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冠詞と単複、お前らといい加減に決着つける

IELTSの準備をちょこちょことしている。

リスニングをやっていて、内容はほぼ聞けているのに、-sや冠詞の有無で失点していることがしょっちゅうある。これはケンブリッジ英検のリスニングpart2でもたまにあったけど、IELTSのほうが穴埋めが多いから、より顕著である。

でもって、ライティングでも同じ壁にぶつかる。こっちは、まあ自信がないときはパラフレして回避することも可能ではある。スピーキングでも、ネイティブに指摘されるのは、たいがい単複の間違いである。

もういい加減にしろ。

「informationとかadviceとかmachineryとかは不可算名詞ですよ~有名でしょ~」とか、「furnitureとかaccommodationは不可算名詞ですよ~ひとつの形として描けないでしょ~」とか、そういう話ではない。そういうことではなくて、

I eat chicken.は正しくて、I eat a chicken.だとホラーになるとか、
social inequalityとsocial inequalitiesでは話している内容が違うとか、
waterだってthe watersになりえるとか、そういう話をしています(怒怒怒)

もうつまり、単数形と複数形では、英語においては、もうその単語の意味が違うんだと肝に銘じようと思って。

「日本語には単複の区別とか冠詞がないから、極論、単複や冠詞を全部取っ払っても英語が読めてしまう」っていうのを読んで、それは本当だなと思ってハッとしたんですよ。
「多読だ多読だ~!」っつって洋書を毎日読みながら、私は、冠詞も単複の区別も全部無視して読んでることに気付いたんですよ。全部がハダカ名詞になってても気付かなかったと思う。

「日本人の英語」で、マークピーターセン先生が書いているによれば、

英語で話すとき、ものを書くときも、考えるときも、先行して意味カテゴリーを決めるのは名詞ではなく、aの有無である。そのカテゴリーに適切な名詞が選ばれるのはその次である。もし「つける」で表現すれば、「aに名詞をつける」としか言いようがない。

「日本人の英語」

定詞と数は環境で決まる

「日本人の英語」

英語ネイティブは、冠詞の有無や単複で、精密で力強い英語を表現しているし、それが分からなければ正確には読めていないし、そんな奴が喋っていても書いていてもしょせん二流である。


fatかfatsか

fatは、不可算名詞で「脂肪」。
脂肪は、なにかのカタマリとして認識されるから、英語としては数えられないんですね。食材としてのchickenやporkやbeefと同じと理解した。
だからこそ、"put on fat=太った"という。

fatsとして加算名詞として使えるのは、「明らかにコレと切り分けられる脂肪」か「脂肪の種類」。

例)調理する前に、目に見える部分の脂肪を切り落とす。
Trim the visible fats from the meat before cooking.

例)脂肪の種類には3種類ある。
There are three fats in food, saturated fat, unsaturated fat, and trans fat.

こういう、不可算か可算かで、そもそも意味が変わるやつはまだ分かりやすいんですけども(waterなら水、watersになると特定の水域 など)。


social inequalityかsocial inequalitiesか

本日ハノンで出会ったこちらの例文。

"Why won't social inequalities disappear?"

これなんで複数形なの?って思いませんか? 思いますよね?
だって「不平等」って数えられないじゃん。よく不可算か可算かの説明で登場する"general idea=概念"じゃん。違うの?

ここでは、inequalityにはいくつもの種類があるから複数形を使うとのこと。

Social Inequality:
Definition: Refers to the overarching concept(すべてを含むコンセプト、概念) of unequal distribution of resources, opportunities, and privileges within a society.(資源や機会や特権などなどの不平等な分配)
Usage: It's often used in a general sense to describe the existence and persistence of disparities within social structures. For example, "Social inequality is a major issue in many countries."

Social Inequalities:
Definition: Refers to specific types or instances of inequality(特に不平等の例について複数のタイプについて述べるもの) within a society, such as income inequality, gender inequality, racial inequality, etc.
Usage: It's used to highlight various forms and dimensions of inequality. For example, "There are significant social inequalities in education, health care, and employment."

Chat GPT(日本語部分はわたくし)

つまり、きっとこの文章はsocial inequalityでも正しくて、でもsocial inequalitiesとすることによって、喋り手の頭の中にはspecificなsocial equalitiesがいくつか浮かんでるってことを感じ取れると思うの。gender inequality, educational inequality…などなど。

(ちなみにここからもinequalityはinequaitiesにもちろん成り得て、gender inequalitiesといえば、単なるコンセプト的な性の不平等ではなく、具体的な不平等(賃金不平等、教育機会不平等など)を示しているんですね)

でもって、The social inequality/inequalitiesと定冠詞でカテゴライズするのであれば、話し手と聞き手の中に共通のspecificなsocial inequality/inequalitiesが浮かぶ状況が必要である。

a social inequalityの形で、aでカテゴライズすることもできるのかな。
数あるsocial inequalityから無作為に選んだ一つのsocial inequalityについて語るとき、ということだろうか。
そうすると、それはsocial inequalityのコンセプトを語ることになるから、無冠詞でsocial inequalityと表現したほうがしっくりくる。

Chat GPT先生もそのようにおっしゃっております。

Yes, you can say "A social inequality is a big issue in the modern world." This sentence is grammatically correct and conveys the idea that the general concept of social inequality is a significant and important issue in today's world. 

However, it's worth noting that "social inequality" is typically discussed as a broader concept rather than a singular instance. So, while your sentence is grammatically fine, it might be more common to phrase it as:"Social inequality is a big issue in the modern world."

Chat GPT


ここが英語で一番難しいんじゃないか

こういうことよ。可算か不可算か、冠詞をつけるかつけないかを考えるということは。純粋可算名詞/純粋不可算名詞を覚えるということではないのよ。

書き手の頭の中が分かるし、小説とかであれば心の機微とか状況を本当にしっかり表せるじゃないか。(IELTSのリスニング穴埋めとかも。聞き逃すなっていうのがまずは大前提かもしれんけども)

多読でスピードすっ飛ばして読むなじゃなくて、名詞ひとつひとつでしっかり立ち止まることにします。しばらくは。


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