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ヒトリエの新譜REAMPを聴いてほしい

あけましておめでとうございます。ちゃんべるです。2021年初投稿です。内容はタイトル通り。あまりにも新譜が良すぎて長文になったから、読むのが面倒な人はYouTubeのリンクからMVに飛んで見てきてくれ。

2021/2/17にヒトリエの新譜が出ました。2019/4/5にをーさんが亡くなって、追悼会をやって、全国をツアーで回って、ベストアルバム「4」をリリースして、そのツアーがコロナで全部流れて、3人でおよそ2年にわたる非常事態を進んできたヒトリエの新譜が、出ました。とりあえず四の五の言わずに聴いてほしいです。

ヒトリエ New Album 「REAMP」
収録曲はこちら。
1.curved edge
https://youtu.be/QqOs_ahSARM
2.ハイゲイン
https://youtu.be/Bw32SUCdp5U
3.dirty
4.faceless enemy
5.tat
6.うつつ
7.bouquet
8.Marshall A
9.イメージ
https://youtu.be/ANJaMcmWwUI
10.YUBIKIRI
https://youtu.be/cDnNxj4s5Q4

公式の特設サイトはこちら。
http://www.hitorie.jp/REAMP/

私が一番読んでほしいと思ったインタビューはこちら。
https://skream.jp/interview/2021/02/hitorie.php

一通り歌詞を読んで、曲を聴いて、頭を鈍器でぶん殴られたような衝撃に語彙力を失い、今日一日「やばい」しか言えなくなった。とんでもない作品が出てしまった。とんでもないスリーピースバンドが生まれてしまった。どれが好きとかじゃない。全部やばい。

毎回新譜を聴くたびに思ってるけど、ヒトリエの曲は脳髄に直接叩き込んでくる衝撃がある。良さがある。初めてヒトリエに触れたのは「ワンミーツハー」という曲だけれど、その時も同じような感想を抱いたと記憶している。まるで雷に打たれたみたいだ、と。金属バットで頭ぶん殴られたみたいだ、と。

その衝撃は例えば、心臓の鼓動を急かすテンポに埋め込まれた恐ろしく緻密なドラムであり、譜面の上を大胆に自由に飛び回り脳味噌を翻弄するメロディアスなベースであり、ミルクパズルを解くように隙間なく噛み合う2本のギターであり、溢れる想いを今にも零れ落ちそうな質量と密度で記した歌である。うっかり見落としてしまいそうな寂しさや憂いを掬い取り、それを高まるBPMに乗せることで、歌詞とメロディのアンバランスさを生む。かと思えば、五感全てで感情を素直に吐き出す。強かであり、弱くもあり、その不安定さが人間臭くて、果てしなく美しい。私にとっての「ヒトリエらしさ」の根幹はこういうものだ。こういうものに共感して、求め続けてきた。

それが、3人になった今も健在なのだ。弱まることも脆くなることも褪せることも丸くなることもなく、強く強く洗練されて研ぎ澄まされて世に放たれた。コンポーザーであるをーさんがいなくなって、以前とは異なる新しいヒトリエのはずなのに、節々に懐かしささえ感じる。新鮮さと懐かしさが同居している。聴いていて「これだよ……これなんだよ……」と思うところがあまりにも多い。

3人がインタビューで語っている「ちゃんとヒトリエになるんだな」という部分と、私が求めた「ヒトリエらしさ」が、ほんのちょっとでも同じであった、ということだろうか。だとしたら、嬉しいなと思う。追悼会の日に「3人のヒトリエがどんな形であれ、ついていこう」と決意したけれど、不安がなかったわけではない。もしかしたら自分に合わないかもしれないと思わなかったわけじゃない。結果として、一抹の不安は呆気なく吹き飛び、聴神経が隈なくぶっ刺された。

4人全員が等しくヒトリエなのだ。だから、をーさんがいなくても、どんな新しいアプローチも、きちんと心に響いた。「3人体制の1stアルバム」ではなく「HOWLSの次に出たアルバム」だと感じた。改めてこれからもよろしくお願いします、と申し上げたい。

と同時に、このアルバムが、4人のヒトリエを知らない人にも届けばいいなと思う。3人のヒトリエを好きになる人がたくさん増えればいいなと思う。そこから4人のヒトリエを知ろうとする人が、ほんの数人でも現れてくれれば嬉しいし、現れなくてもいいなと思う。

4人のヒトリエが最強だったことを私は知っていて、それだけで十分だから。

こんなに格好良い姿を4人のヒトリエで見ることができないことが苦しい。この姿を見るために、をーさんの喪失が必要であるというのが苦しい。そんなのあんまりだ。インタビューや歌詞で、追悼会のこと、2019年のツアーのこと、当時の3人の心の内が明らかになって、打ち明けてくれたことに感謝しつつ、より一層寂しくなる。3人のヒトリエが格好良ければ格好良いほど、1人の喪失が悔しい。私如きちっぽけな存在がどうしたって何も変わらないのは自明なのに、何かしたら回避できたのかもしれないと、有り得ないことを考える。ヒトリエは格好良いなぁと思う気持ちと、やっぱり寂しいなぁという気持ちを抱えて、再出発する。REAMPは再出発のスタート地点であり、何年先においても帰ってくる場所になると思う。「なるべく皆様の悲しみに寄り添えるように仕上げました」と先生が言っていた意味がようやく分かった気がする。いつだってヒトリエは優しい。

wowakaを支えた最強の3人が示すヒトリエの現在地。wowakaの音が血肉となり、ヒトリエという肉体をもって、あなたに衝撃の音楽体験を与えるでしょう。とりあえずMVが出てる4曲を聴いてもらえれば良いと思います。最大音量で聴神経に突き刺してみてください。ここまで読んでくれた物好きさんには、良いことを教えましょう。ヒトリエの真髄はバラードにあります。今作なら、イメージとYUBIKIRIを聴いてください。髭のおじさんが歌ってるとは思えない珠玉の楽曲です。

春先にツアーもやるそうです。ヒトリエは生粋のライブバンドです。時節柄、大きな声では言いづらいですが、ぜひ覗きに来てください。脳みそが音に揺らされ、空間ごと身体を飲み込むパフォーマンスを是非ともご堪能あれ。それでは、フロアで会いましょう。

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