南鳥島に地対艦ミサイルの射場整備 国内初、長射程ミサイルの発射訓練も視野

産経新聞より
陸上自衛隊トップの森下泰臣陸上幕僚長は25日の記者会見で、小笠原諸島の南鳥島に陸自12式地対艦誘導弾の射場整備を計画していると明らかにした。射程100キロを超えるミサイルの射場整備は国内では初。将来的には他国の領域内に攻撃を加える反撃能力(敵基地攻撃能力)に用いる長射程ミサイルの発射訓練も視野に入れる。

南鳥島には海上自衛隊の基地があり、射場は基地西側の用地を活用する。令和8年度から射撃訓練が実施できるよう調整を進めている。防衛省はすでに地元の東京都小笠原村に整備計画を伝えている。

射撃訓練は数十~数百キロ離れた洋上の目標に対して爆発しない演習弾を発射する。射程百数十キロの12式誘導弾の射撃訓練は現在、米国やオーストラリアの演習場で実施しており、訓練機会や参加部隊が限られる。森下氏は「国内に射場を持つことで、練度の維持向上につながる」と説明した。

防衛省は12式誘導弾の射程を1千キロに延ばす「能力向上型」の開発を進めている。配備計画を当初の8年度から7年度に1年前倒しするなど、反撃能力の整備を急ぐ。長射程ミサイルの射撃訓練も国内で実施できるようにすることで運用の精度向上につなげる。

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