AliceNFTと「バーン・アフター・リーディング」から見るストーリー性
AliceNFTがすごいかも、という話を書きました。
ファイナンシャル的凄さはこちらの記事に書きましたので、今回はその「ストーリー性」に関して。NFTやWeb3関係ないです。
それと、重ね重ねいいますが投資助言ではないのでNFTやトークンの購入は自己責任自己判断でお願いしますね。
さて。
AliceNFTには様々なキャラクターがいて、そのキャラクターの命名は、暗号通信やインターネットの世界などで使われる「アリスとボブ」という典型的なキャラクターたちを元にしています。
「AがBに情報を送るとき、誰かが盗み見ていたとしたら…」と言われるよりも、「アリスがボブに情報を送るとき、マロリーがそれを盗み見ていたとしたら…」と言われたほうがわかりやすい。
そのあとに「さっきのBが…」と言われても「え?Bって誰だっけ??送ったほう?送られるほう?」となりますが「ボブが…」なら、「ああ、情報受け取る側ね」と分かりやすい。イメージがわくのでね。
もっといえば「アリスとボブとマロリーがいるとして、」と言われただけでこの「アリスとボブ」の話を知っている人は「ああ、アリスとボブの通信をマロリーが邪魔をするのね」と分かる。シンプルな擬人化です。
それぞれの名前と役割はぜひこちらのWikiを御覧ください。少し引用しておくとこういう感じ。
AliceNFTのキャラクターたちは基本的にはこの話のキャラクターを元にしています。
メインのキャラはアリスとボブ、その二人を見張るウォルター、邪魔をするマロリー、敵対するオスカー、調停するトレント、といった具合に。
こういう、普遍的なキャラクターたちの「土台」、専門的にいうと「サブテキスト(意味の水面下にあるもの)」があると、ストーリーというのはもっと面白くなるものです。
「アリスとボブ」の話を知っている人は「マロリー」というキャラクター名を聞けば「ああ、邪魔をするんだな」と思う。
そしてその通りになってもいいし、それをあえて裏切ってもいい。一旦、仮の道筋を観客に示すことで、予想が出来るし、それを裏切ることも出来る。これが面白いストーリーの作り方の一つであろうとは思います。
もちろんこの話を知らなくてもあとになって知って気づくのも楽しいでしょう。
おそらく(私もそうだったんですが)、インターネットなどの技術に詳しくない人は「アリスとボブとウォルターとマロリー」と聞いても「ああ、そうですか」と思うでしょう。
しかしあとになってこの「アリスとボブ」というキャラクターを知ると、「ああ、そういうことだったのね」と面白くなる。これも物語に触れる楽しさのひとつではあります。
…ということを、唐突に「バーン・アフター・リーディング」という映画を事例に説明したいと思います。
バーン・アフター・リーディング
「バーン・アフター・リーディング」は2009年のアメリカ映画です。コーエン兄弟が監督しています。彼らはその前年に、「ノーカントリー」という非常に乾いた、暴力的な、救いのない作品でアカデミー作品賞/監督賞を受賞しています。
その次がこの「バーン・アフター・リーディング」なんですが、これは打って変わってドタバタコメディでした。しかもはっきりいって「よくわからない」。
私も当時映画館で見ました。もちろんコーエン兄弟の作品だし、豪華キャストなのでそれなりにおもしろかったのですが「で、これ何の話??」と思ったことを覚えています。
ざっくりあらすじを書くとこんな感じです。
CIAを首になったオズボーンという男が自分の日記をCD-ROMに保存しています。それを無くしてしまう。それを「CIAの極秘情報だ!」と勘違いした人々がそのCD-ROMを奪い合う話です。奪い合う人々は、下記の4人。
・素敵な出会いを夢見て、整形をしようとしている女性。
・女性の同僚で、身体を鍛えることしか興味がないおつむ空っぽの男性。
・その女性と出会い系サイトで知り合った臆病な保安官の男性。
・オズボーンと離婚調停中である非常に冷たい妻。
これらの人々がドタバタとCD-ROMを奪い合う。話はあんまり進まないし、基本的に全員、バカ(というか自分のことしか考えていない)ので「アホか、こいつら」と思う。で、「これ何の話?」と思うわけです。
オチまではいいませんが、最後のシーンもみると「え?で、これ何の話?」と思うんです。
これは何の話なのか?? 私はあとになって知りました。大事なのは「キャラクター」です。
もう一回キャラクターを紹介します。
素敵な出会いを夢見る女性と、おつむ空っぽな同僚、臆病な保安官、心のない冷たい妻。
夢見る女性と、おつむ空っぽな男、臆病な男、心の無い冷たい女。
夢見る女の子と、脳みそのない者、勇気のない者、心のない者。
お気づきですか?
夢見る少女、脳みそのないカカシ、勇気のないライオン、心のないブリキ男。
そう、この話って「オズの魔法使い」の話なんですよ!!だから、CIAを首になった男の名が「オズボーン」なんです!!!
やー、これを知ったときには思わず「あ!!」と声が出ましたね。。
「オズの魔法使い」だと思って見るとこの映画がやっと分かるんです。ぜひその前提で「バーン・アフター・リーディング」をご覧いただければ。
このように誰もが知ってるストーリーやキャラクターを元になにか新しいストーリーを組み立てて行く、というのは作劇で非常によくある手法です。
今回のAliceNFTも「アリスとボブ」という普遍的なキャラクターたちを元にしています。
そして、更に「アリス」という名前から「不思議な国のアリス」が元にもなっているでしょう。
それはAliceNFTのキャラクター、イヴァンがウサギ耳のキャラであることから暗示されています。アリスは「ウサギに誘われて穴に落ちて不思議な国にいってしまうお話」ですから。
さて、アリスはイヴァンという「ウサギ」に誘われてどんな「不思議な国」に行くのか…。それも合わせてこのAliceNFTのストーリーが楽しみです。
ああ、そうそう。
「不思議な国のアリス」は「女の子がウサギと共に、不思議な国を旅する話」、でしたね。
「オズの魔法使い」も「女の子が飼い犬と共に、不思議なオズの国を旅する話」です。
「オズの魔法使い」は「不思議な国のアリス」の影響を受けている、と言われています。
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