『こうやって考える』

外山滋比子さんの本について、私は友人の誘いで一度読んでみたいと思い、『乱読のセレンディピティ』を読みました。その中で、外山さんは、本を秩序だって1冊ごとに読むよりも、たくさんの本に目を通しながら、自分の気の向くままに本に手を伸ばす方が、自分独自のアイデアが生まれやすいとおっしゃっていました。

こうしたアイデアから、色々なことを柔軟に考える姿勢を学んだ気がして、もっと外山さんの言葉を知りたくなりました。そこで出会ったのが、『こうやって考える』でした。この本には、外山さんのクリエイティビティを呼ぶ「考え方」がたくさん詰まっています。

Idea-Process-Think-Life-Read-Chat-Creationという流れで進んでいくのが、この本の流れで、それ自体が人間の創造の瞬間に近づくためのプロセスを描いているようでした。例えば、Ideaでは「化合物を求める」から始まっていて、自分の個性としてありふれていたと思われるものを組み合わせると、オリジナリティが出るということを挙げています。Processには、「比喩で思考を節約する」という言葉があります。一から考えて説明するのではなく、何かに例えてみることで、分かりやすくなり、腑に落ちることがあります。それが相手に繋がることで、自分の知らなかったアイデアや世界が開けることもあります。だから、人とたわいもない話をする(chat)の機会を持って、自分のアイデアをなんとなく口にしてみることも、重要なCreationに繋がるということです。

Thinkには、「小見出しを付ける」という習慣を挙げていて、Life(普段の生活)の中でふと浮かんだアイデアを、小見出しのようにメモしたり、本を読んでいる時(Read)に小見出し的なメモを付けておくことで、それを繋ぎ合わせて、自分の生活の気づき、本からの気づきを混ぜ合わせることにも繋がります。

とても豊かな発送が出てくる土壌を、これらの本が与えてくれたように思います。

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