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栃木県立学校制服に選択制導入を推奨へ

生徒たちが自分に合った制服を選べるよう栃木県のLGBT支援団体「S-PEC(えすぺっく)」が2019年4月に立ち上げたキャンペーン「栃木県内の全中学・高校で誰もが選べる制服を導入してください!」の署名提出から一年後に、荒川政利県教育庁から全県立学校に制服選択制の導入を推奨する考えであることが発表されました。

キャンペーン_·_栃木県内の全中学・高校で誰もが選べる制服を導入してください!_·_Change_org

このキャンペーンは、千葉県柏市の柏の葉中学校が「だれでも自由に選べる制服」を導入したり、東京都中野区や世田谷区でも制服のスカートやズボンを選択できるようにする取り組みが始まることを受け、栃木県内でも同様の制度の導入を実施してほしいという想い、そして望まない性別の制服を着用しなければいけないことが苦痛で安心して学校に通えない子どもがいることからスタートしたものです。

署名を集めた栃木県内のLGBT団体「S-PEC」には、これまで制服着用に苦しむトランスジェンダー当事者や家族の声がたくさん寄せられており、当事者団体として長年の懸念だった制服問題を解決すべく、キャンペーンを通じて当事者や家族らが声をあげていました。

トランスジェンダーではない子どもでも、スカートやパンツのどちらを好むかは人それぞれであり、

その違いを互いに認めることを学校で学ぶことも、社会で生きていく上で非常に大きな財産となると信じています。制服を選ぶということが、多様性を保障し、個人の選択を尊重するという教育の機会になるとも考えています。

と発信者は述べます。

キャンペーンスタートから2ヶ月後の2019年6月に、紙で集めたものも合わせた3,541名の署名(教員500名分を含む)が福田富一 栃木県知事に提出されました。知事は、

「教育現場で性的少数者への配慮を行っていると聞いていたが、まだ不十分だということが分かった。生徒一人一人の心情に配慮した学校作りは重要なので、皆様の意見を教育委員会にちゃんと伝える」

と話し、その後、教育委員会での検討が行われました。

立ち上げたキャンペーンが、生徒が通いやすい学校環境への変化につながったことを受けて、

「栃木でも誰もが通いやすい学校へほんの一歩近づけました。署名を寄せてくださったみなさんに感謝!」

とS-PECはコメントしています。