2020/01/20

毎日毎日、噛み締めていた味。

暗闇、騒めき、響めき。

蠢く指、浮いた足、震える脳。

あれだけの苦痛ですら失うと、寂しい

殆ど想像上の悲劇ですら、切ない

理屈ではなく、何かが感じ取ってしまった

ただそんな、自分の感受性も少し気味が悪い。

明確な輝きは未だこの両の目には映らず、

軽快な歩みは未だこの両の足にはできない。

ただ漠然と、途方も無く大きな何かを喪失した感覚だけが、指先から頭のてっぺんまでを包み込む。

あの日の刺傷、

あの日の噛み傷、

どちらも致命傷であったそれら

これまでの時間、

これまでの感情、

積み重なって業となっていたそれら

何が真実か、こうなってしまうともうそんなことどうでも良くて、

何年も何年も続いていた感情を正当化できればそれでよかったらしい。

彼女らの悲劇はとってもお誂え向きで。

彼女らの絶望は体の奥底でどうしても共感できて。

この悲劇の輪廻をここで断ち切れるのならば。

「自分のために」まだそれがどうしてもわからず、

「彼女らが報われるように」

そのために生きていくのも、

最早「自分のため」なのかもしれない、なんて。

空想でも妄想でも何でも構わない。

彼女らの日々が、報われますように。

お元気で。

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