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「音楽NFT」についての個人的予想(1):「音楽データNFT」は売れるのでしょうか?

こんにちは。カロンです。NFTアーティストの皆さんを応援しております。

さて今回は「音楽NFT」についての個人的予想を書いておきます。いろいろなところで「音楽NFT」という言葉を聞くのですが、どうもそれって「解像度が低いのではないだろうか」と思うのです。

音楽NFTはすごい可能性があります。

私は少なくとも2021年10月から「音楽NFTはすごい可能性がある」と思い続けています。とんでもない可能性があると思っています。

しかし、それは「将来的にみんな音楽NFTを聞くようになる」と思っているわけではありません。というか、それは無い、と思っています。そのあたりを書いてみようかなと思います。

では、「音楽NFT」ってなんでしょうか?

音楽NFT、って聞くと皆様はどんなものを想像されるでしょうか?一番シンプルなのは、音楽データ(例えばMP3だったり…)がNFTになっていて、Openseaに並んでいる、という状態でしょう。たしかにそれは音楽NFTですね。もっと正しく言えば「音楽データのNFT」でしょう。

さて、あなたは「音楽データNFT」を買いますか?

あなたは「音楽データNFT」を買いますか?

誤解を恐れず言うと、私は「普通の音楽データのNFT」だったらほとんど誰も買わないと思っています。すいませんね、いきなり暴言吐きますが。

だってそうじゃないですか?

NFTのポイントの良さは「オープンなこと」です。もし音楽データのNFTだったら、買わなくてもOpensea上で再生ボタンを押せば聴けるんです。ちょうど「イラストデータのNFT」は買わなくてもそのイラストは見られる、ということと同じです。

「このイラストNFTを、イラストとしてだけで楽しんでください」と言われたら別に買う必要ないですよね?誰でも見られるんですから。「ちょっとオフラインでも見たい」、というなら右クリックして保存すればいい。毎日観たい、と思うならダウンロードしたのをスマホの壁紙に設定もできる。それだじゃ寂しい、部屋にも飾りたいと思うならプリントして飾ればいい。それは「私的利用の範囲」でしょう。

音楽データNFTも同様ですよ。聞きたければOpensea上で再生ボタンを押せばいいだけです。「オフラインでも聴きたい」だったらこれも同様です。データをダウンロードしておけばいいだけですね。

さて、こういうものをあなたは「買おう」と思われますか?

音楽データNFTプレイヤーができてもそれは変わりません。

こういう事言うとよく、「いや、Openseaにいちいちアクセスするの面倒くさいからプレイヤーができればみんなプレイヤーで聞きたくて購入するはずだ」という方がいらっしゃいます。

申し訳ないのですが私はそれも疑ってます。

仮にNFT音楽データプレイヤーアプリができたとしましょう、まあスマホアプリにしましょうか。それはウォレットを接続しておくと自分の保有している音楽データNFTだけが一覧になっていて、ボタンを押すと連続再生できる、と。仮にそのアプリが人気になったとしましょう。

次には「ウォレット接続不要ですよ」というのが出るでしょうね。だって特定のアドレスが保有しているNFTのデータは誰でも見られるんですから。

(Hiddenという機能はOpenseaの機能です。ブロックチェーン上からは誰でも見られます)

ということは「ウォレット繋がなくてもいいですよ、ウォレットアドレスだけ入力してくれればそのウォレットにある音楽データを連続再生できますよ」というアプリが出るでしょう。そのほうがいちいちスマホでメタマスク繋がなくていいから便利ですね。

そうなると、ですよ、その次には「ウォレットアドレスも不要ですよ、ブロックチェーン上にある音楽データのNFTなら何でもそのアプリから検索して、プレイリストにできて、連続再生できますよ」というアプリが出ると思いませんか?

だってNFTはオープンなんですから。誰だってネットさえあればどのNFTのデータも見られる。そうでしょう?イラストNFTはウォレット持って無くても見ることはできますよ、音楽データNFTだってそうなります。

そうなるとウォレットすら必要ない、ブロックチェーン上の音楽データを例えばアーティスト名とかで検索して再生できる。そういうアプリのほうが手軽なんで人気になるでしょう。

では、そうなることがわかっている状態で誰が、最初から「ウォレット繋いで自分が保有している音楽データしか再生できませんよ」というアプリを開発するでしょう?うーん。。私だったらしないと思うんですよね。。

では「ブロックチェーン上にある音楽データNFTを検索して、好きなの連続再生できますよ、ウォレット不要・Openseaにいちいち行く必要もない」というプレイヤーがリリースされたとしたら、そのときに「音楽データNFTをわざわざお金だして買う」のはなぜでしょう?

「いい曲だから」?

いや、お金払わなくても聴けるんですよ。ましてや海賊版や違法アップロードじゃない、クリエイターが自分でNFTとしてアップロードしているわけですから。再生ボタンもついてます。それを「買って持ってないやつは聞くな」というのは通用しないでしょう。

「タダで聞くのは申し訳ない」から?

はい、私だってアーティストは正当なお金を受け取るべきだと思っていますよ。でも、だったらアーティスト側は正式なお金をもらえる市場(一般の音楽市場)で作品をリリースすべきではないですか?わざわざお金を払わなくても聴けるNFTでリリースする必要ないでしょう。今だったら仮に有名アーティストではなくてもリリースできる市場はたくさんありますよね。例えばYoutubeにアップして広告収入を得る、という手だってなくはない。もちろん簡単ではないでしょうが。それでも「売ったり買ったりしている人が1万人」と言われる国内NFT市場よりは広いんじゃないしょうか?

申し訳ないですが正直言って、「音楽データNFTを聴けるプレイヤーアプリ」が出たら余計に音楽データNFTは売れないんじゃないかなと思います。だって簡単に無料で聴けるんですよ。

では、音楽NFTには可能性は無いのか、いやある。

ここまでお読みいただいて「じゃあ音楽NFTに可能性は無いのか」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。少なくとも私はそうは思っていません。冒頭に申し上げた通り、私は音楽NFTはとんでも無い可能性があると思っています。大きなビジネスになっていくと思っています。これによって音楽に関わるアーティストが大きなもの(それはぶっちゃけてお金だったり、ファンだったり、新たな戦略・手法だったり)を手にする可能性があると思っています。

そのあたりを次回説明したいと思います。

次回に先立って、しっかり言っておきたいのは、

「音楽NFT」は少なくとも4種類ある

ということです。

では次回をお楽しみに~。

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