幸せの青いハチ オオセイボウ(大青蜂)
その出会いは突然でした。
数ヶ月ほど前のこと。
自家用車に掛けていたカバーを外した時に、キラリと青く光るものがぽろりと落ちてきました。
手に取ってその正体が何かを理解した瞬間、とても驚いたのを覚えています。
青く光るものの正体は、オオセイボウ——別名「幸せの青いハチ」の死骸でした。
オオセイボウは腹翅目ハチ亜目セイボウ科の寄生バチの仲間です。
本州から沖縄にかけて生息し、オミナエシなどの花に飛んできます。
オオセイボウのメスはトックリバチやスズバチなど、泥で巣を作り幼虫に餌を与えるハチの巣に卵を産みます。
漢字で書くと「大青蜂」と表記されるように、大きな青いハチという意味であることが分かります。
オオセイボウのこの体色は、実際に青い色をしているわけではありません。
これはタマムシと同じ特徴で、体表の細かいくぼみが光を反射し、美しい青に見せているのです。これを「構造色」といいます。
実際に肉眼で見てみると、見る角度によって色が青から青緑に変わる様子が観察できます。
ハチといえば毒針ですが、オオセイボウには毒針のようなものはないと言われているようです。
まさか普段の生活で出会えるとは思っていませんでしたし、あまりの美しさに感動して、死骸をキレイに掃除してレジンで標本を作りました。……が、気泡ができたりレジンの表面が霞んだりと、少し残念な出来栄えになってしまいました……。
いずれサンドペーパーでやすって、キレイに見えるようにしてあげようと思います。
今回はここまで。
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