1回、2~3人のチームでコモンミールを作ります。
(1人で作るのも◯。こうでなければ絶対にいけない、という決まりがないのもまたコレクティブハウス。決まりを作るのも作らないのも私たち次第です)

このコモンミール
引っ越して1年たった今振り返ってみると
実にクリエイティビティ&セレンディピティ、そして体育会系なのではと思うようになりました。

19時までには食べ始められるよう準備していきましょう。
という一応の目標時間がある中で逆算して準備にとりかかりますが
例えば4人分のご飯を作る。というのとはまたちょっと勝手が違うようで
大人数となると何かしらの問題が常に勃発してきます。
プロの料理人でもなんでもないので尚更です。

思いのほか時間が足りない。
このまま行くと19時には間に合わないぞ。
というのはよくある話で

4人前だとレシピにも4人前の分量が載ってたり
ある程度こんな感じね。と想像がたやすかったりもしますが

これ、ひとたび20人前となると話が別になってきます。

4人前だとレシピにも4人前の分量が載ってたり
ある程度こんな感じね。と想像がやさしかったりもしますが

これ、ひとたび20人前となると 話が別になってきます。
味付けも単純に5倍すればいーってもんでもなくてですね。
火加減も一歩間違えればすぐコゲつきますし
人数が多くなれば多くなるほど
時として何が正解なのかわからなくなってきます。

そしてさらにコモンミールには
1食の予算というものも設定されています。

時間もお金も材料も 何かしらの制約がある中
あるものでどうするか どうしていこうか

これまた考えるだけじゃダメなんですよ。
ただただ時だけが過ぎていきます。

考えると同時に
手や足や口を、体を、とにかく動かす、進むこと。

無理だと思ったら
無理です!とまずは言ってみる。
わからないと思ったら
わからないから教えてください、助けてください。と言ってみる。
どうしても言えないなら、思いっきり困った顔をしてみる。

そういうこと
小さなことでも結構大事だよ。と、ここで生活をしていると感じます。

コモンミール1つ取って
大げさかもしれませんが

その時置かれた状況にあーだこーだ思い考えながらも
誰かが先導して大きく舵を切ったり
司令塔となるわけでもなく
兎にも角にも都度各々が決断して進めていく

19時に美味しいご飯が食べられるように
という同じ目標に向かって。

そうするとですね 結果、必ずなんとかなってるんですよ。

例えば1人6個計算で小龍包を作っていたところ
このままだと時間足りなそうだから
とりあえずこの大きさで◯個まで作ってみよう。
◯個までいければなんとかなると言う人がいれば

ある人は既にたまっている洗い物をせっせと片付けしていたり
ゴミの分別が既にきちんとされていたり

何かやる?と声をかけてくれながらも
目は「今日のごはんを注文した人の人数確認」
手は「盛り付け用の皿を出している」人がいました。

この人を筆頭に、リーダーに
◯◯をして△△を!
みたいな事ではなく
とりあえずおのおののできること 良いと思ったことを粛々と。

時間が足りないかもしれない。と思ってからあっという間
ふと我に返ると、そこには美味しそうなご飯ができあがって並んでいます。

こんなクリエイティビティなこと
コレクティブハウスならではなんじゃないかと思います。

クリエイティビティだけじゃない
頭と同時に体もフルで動かします。
そして何よりものチームプレー。
物凄く体育会系だなぁ
とすら思います。

こんな風に書くと
ピリピリムードなのかしら?
みんな目が血走っちゃったりしてるのかしら?
声出していこう!とかやっているのかしら?
引っ込み思案な大人しい私には無理ね。なんて思われたらあれなのですが

いたって和やか
和気藹々ですよ。

みんなそれぞれ違うのが これまたよろし。

ご飯ができあがって人数分サーブされたお皿を見ると
おー!今回もやりきったー!というあのスカッと感、満足感と達成感といったら!
おかげさまでその日の夜はいつもぐっすり眠れます。

普段はなかなかフルで使うことのないところをあちこち使っているからでしょうか。

皆からご馳走様と声をかけられるのも
また良いですよね。
私も誰かの役に少しでも立てたら。何かしたい。という欲求を満たしてくれるし
それに対して何か逆にもらってたりもする、コモンミール。

今までの、普段の生活ではなかなか使わない筋肉を使えるところが
豊かな暮らしだな、と感じると共に
少しの自信にもつながっています。

コモンミールってやつは
撮り直しがきかない、間違えても進むしかない
舞台や音楽のライブなんかに少し似ているような気がします。

コモンミールはライブ感満載の生ものです。
さて 次は何を作りましょうか。


※コモンミール…居住者が交替で担当する食事づくりのこと。

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