彼女のフェラテクは天下一品でした
私が30歳のときの話になります。
仕事で担当していた百貨店の売場に異動してきた女性がいました。
ナオミ(仮名) 24歳。
彼女は婦人服売場から異動してきました。
スレンダーでなかなかの美人。
歌手の椎名林檎によく似ていました。
土日はほぼ、この売場に販売応援に来ていたこともあり、ナオミとはすぐに仲良くなりました。
外見は少しクールに見えるナオミ。
しかし話してみると気さくで私の下らない冗談にもケラケラと笑ってくれました。
しばらくたったある日のこと。
売場のベテラン販売員の女性から、ナオミが私のことを気に入ってくれているとの情報を得ました。
「こんなチャンスなかなかないわよ、マニエールさん。ナオミちゃんを誘ってあげなさいよ」
早速、私はナオミを飲みに誘いました。
百貨店の制服姿しか見ていなかっただけに、ナオミの私服は新鮮でした。
ミニスカートからのぞいている脚がスレンダーでとても素敵だったのを覚えています。
ナオミは三重県出身で高校を卒業後、大阪へ出てきました。
すぐにワンルームのマンションを借り、ひとり暮らしを始めたようです。
ナオミはとてもお酒が強く、酔うほどに頬を赤らめ色っぽくなっていきました。
最初のデートから私はナオミにメロメロになってしまったのです。
それからというもの、ことある度にナオミと飲みに行きました。
ナオミはとても気の強い女でした。
上司と意見の言い合いになっても引くことはありません。
外野から見ていてもヒヤヒヤすることが多かったのですが、そういうところにも彼女の魅力を感じていたのかもしれません。
ナオミと大人の関係になるのにそれほど時間はかかりませんでした。
ナオミは気の強い女でしたがベッドでは従順でした。
私のお願いには何でも応えてくれました。
百貨店の制服を着用し、店員と客に扮してイメージプレイ的なこともしました。
感度がよく、私の攻めにビクンビクンと体をくねらせながら何度も昇天するナオミはとてもエロティックでした。
それだけではありません。
ナオミはとってもフェラチオがうまかったのです。
ナオミには歯がないのかと思ったほど、彼女のおしゃぶりは気持ちのいいものでした。
ある日、ナオミのマンションで泊まっていたときのことです。
深夜の1時過ぎだったと思います。
「ガチャガチャ」
ベッドでナオミと一緒に眠っていると、玄関のドアの鍵を開ける音がしました。
うつらうつらとしていた私はその音にギクリとしました。
ナオミは横で寝息をたてて眠っています。
私は横になったまま玄関のほうを凝視しました。
全身に緊張感が走ります。
横にあった目覚まし時計を握りしめ、臨戦態勢をととのえました。
ドアがスゥーっと開きました。
心臓がバクバクと高鳴ります。
開いたドアの前にはスーツ姿の男が立っていました。
暗がりのため、顔まではわかりません。
「お前は誰だ!!!」
私は大声で怒鳴りました。
スーツ姿の男は慌てた様子で、何も言わずに出ていきました。
私の大声で目覚めたナオミに事情を説明しました。
するとナオミは言いました。
「前に付き合っていた男性かもしれない」
ナオミの話によると、男はナオミにたびたび復縁を迫っていたそうです。
そして、まだ合鍵を返してもらっていないということでした。
その男には妻子がいたそうです。
そう、不倫だったのです。
その事件のあと、しばらくは平穏でラブラブな日々が続いていました。
ある週末のこと、私はナオミの携帯に電話しました。
しかしいっこうに繋がりません。
何度かけてもナオミは電話に出ないのです。
2日ほどそのような状態が続きました。
私は居ても立ってもいられなくなり、ナオミのマンションへ行きました。
案の定、マンションには鍵がかけられ誰もいませんでした。
ナオミは失踪してしまったのだろうか……
私は得体の知れない恐怖に襲われていました。
ナオミがいなくなって4日目、私は会社を休み、朝から彼女のマンション横にある喫茶店にいました。
30分おきに、喫茶店を出てはマンションの様子をうかがいました。
夕方までそんなことをしていたのですが、ナオミは帰ってきませんでした。
ひょっとして、部屋の中で事件に巻き込まれたのではないか?
私はそう思い、そのマンションを管理している不動産屋に電話しました。
しかし、親族でないと鍵は渡せないとのこと。
そこで私は思いきってナオミの実家へ電話を入れました。
ナオミのお母さんに事情を説明。
しかしお母さんはナオミがどこへ行ったか全く見当がつかないと言いました。
ただ、昔から放浪癖はあったと教えてくれました。
結局その日は夜の11時頃まで待っていましたが、ナオミが帰ってくることはありませんでした。
私は帰路につく車の中で考えていました。
ナオミはもう私のことを愛していないのかもしれない。
しかし、それでもかまわない。
ナオミが無事でいてくれたなら。
もうそれだけでいい。
そう思っていました。
次の日
全くやる気の出ない仕事を終え、再びナオミのマンションへ向かいました。
ナオミの部屋のベルを鳴らしましたが応答はありません。
仕方なく昨日と同じ喫茶店で時間をつぶすことにしました。
夜の10時を回った頃です。
私の携帯が鳴りました。
ナオミからでした。
「ごめん、今戻ってきた」
私は喫茶店を出て、ナオミの部屋へ駆けつけました。
ナオミはマンションの前で私を待っていました。
私はその場でナオミを抱きしめました。
なにも言えず、ただ彼女を抱きしめていました。
ナオミは小さな声でごめんなさいと言いながら泣いていました。
結局、ナオミは女友達のところでお世話になっていたとしか言いませんでした。
私もそれ以上詮索することはしませんでした。
これ以上彼女と付き合っていくことは無理だろうと思っていましたから。
しかし、ナオミは意外なことを言ったのです。
「私たちまだ付き合ってるよね?」
結局、それ以降も私はナオミと付き合い続けました。
そして2年後、私たちは結婚しました。
この結婚が私の人生を大きく変えることとなるとは。
そのときの私には知る由もありませんでした。
チャチャチャチャ
チャチャチャチャ
チャーラ〜
(火曜サスペンス劇場風)