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名作と犯罪

某歌舞伎役者さんが逮捕されるに至った。
歌舞伎を見に行ったことはないが、
テレビや映画に俳優として出演された演技には接しており、
個人的には非常に才能溢れ面白い芝居をする方だと思っていたので今回の件はとても残念だ。

ことに至った個人的な事情については調査は然るべき機関に任せ、司法による裁きを待つしかない。

残念なことは、かの俳優が出演した作品が今後公にならなくなる可能性があることだ。

2022年といえば?と問われれば、
私は『鎌倉殿の13人』と答える。
(あとはコロナ禍からようやくの海外旅行解禁とFIFA W杯2022カタールね)
鎌倉殿には2022年に年間を通してとにかく楽しませてもらった。
史実としてわかり切っているのにこうも毎週ワクワク見るなんて一体どうしたことかと、自分でもちょっとおかしいと思うくらいに心を持っていかれた。

この傑作大河ドラマにも、かの俳優は出演しているのである。
全話ではないが、要所要所で印象深い関わりをしており、その演技も自由奔放でとてもおもしろいキャラクターとなっているのだが。

NHKオンデマンドでは配信停止を予定しているという。

全話出演しているわけではないので、出演していない回については配信を継続するのかもしれないが、そんな歯抜けな。
彼は最終回にもちょろっと出演しているし、そしてなにより、
鎌倉殿の13人というドラマが暗黒バトルロワイヤルへと変貌していく、ストーリーの潮目が変わるとてつもなく重要な第15話『足固めの儀式』にも出演している。
鎌倉殿の13人はどの回も面白いが、とりわけ第15話は誰もが認める神回中の神回であろう。この話なしなんて考えられない。

幸いなことに我が家のレコーダーには初回から全話が4Kで録画され残されているが、私個人が楽しむだけにとどまるなんてもったいなさすぎる。
この歴史に残るであろう大傑作ドラマが多くの人の目に映らなくなってしまうなんて。

ああなんという不幸だろうか。
エンターテインメント界にとってどれほどの損失か。

作品そのものには罪はないが、出演者が現役の容疑者。
どんなに傑作であろうと、そこを切り離すことが困難であることは想像に難くない。
まずは罪を償うことに専念すべきであり、それまでは封印というのは社会的なメッセージとして仕方のないことなのかもしれない。

それにしても重ね重ね悔しい話だ。
どうか、私達エンタメ産業の受け手側が心の底から迷いなく作品を楽しめるためにも、
エンタメに関わる人達が健全でいられる業界を構築してほしい。


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