斜光

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雨が降り
街から人の気配、声が消える
まるで元からそこに存在していなかったように


雨上がり
人がいない外の世界は
自然は生き生きと空に向かって体を伸ばし
降り注ぐ微かな光を全身で受け止める

ゆっくりと
流れる雲と時間
何にも囚われず
何にも怯えず
ありのままが許される


仮の話。
この世界に『人』が存在しなかったら

失われないものがあったかもしれない
守れたものがあったかもしれない
美しさを保ったままで壊れようとはしなかったのかもしれない

空も海も汚れず
花は微笑み
ありのままの生命の輝きがあったのかもしれない

でも、『人』が存在しなかったら
この世界に
文化は生まれず
文明は生まれず
そこから生まれる愛もなかった
出逢いと営みが紡ぐ未来はなかった

所詮はないものねだり
何が正しくて
何が悪いなんて
誰にだって答えは導きだせない

いつだって人は世界は
誰かの悪であり
誰かの正義なのだから
そこにある真ん中を
張りつめた細い糸の上を歩いて均衡を保っいる

何かが壊れ
そこから生まれる
曖昧で不確かで繊細であるから
愛おしいのかもしれない
手放せないのかもしれない


ただの仮の話。
仮の話なんて無意味なものだと人は言う
それなのに私はどこか泣きたくなって
胸が締め付けられる

仮から生まれる答えがひっそりと隠れている
全てに意味があったらから
私は確かにココに存在している

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NieR:Automata より
『遺サレタ場所』 を聴きながら
雨上がりの外を見て思ったこと





別に私は
ゲームの世界とかにいそうな
世界滅ぼそうぜ的な思考ではありません、あしからず



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