癌とGANTZ

漫画版GANTZを読んでいた。

「黒い球がある」「宇宙人と死闘を繰り広げる」「メシウマだぜ!ハーッハッハッ!の人がいる」くらいの知識で読み始めた。
星人ってなんなん?と思いながら読み進める。ねぎ星人が死んだ時、涙が出た。親子系の死は胸に来る。そして人間サイドの命が軽すぎる。

突然のエロ、死ぬ。たえちゃん、死ぬ。玄野、死ぬ。加藤、死ぬ。死の感覚が麻痺してしまうぞ?

クライマックスに入る直前で、実家に用事があり帰省した。
2,3年ぶりの帰省だった。父は思ったより老けこんでいて、母はあんまり変わってなかった。

父「いやー夏に手術したんだよ!癌!」

私「は?」「あぁ!?」「え!!」「なんで言わんの!!」

開口一番癌の話。手術は無事終わり、どこにも転移してなかったらしい。一泊二日だったけど、終始心がフワついていた。不意に涙が垂れてくる。拭いても拭いても勝手に押し出されるように、ぽろぽろと出てくる。いつか必ずこの日々は無くなる。ああ、人間は生きているからいつか死は来る。分かってる。分かっているけど、私の心は耐えられるのか?
父母の写真を撮ろうと思っていたのに、撮れていなかった。心がずっと渦巻いている。
でも帰省当日はなんとか二人の手をとんとんと、触ることが出来た。ちゃんと生きてる。

現在の家に帰ってきて、続きが気になってたGANTZを再開した。

おっちゃん、死ぬ。レイカ、死ぬ。トンコツ、死ぬ。チェリー、死ぬ。たえちゃんの両親、死ぬ。たくさんの人間が死んでいく。

たえちゃんの母さんがたえちゃんの隣で死んだ時、自分の父母がフラッシュバックした。現実は光線で死ぬことはないだろうけど、死は確実にやって来る。死んでしまう。親が。

ここから涙が止まらなくなった。GANTZという作品が玄野くんと関わりの深い人たちをバシバシ殺し始めた。玄野くんの気持ちを思うと涙が止まらないし、実家の両親の心配で涙が止まらないし、GANTZで泣いてるのか実家で泣いてるのか、多分混ざり合ってたと思う。
すぐに感情移入する特性持ちだから。

GANTZを読み終わってさあ寝るぞとベッドの中に入ったけど、GANTZでたくさん人が死んだ、死んだ、死、死ぬ、親もいつか死ぬ?確実に死ぬ。死んでしまうんだ。のループに入り、めちゃくちゃ泣いた。

すすり泣き。異音。嗚咽。泣きすぎて頭が痛い。過呼吸か頭がフラフラする。鼻が詰まる。鼻をかみすぎて奥が痛い。目の奥がツンとする。口呼吸だと空気が冷たい。顔が冷たい。ティッシュを取るために布団から出した腕が冷える。ただそこにある真実へ心が溶けこぼれないように、涙を流して抵抗した。

死ぬんだよね人は。死んでしまう。どうしようもない。不老不死にしたいという気持ちがほんの少し分かってしまった。でもダメなんだきっと。なぜ生を受けてしまったのか。生きていなければ感情が無ければ、ここまで辛くなかったのに。なんて、すぐ感情を否定するのは悪い癖だぞ。そんな日が昨日。

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