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7-9 強引な戯れ 前編 小説◆女主人と下僕






「え?まさか!ディミトリ様!まさかそこをお口で?!」

「そうだよ?今から貴女の大切な所に口づけするのさ。大丈夫…優しくするから。もしちょっとでも痛かったらすぐ言うんだよ?」

そう、さっきまでマーヤの全身を、上は耳たぶから下は足の裏の指の一本一本まで、丁寧に舐ってやっていたディミトリだが、じつは肝心な秘所だけは、下着越しにすらほぼ触れてはおらず、やっと、やっと、やっと今になってこれから可愛がるのだ。

(経験なんて遠い昔、ひとりしかない俺ではあるが、実はこれだけは俺、へへ、自信があんだよ。貴女がへろへろになるまで何度も何度も鳴きに鳴かせてやっからな…?)

前にも書いたが、ディミトリにはまだ14かそこらの少年だった頃、たったひとりだけ、性経験がある。歳のわりには身体が大きく17、18位に見えてそれでいてボーッと素直そうなディミトリは、村一番のいんら○女と有名な近所の年増のおかみさんに目をつけられて無理矢理○○○同然に襲われたのだ。

襲われた瞬間は心底恐怖もしたし唐突なおぞましい体験に口も聞けず身動きも出来ぬほどびびりにびびったディミトリであったが、おぞましい中にも強烈すぎるはじめてのとてつもない快感に負け、ついつい次の日からは毎晩自分の方からおかみのいいなりになってしまい、数ヶ月間、毎晩毎晩馬小屋で明け方まで気狂いじみた逢引きを重ねたのだ。おかみの旦那に見つかりそうになって命からがら馬小屋から逃げ出す日までそれは続いた。

(そしてそれ以来15年近くの歳月、30歳手前になるまで、こうして突然マーヤに襲われるまでは、ディミトリの身の上にはやはり何ひとつ色事は振って湧いてくることなかったのだ)

いんら○おかみは年増の手練なうえに、年端もない少年に平気で襲いかかるようなモラルのかけらもない強引な女であったから、要求も猛烈かつえげつない事この上なく。

という訳でディミトリは経験人数はこのいんら○おかみほぼ一名ではあるが、女を口で愛撫する事にかけてはとことんやり込んだ、あの数ヶ月で10年分くらいはやらされたぜだから俺はこの技だけは下手ではないはずだ、という自信があった。


(いまから唯一自信がある技が披露できるんだ。さっきから、腕やら脚ごときを撫で回されただけでこんなに人が変わったみたいに鳴き悶えているマーヤ様の秘所にあれを施したら、いったいどうなっちまうんだろう…?)

そんな期待感でいっぱいになったディミトリはもう既に勝ち誇ったような嬉しさが隠しきれない瞳でマーヤにそのように告げたのだ。

ところが。

マーヤは青くなって後ずさるようにして布団を引っ掴んで身体を覆い隠すようにして叫んだのだ。

「駄目えっ!それは駄目です!そんな汚らわしい!」

その瞬間、ディミトリの顔が酷く傷ついた表情で固まった。

ディミトリは根本はまことに素直で明るい単純な男ではある。だが敵国で10年間敗戦奴隷として体験してきた数々の経験が邪魔して、たまに変に被害者的な受け取り方をしてしまう時もあるのだ。

「…俺が、汚らわしいか」


ディミトリの表情を見てマーヤはびっくりして訂正した。

「違うの違うの違うの!わたくしのここは不浄の場所だと申しております!ディミトリ様のお口をこんなわたくしで汚すわけにはいきませんと申し上げております!」

ディミトリがまだ固まって傷ついた表情をしているのでマーヤはびっくりしながら更に畳み掛けて言った。

「あ、あのっ?待って?あべこべに取らないで下さいな?わたくしはもちろんディミトリ様にどんな事をされても、ひたすら嬉しいだけですわ?」

一度は薄い羽根布団で己を隠すようにしながら天蓋付きベッドの一番奥の隅に後ずさったマーヤであったが、ディミトリのこの、完全に打ちのめされた表情を見て、なんとしてもこの誤解は解かねばならぬと感じた。

だからマーヤはまず自分の身体に布団を巻きつけるようにしてから、おずおずとディミトリに近寄って、まるでこどものような小さな細い指のついた両の手のひらでディミトリの頬を両側からそっと包み込んだ。

ディミトリは少し落ち着いて小さい声で呟いた。

「…俺が汚らわしいからそうされるなんて嫌だわ、と仰ってるわけでは…ないのですね?」

マーヤはディミトリの頬をくり返し撫ぜつつ必死で弁明した。

「もう!何をバカなことを仰るの!あべこべです!畏れ多いにもほどがあるから殿方にはそんなことはさせられませんと申し上げているだけでございます!」

ディミトリにとってはそのマーヤの台詞は「ああしろこうしろもっと右だ左だ止めないで!続けて!まだまだ!!」みたいな事をひたすらいわれて首がおかしくなり顎が痺れるほどやらされた、あのいんら○おかみと同じ女の台詞とは到底信じられなかった。

「おかしいな…女なら誰でもここを○撫して貰いたがるモノかと思っていた…。それにしても…乳房に口づけするのは…それに足の裏すらたいして嫌がらなかったのに…この場所だけなぜそうも拒むのか…」

「え、えっと、だって、あの、あのっ、シーナ国の本に…『女性が殿方の局部を口で愛○するのは当たり前のことだが、女性の局部は不浄であり殿方にそんな場所を気軽に口で○撫などさせてはならない』、と、書いてあったのですが…」

「何だと?そりゃぁ、ずいぶんと不公平な話ですな。すくなくとも俺の産まれたゾーヤ国にもこのランス国にもそんな変な常識はないよ?」

「それに、それに、あんな醜い部分をまじかで見られながらそんなことは…無理です!無理です!…た、たとえば、わ、わたくしがもっともっとその、このランスの国の女性のように綺麗だったら…高価なお人形さんのような綺麗な金髪の美しい女性であるとかなら…受けられるかもしれませんけど…ただでもわたくしこんなこどもみたいな鼻ぺちゃの童顔で、髪もランスの女性には誰にもないような禍々しい真っ黒の黒髪で、その!」

(全く!本当にこの人は自分が街の男達に街一番の色っぽい女だと噂され、そのエキゾチックな美貌と東洋人にあるまじき豊満な肉体美がどれだけ憧れられ熱い目で盗み見られているのか、本当になにひとつご存知ないのだなぁ…!)

ディミトリは動揺するマーヤを味わい反芻するように見つめながら、ただ失笑の笑みを見せてマーヤの誤解を聞いていたがそこを正してやることもせず、ただ低い声で言った。

「解った。そういうことね。ようっく了解いたしました」

マーヤが安堵の表情を浮かべた瞬間、ディミトリは自分の頬を撫でるマーヤの両手首を掴んでそっとベッドに下した。

手を離させられて不思議そうなマーヤの顔を見つめながらディミトリは更にマーヤにグッと近寄り、布団をそっと剥ぎ取った。そしてマーヤの体育座りのようにぴったりと固く閉じた脚をまるごと大きい両腕でそおっと抱きかかえながら、自分のギラギラした野犬の瞳を優しい照れ笑いでなんとか隠しつつ、ニッと笑って欲情に震える声で言ったのだ。


「つまり、俺が、あなたを力づくで無理やり○かしちまえば万事は解決って訳だ」


その瞬間ディミトリはマーヤの小さな両の膝小僧を自分の両手のひらで包み込むように掴み、持ち前の馬鹿力で容赦なくがばあと押し開いた。



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