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【詩】0時1分

午前0時1分
最終電車が町を通過する

その規則的なざわめきが
この家を駆け抜けるとき

僕はもう戻ることのない昨日と
気づけばそこにある今日を思う

もうすぐ訪れるまどろみと
目覚めた後の朝の景色
新しい世界のことを思う

1日に何度も聞いているはずのこの音が
この0時1分だけ
こんなにも静かで 美しいのはなぜなのか

1日の最後を告げる列車が
まさに1日が始まった瞬間に
この町を通り過ぎるのはなぜなのか



「もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい
親友と語り合ったかい 燃えるような恋をしたかい
一生忘れないような出来事に出会えたかい
かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい

またすぐ明日に変わる 忘れてしまっていないかい
残された日々の短さ 過ぎゆく時の速さを
一生なんて一瞬さ 命を燃やしてるかい
かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい」



0時1分の電車は
どこに向かうのだろう

明日の自分は
命をどう燃やすのだろう







※引用:かりゆし58「オワリはじまり」(16-23行目)

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