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モバイルバッテリーを無くしたので読書を始めた。

わたしは家でも外でもyoutubeやNetflixなどの動画アプリを常に使っている。
その為、充電の減りは異常。モバイルバッテリーがない生活などありえない。
そんなわたしの必需品がなくなってしまった。
あそこにあるだろうと考えていたところになかった。そこにあると思い込んでいたわたしは最後の記憶を辿ろうとしても何も思い出せなかった。
困ったなあと未練がましく同じ場所を何度も探しながら考える中で携帯の充電をセーブするために小説を読んでみようと思った。

地下鉄のザジー

最初にジャケ買いした本だった。
間抜けそうな子供の絵に惹かれた。
でも読み始めると海外の作品を日本語に訳されたもので、読書初心者のわたしには読みづらく、登場人物の名前が全てカタカナで全く覚えられなかった。
覚えているのはザジーの口癖「ケツ喰らえ」のみだった。
読むのをやめた。
また違う本を買いに行った。

ポイズンドーター・ホーリーマザー

とにかく日本語を求めて湊かなえの作品にした。
古くも、新しすぎもしない馴染みのある言葉遣いのおかげかスッと読書に没頭できた。
バイトの休憩は誰とも喋りたくないので極寒の外にインスタントコーヒーと自分で作ったゴチゴチのスコーンと本を持って震えながら読書に没頭していた。
おそらく、読書好きな方なら1日もかからず読んでしまったりするのだろうけど、私は自分が小説を2週間ほどで読み切ったことに感動していた。
(回想)私は小学生の頃の読書の時間はティンカーベルを読んでいた。たまに挟まっている挿絵がとても魅力的だったから。それだけの理由で選んでいたから"本"に集中出来なかった。
でも小説を読み切ることが大人の仲間入りのような気がしていたのでどうにか読み切ろうと考えた策は文章を心の中でラップのようにリズムに乗せて読むという方法だった。
もちろん内容は全然頭に入らないが、リズムに乗るせいかすらすらとページをめくっていった。
この方法で見事にティンカーベルを読破したのだが、子供なりに考えても大人になれた気はしなかった。
話を戻す。
湊かなえの次は星新一。
ショートショートは私のような人間にはもってこいの読みやすさ。
そして内容の奇妙さ。
楽しい本だった。
本を読むようになって携帯の充電の減りは格段に減った。
でも、1日しのげるほどではないからスタバなどのコンセントのあるお店で充電したりする日々。
コスパすごく悪いなぁ。
でもコーヒーを飲めるようになった。
ブラックで。

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