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20230501_検索クエリで日本全体を見るとChatGPTの利用が全然進んでいない印象がある点についての危機感と考察(ChatGPT部, 大城)

こんにちは、ChatGPT部、部長の大城です。5月のGW、今年は最大9連休の模様ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
(私はカレンダー通りですがリモート勤務なので今日は佐賀・唐津よりお送りします)

表題の件ですが、「ChatGPT、勉強会等はめちゃくちゃ増えてるのに全然利用してる人が増えてない印象」がありまして、その考察と懸念について記載します。(ぜひ、皆さんの周辺での観測状況やご意見もお伺いしたいです)


なぜ全然増えてないと感じるか①:検索キーワード推移で見るChatGPTの利用の伸びが今ひとつ

検索キーワードは一定のニーズの可視化が可能ですので、ここではヤフーの検索データ(そういえば今度LINEヤフーになるんでしたっけ・・)とGoogle Trendのデータ(日本・グローバル)とを見てみたいと思います。

1.ヤフーの検索データ、DS.INSIGHT

先日、DS.INSIGHTの記事を田村さんにあげてもらいましたので、こちらから抜粋しますね。

ちょっと解像度低いのですが、検索数のピークは1-2月の山を超えていません。(あと、元記事を見るとわかるのですがほぼ男性からの検索です。個人的にはエンジニア、研究者、あと一部の経営層と予想してます)

https://note.com/chatgpt_nobdata/n/n8ce946d0aae1より引用

2.Googleの検索データ、Google Trend(日本)

Google Trendの推移はこちらです。ヤフーのデータよりは上り調子ですが、そこまで大規模にバズっている感じではありません。(2月のピークを少し越えたくらい)

・Google Trend
https://trends.google.co.jp/trends/explore?geo=JP&q=ChatGPT&hl=ja

東京を中心に満遍なく検索されている
ChatGPT+使い方や日本語での記事検索が多い印象

3.グローバルで比較するとどうなのか(Google Trend, 全世界)

まずはこちらをご覧ください。先ほどのGoogle Trendの結果のグローバルアクセスランキングです。
(日本は58位、100段階中、たった4ポイントの興味関心指標)
(例外的な中国を除くと2位のシンガポールの値は23ポイント
)


ちなみに1位はなぜか国内から禁止されているはずの中国。(これ、どちらかというとDDoS攻撃では・・??)

グローバルでの注目度は上りトレンド

国内の検索で見ても、グローバルの相対値で見ても、日本国内一般の方はまだまだChatGPTの「検索」、言い換えると「活用」は進んでいない印象です。
( 検索行動なので、能動的に利用しよう、調査しよう、というケースで観測対象になります。手前としての認知度は一定あるはずなのに、全く行動に反映されていないという。)

なぜ全然増えてないと感じるか②:定性的な観測による考察

これは完全に定性的な観測になるのですが、「ChatGPT関係の勉強会に参加する層」の熱量はかなり高まっている一方、「遊びで触ってみたものの全然使えない印象」「どう使えば良いかわからない」「嘘をつくのでよろしくない」という声もかなり多い印象です。おそらく、体感ではちゃんと使っているのは全体の5%くらいかなという印象です。
(個人的には研究者、エンジニア、一部の経営層は興味関心は増加、それ以外の層は様子を見ているかまだ情報収集の段階で、実際にはそこまで使っていないのでは、という見立て)

アンケートなどをとっていないので、推察の域を出ませんが、あまり活用されていないのは「日本語のChatGPT-3.5の性能が低い」というのが1つの要因かなというのと、公式サイトが英語のみ、というハードル、あとこれは邪推かもですが、ChatGPT以外の技術でもこれまでも「他の技術で世の中が変わる!」と一部の層が色々と宣伝していたのを非エンジニアの方々は聞いていて、またかと様子を見ているのでは、というのとの両面あるかなと思います。
(あと、単に忙しすぎてChatGPTで遊ぶ余裕がない、など。)

また企業や大学だとそもそも利用を禁止しているところもありますので、「急に言われても困る」「今年は導入検討して、来年度の計画から」という状態かなとも思っています。
(いずれも推測の域を出ないので、この辺りはどこかのアンケートを後々探したいなと思っています、が仮説としては筋は悪くないはず)

個人的意見:新技術でピンチにもチャンスにもなるのにスルーしている状況なのでは

ChatGPT、G7のデジタル相級会談では日本がリーダーシップを取っていい存在感を示しており、日本においてはサムアルトマンが先行で画像inputのAPIを公開するのもやぶさかでは無いよ、と提案しているくらいで、これができるとある意味「石油の利権」のようなインパクトがあるのではと個人的には例えているのですが、検索クエリベースでは日本では全然注目されていない状態です。

またこのままの状況が続いた結果、もう1つ懸念しているのが、「英語を母国語とする発展途上国の大躍進」の可能性です。知人曰く、ChatGPT-3.5は日本語で質問すると小学生くらいの賢さだけど、英語で質問すると大学生くらいの返事をする、とのことですので、そうなると英語を母国語とする国での発明ラッシュ、起業、グローバル展開も近く起きるのではと思っています。

日本だと先日福岡のラジオ局が「ChatGPTに聞く日本の名曲5選」をやっていましたが、GPT-3.5に日本語で質問して曲名と作曲者の対応がバラバラ、それでは困るよね、という感じで遊ばれてましたが、それは多分本質では無いのでは、と思ってます。(ChatGPTは検索エンジンじゃ無いですし、そもそも日本語で聞くならGPT-4くらいは利用した方が良いはず。いやまぁChatGPT-3.5の日本語版が弱い、ということの一側面にはなるのですが)

日本語が得意でないChatGPT-3.5を見てのんびりしている間に、他の国でガンガン活用が進んでしまうと非常に勿体無い
なぁと個人的には思っているので、この辺りはぜひまた皆さんのご意見もお伺いできれば、と思っております。
( 他国に先んじて日本企業がChatGPTを上手く使いこなせば、失われた30年を取り返し、バブル期の再来も夢ではないのでは、と個人的に妄想しているのですが、ピンチもチャンスもなかなか正しく伝わらないですね・・ )

ちなみに:身近な人が説明すると化学反応は一定起きる

これも私のこの1〜2ヶ月の体感ですが、実際にChatGPTは今ここまでできますよ、というのをMTGやセミナーで30分〜1時間程度話をすると、参加者の多くは「(想像以上に)やばい」という感想を持たれる方が多いので、この辺りは実際に身近にChatGPTを使って色々遊んでいる層が増え始めたらまた変わるだろうな、とは思っています。

エンジニア系コミュニティではChatGPTの勉強会がかなり増えてきましたし、先日のDS協会のイベントも4600名という協会史上最多のイベント参加人数を叩き出していましたので、その参加者が徐々に周りに伝搬させていくとまた検索クエリ数も伸びてくるのでは、とも期待しています。

ということでやや愚痴っぽい話も出てきましたが、一部界隈ではかなり盛り上がってるのに検索クエリ数ベースだと全然日本ユーザーが増えていない、という点に関する懸念事項でした。
ChatGPT部でも引き続き、啓蒙活動を続けていければと思っております。

それでは皆さんもどうぞ良いChatGPTライフを・・! (大城)

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