金庫

大野一夏は地元の信用金庫で働く静かな女性だった。ある日、彼女の働く信用金庫が新たな広告キャンペーンを始めることになった。その一環として、一夏が金庫の顔出し着ぐるみを着ることになった。

この着ぐるみは、四角い金庫の形状で、全体がメタリックな銀色に塗装されていた。巨大なダイヤルがついていた。上部には小さな穴が開けられ、そこから一夏の顔が覗くようになっていた。

「一夏さん、この着ぐるみを着て広告の撮影に参加してほしいんです。」広告担当の後藤がそう言って、金庫の着ぐるみを一夏に差し出した。
一夏は驚き、顔を引きつらせた。「え、私がですか?」と言葉にならない驚きを示す。

しかし、後藤は「一夏さんの清楚なイメージが金庫の貴重品を守るイメージとマッチすると思って。」と冷静に返した。一夏は戸惑いつつも、着ぐるみを受け取った。「重そうだな…」一夏は恥ずかしさを感じつつも、何とか職務を果たそうとする。

撮影当日、一夏は金庫の着ぐるみを着てスタジオに立った。重たい着ぐるみを着て汗ばみつつも、一夏は必死にポーズを取った。
「一夏さん、その調子です!頑張って!」後藤の声援が響く中、一夏は照れくささと戦いながら、撮影を終えた。しかし内心、一夏は「こんなの恥ずかしい…」と強く思いながら、心に大きな穴が空いた気がした。

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