想像力の欠如
※このテキストは投げ銭テキストです。最後まで読めます。
※そんなに重苦しい話ではないのでお気軽にw。
数日前、7年間行方不明だった認知症の方が施設で発見されたニュースがありましたね。
そのニュースを見て、そういえば自分も前に一度眼の見えない方の手助け(ってほどじゃないのですが)をしたのを思い出しました。その時の事を書いてみます。
場所は地下鉄永田町駅。半蔵門線と有楽町線の間にある連絡通路の踊り場みたいな所(半蔵門線の長いエスカレーターを上ったところ)。
半蔵門線から有楽町線へ乗換のために流れ行く人の流れを見ながら、知人を待っていたときの事。
その人の流れから外れて、1人だけ別方向に歩いていく方がいました。
手には杖。初老の盲目の方でした。この場所は有楽町線か半蔵門線のホームに行くしかない場所で、歩いている方向には地下鉄事務所しかなく、さらに立ち入り禁止の柵もあります。
このままだと柵にぶつかって危険だし、その後も方向が分からなくなるだろうから誘導しようと思い、声をかけ、肘を持ち、行き先を訊ねて有楽町線のホームの方まで連れて行きました。
ご老人は何度も「すみません、ありがとう」と口癖の様に言っておられ、日常から周りの方に助けられてるんだろうと想像できました。同時に目が見えないのはやはり大変なんだな、とも。
有楽町線に降りる階段に着き、階段を一歩降りたところで「あとは降りるだけですよ」と声をかけご老人も「ありがとう」と答えて、これで大丈夫だろうと思いそのまま立ち去ろうとしたのですが、その方が立ち止まってしまい、歩き出そうとしません。
何やら困惑している様子。どうしたんだろうと考えて気付きました。
ご老人のところへ戻って、手をとって、手すりに乗せました。
するとご老人は安堵した感じでまた「ありがとう」と言って、トコトコと降りて行きました。
自分はもちろん目が見えるので(有り難い事ですが)、階段まで連れて行けば後は大丈夫という考えだったのですが、目が見えない人(もちろんその他の障害者に対しても)の状況を想像力で考えないといけないのだなぁと学びました。
この事はたまに思い出して、今でも自分の考えを改めてくれています。
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