モロッコの記憶
どうも、ご無沙汰でございます。
日ごろTwitterをご覧になっていただいている皆さまにはすでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、他のどこにも書いていなくてそろそろ苦しくなってきましたので、ここに記しておきたいと思います。
私事ですが6月の後半からモロッコへ旅行に出ておりました。ルナール監督をきっかけに→モロッコ代表チームに興味を持つ→元々地理好きなのもあって人や場所に興味を持つ→モロッコがどんなところか実際に行ってみよう!となったわけです。そして、どうせ行くならアフリカネイションズカップで盛り上がってるときに行こう!となりました。本来ならエジプトで現地観戦&応援するのがスジってものですが、日本人の女一人で無事にたどりつける気が全くしませんでした。なので、初心者にも優しいモロッコの団体ツアーを申し込みました。ええ、実は海外旅行初めてなんですよ~。私の大切な“初めて”はモロッコにあげることにしました(笑)
観光100%のツアーですが、モロッコのサッカー熱にも少しだけ触れることができました。観光地への詳しい行き方&歴史的背景やらは他の旅ブログやWikipediaに任せるとして(任せるんかい!)、自分の感じたことをポロポロと書いておきます。記憶がまだ残っているうちに…
日本から約20時間かけて行った先は、完全なる別世界でした。
↑カサブランカのムハンマド5世国際空港の出口横からのショットです。雰囲気だけでもどうぞ。
ここから大型バスに乗ってモロッコをぐるっと回ります。
都市部はやけに国旗の量が多い。おーっ!ついにモロッコに来たぞー!という気分になります。他の国でもそうなんでしょうか?
国旗は道を挟んで両側に等間隔にブスブス刺さってることも。何かきっと決まりがあるんだ、そうに違いない。
空港から都市部を抜けると、こういう景色が多いです。その中に羊や山羊や牛、ときにはラクダも放牧されてたりします。急に信号も無いところでバスがストップするので、前を見たら羊の軍団が道を横断…
モロッコは都市部も田舎も関係なく動物との距離が近いです。だがそれがいい。
最初の観光は首都ラバトにあるムハンマド5世廟からです。
ここの入り口は馬に乗った衛兵が守っているのですが、そのすぐ外に代表チームの赤のユニフォームを着たお子様たちがサッカーしてました。
そう、これだよ!これを見たかったんだよ!と一人興奮しまくる私。
今思えば子供たちに話しかけて写真撮ってみたかったけど、まだ慣れないモロッコに緊張してたので無理でした。
ここは、ウダイヤのカスバというところです。ここがバスの中から見えた瞬間に私のテンションはかなり上がりました。ここは『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』のロケ地です。トム・クルーズとサイモン・ペグが車でブッ飛ばしたのがここ。映画好きの私にはたまらんのですよ。おかげでそれまでのバス酔いが治まりました。
もし旅行先としてモロッコが気になるようでしたら、『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』は一見の価値ありですよ。作品もとても面白いです。
さてこの日、ホテルで部屋に戻るとシャワーを浴びてテレビを点けました。(いつも旅先では地元のテレビを観るのが好きなのです)
するとこんな映像が…
キャーッ!!ルナール監督!(*´ω`*)
テレビを点けていきなりです。まるで監督に「モロッコへようこそ」と言われている気がしました。(完全に妄想)
画面の映りが悪いのはたぶん電波が弱いからですね。ブースターを噛ませたい…
モロッコのホテルはマラケシュ以外はほとんどこんな映りでした(笑)
幸せな気持ちから一夜明けると、次は有名な青い街のシャウエンです。
カメラを遠くの路地のネコたちに向けていると、家の中からおじさんが出てきてエサをあげていました。コチラに「撮らないで!」と手を振るおじさん。私もカメラを下ろして「撮らないよ~」と手を振りました。あと、子ネコを育てている母ネコのために、段ボール箱が人目につかない場所に数ヶ所置かれていました。
モロッコのみなさんは本当にネコたちに優しい。どのネコも人間を見て逃げなかったし、誰もネコを邪険にしなかった。宗教的理由があるのは知っていましたが、こんなにも優しいとは…(モロッコ全土です)
ネコ好きの私は感激するのと同時にいろいろと考え込んでしまいました。
お次はフェズという街です。
ドドーンと王宮でございます。写真だと分からないですが、かなり大きな建物でした。真ん中の扉でも10m近くあったような。比較用にたばこの箱を置けば良かったです(笑)
このときは国王は滞在されてなかったので、こうやって入り口だけ見学できたようです。
また、フェズは職人の街とも言われています。
これすべて売り物です。何ともアラビア~ンな感じです。
右上の高い建物がモスクです。ここからアザーンが聞こえたときはテンション上がりました。イスラム圏にキター!という感じです。
「モスクの中、ちょっとだけなら撮っていいよ」という言葉に甘えて撮りました。カメラが上向きなのは、手前でお祈りをされている方が居たからです。お祈りは神様と対話する大切な時間だと思うので、さすがに撮影は遠慮しました。
食べられないものがあったり断食期間があったり、外から見ると大変なんじゃないかと思うこともありましたが、こうやって間近でお祈りされているのを見ると心のよりどころがあるっていいなと、ちょっとだけうらやましく思ったり。
フェズでは旧市街の入り口付近のカフェで、代表チームのスタッフが着る黒のウェアを着たおじさんが新聞読みながらお茶してました。今すぐそれ脱いで私にください!と言いたかった(笑)
ここはサッカー熱が特に熱いところだそうで、ホテルの外では夜中までフットサルしてる皆さんも…
この時点ですでにモロッコ最高!ですヽ(^o^)ノ
フェズのお次は砂漠を目指して移動です。窓の外の景色が一気に変わってきました。
途中、イフランというモロッコのスイスと呼ばれる場所に到着。そこにあるのが…
アトラスライオンの像です。かなりの大きさです。
モロッコ代表チームの別名はアトラスのライオン。なのでチームの勝利をお願いしておきました。
アトラスライオンはバーバリライオンの別名で、たてがみの長い大型種。だいぶ昔に絶滅したと思われてましたが、2012年にモロッコ国王の私的動物園で飼育されていたのが分かりました。
どこか、“復活”のニュアンスを感じさせる話です…
街では何かスポーツ(競歩?)のゴール地点だったようで、イベントが開催されていました。住んでいる方もヨーロッパから移住してきました!みたいな方が多くて、小洒落た雰囲気でした。
車窓から道端のタジン屋さんを撮影。横はその材料(肉)屋さん。ある意味で効率的です。道路沿いにこういう店をたくさん見かけました。七輪に置かれているタジンがすごく美味しそう。
この日はアフリカカップオブネイションズのモロッコ対ナミビア戦が夕方ごろに始まっていました。団体ツアーだし観ることはできないと諦めていたんですが、移動の途中立ち寄ったガソリンスタンド兼レストランで、入り口の扉を開けるとこんな光景が!
おおーっ!地元の皆さんが集まって観戦してる!!
普段のこのガソリンスタンドはそんなに人が居ないらしく、ここまで集まってるのは珍しいそうです(笑)
画像ではだいぶカットしてますが、後ろにも人が居て、左側にももう一つテレビがあって、そこにもずらーっと人が…
私も一番後ろから観戦!数人の方がチラッと私の顔を見て不思議そうな表情されてましたが、それよりも試合の方が大事なので気に留めるほどでもなかったようです。途中で私に気づいた現地ガイドさんが横に付いていてくださいました。(ありがとうございました)
ゴール前にボールがいくと、皆さん「オオーッ!」っと声が出て、シュートが外れると「あぁ~」とため息(日本も同じですね)
「ウチのチームすごく強いんだよ~」
「ヨーロッパのリーグで活躍してる選手も多いんだよ~」と現地ガイドさん。
「モロッコ代表は好きかい?」と別のツアーのガイドっぽいおじさん。私が「うん、大好き!」と答えると、嬉しそうな表情をしてバスへ向かわれました。
ずーっと現地の方とサッカー観戦するのが夢でした。本当に夢に出てきたほどです。スケジュールがタイトな団体ツアーでは到底無理だと諦めていたんですが、短い時間ですがこんな風に実現できて、幸せすぎて正直泣きそうでした。本当にモロッコに来て良かった…
次の日は朝早く起きてホテルから4WDに分乗→ラクダに乗り替えた後、サハラ砂漠へ日の出を見に行きました。街のメイン道路の間は舗装されていましたが、途中から舗装が途切れ道が分からなくなっていました。はるか向こうに見える明かり1つを頼りに4WDが横並びで突っ走ってる光景は、なかなかの壮観でした。
暗闇の中ラクダたちがお座りしてお待ちかね。いざ乗ってみるとラクダは車高(?)が高い!「高い!怖ええー!」とビビッてたら、隊列の後ろのラクダが私の足にずっと頬ずりをしてくれてました。降りてから頭ナデナデ。ありがとうねラクダさん。
地元の砂漠の民のお兄さんたち、そりゃもう懸命に場を盛り上げてくれました。そしてやたらカッコ良かった。
「ラクダは楽だ」という駄洒落は一体誰が教えたのだろう…
砂の向こうに見えるのはホテルだそうです。すっごい雰囲気イイけど、シャワーとかどうするんだろう?
さて、砂漠から戻ると移動です。
途中の山の上から撮影。オアシスと町と山。この景色たまりません。
お次はアイト・ベン・ハドゥ、数々の映画のロケ地にもなった場所です。
土産物屋さんもやけに絵になります。
頂上からの景色。
にゃーん
お次は血沸き肉踊るマラケシュです。
これはジャマ・エル・フナ広場の全体を見渡せるカフェから撮影したものです。すんごい人の数です。いろんな大道芸人やお店で撮った写真などを載せたいところですが、あんまりありません。というのも写真撮るとね、チップ払わないといけないのですよ(笑)
呼び込みのすさまじさ、商売上手な人たち、混沌とさらに猥雑で危ない雰囲気。そりゃもうね、すんごいところでした(笑)
奥の市場(スーク)も道を間違えると危ない感じでしたが、何とか無事に帰還できました。途中でおじさんたちに道を聞きましたが、チップを要求されることもなくみなさん親切でした。
ここのお昼は夜に比べてまだ多少健全な雰囲気です。スカーフ屋のお兄さんにサッカーの話を振ってみたら、すさまじい反応が返ってきました。
いやぁ~すごく熱心です。選手の名前を叫びながら、私が知ってるかどうか確認してくるお兄さん…
私が「うん、知ってる」とうなずくとすごく喜んでくれてました。
サッカーの知識は世界共通言語です(笑)
お次は最後の観光地、カサブランカのハッサン2世モスクです。
この日はあいにくの雨でした。
ここはずっと私が来たかった場所です。というのも、去年の11月に対カメルーン戦での歴史的な勝利がありましたが、その試合前に選手たちがお祈りした場所がここなんです。
外もキレイですが、中もすんごいキレイ!
イスラム教徒以外でも入場料払えば入れる貴重なモスクだそうです。(但し礼拝中は不可)
今回は外の観光だけで終わりましたが、いつか中も見てみたい。
あとはカサブランカの空港へ戻って、日本着です。夢のような時間は終わり、一気に過酷な現実が待っていました(笑)
他にも興味深いところ(遺跡や宮殿や庭園など)がたくさんありましたし、もっと載せたい写真もどっさりありますが、とりあえずはここまでです。
海も山も砂漠も、家のドアに至るまであらゆるところが美しい。よく言われていることですが、モロッコはヨーロッパもアラブも感じられるエキゾチックなところ。でも私はアフリカをより強く感じました。たぶんこれは人によって違うと思います。
人もすごく面白いですよ。確かに手強いし一見いかついけれど、実は優しい人だったりします。旅慣れた人から「マラケシュの市場を楽しめたならきっと他も大丈夫」と言われました。たぶん、そういうことなんでしょう(笑)
中にはホントに危ない人もいますので、そこは要注意ですが…
私たちの乗るバスが信号待ちをしていたときに、対向車線でバイクに乗ったお兄さんが車とぶつかる事故を目撃してしまったんですが、周辺の車から大勢の人々が水を持って急いで駆け寄ってきました。お兄さんはフラつきながらも立ち上がったんですが、みんなでお兄さんのケガの具合を確認したり、バイクを起こしたりして助けてあげてました。しかしすっごい人数。モロッコの人は優しいというのは本当だと思います。
ホテルのシャワーの水圧が弱くても、朝食の途中に窓からスズメが飛び込んできても、空間中にいるハエの量が多めでも、それを許せる人ならきっと大丈夫です。市場で少々ボラれても楽しめたならそれでOK!(笑)
のんびりゆる~い雰囲気も、小洒落た街も、雄大な自然もすべてが魅力的なところでした。
正直に言うとね、また行きたい気持ちがあります。
ええ、大好きな場所になりました。
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