見出し画像

競走馬の毛色の種類は何種類?

2021年のクラシック戦線の主役筆頭「ソダシ」
非常に珍しい白毛ということで、国内だけでなく海外でもとても話題になっていますね。
強さだけでなく、愛くるしい見た目も人気の秘密のようです。

オークス2021

無敗の二冠が期待されたソダシも先週開催のオークスでは、デビュー6戦目にしてついに初黒星。
距離的に菊花賞は難しいかもしれませんが、秋はどういう路線で勝負してくるのか楽しみですね。

かつて『白い稲妻』と呼ばれたタマモクロスや、『白い怪物』と称されたクロフネ(ソダシのお父さんですね!)など、今まで「白い◯◯」と呼ばれた競走馬のほとんどが「芦毛」という種類の毛色になります。

芦毛も白毛もどっちも白いやん!と思われるかもしれませんが、毛色の種類ごとに比べてみると意外と違いが分かりやすいので、
今回は『競走馬の毛色』について解説します。

★毛色の種類
競走馬の代表的な品種であるサラブレッドには8種類の毛色と定義されています。
※馬の毛色、として大きく見ると複合型や未定義なども含めて100種類以上あるとされています。細かく分類されているんですね!

1.鹿毛(かげ)

ディープインパクト

写真:ディープインパクト
代表的な競走馬:ウオッカ/アパパネ/ロードカナロア/ジェンティルドンナ/キタサンブラック

サラブレッドの約半数を占める最もメジャーな毛色です。
また、家畜馬、野生馬問わず最もよく見られる毛色のひとつ。
馬体全身の色合いとしては、明るめから暗めの赤褐色(茶褐色)。たてがみや足首、尻尾には一部黒い毛が混じっています。

ちなみに区別が難しい鹿毛系を色の濃さで並べると
鹿毛>黒鹿毛>青鹿毛>青毛
の順に右にいくほど黒くなります。
青は黒よりも濃いって覚えてもらえたら◎。

2.黒鹿毛(くろかげ)

スペシャルウィーク

写真:スペシャルウィーク
黒鹿毛の代表産駒:ナリタブライアン/ヒシアマゾン/エルコンドルパサー/シンボリクリスエス/ブエナビスタ

全体的に黒味がかった赤褐色をしていて、黒味の程度によりかなり濃い黒に見えることもあります。
眼の周辺や下腹部あたりは褐色で、まえがみ、たてがみ、尻尾など一部の長い毛は黒色です。

3.青鹿毛(あおかげ)

サンデーサイレンス

写真:サンデーサイレンス
代表的な競走馬:メジロラモーヌ/マンハッタンカフェ/フジキセキ/フェノーメノ/ソウルスターリング/キズナ

全身ほとんど黒色で眼や鼻の周辺、腋、ひばらあたりがわずかに褐色です。
青鹿毛と青毛の区別は難しく、プロでも間違えてしまうこともあるとか。

サンデーサイレンス_フェイス

美しい額の流星がトレードマークだったサンデーサイレンス。

4.青毛(あおげ)

シックスセンス

写真:シックスセンス
代表的な競走馬:シーザリオ/ヴィルシーナ/ヴィブロス

全身が黒色で、実は出現率1%以下の珍しい毛色です。
季節によっては毛の先の色が変わって黒鹿毛や青鹿毛っぽく見えることもあるので、眼や鼻の周りの色で見分けるんだとか。

5.栗毛(くりげ)

ミホノブルボン

写真:ミホノブルボン
代表的な競走馬:マヤノトップガン/タイキシャトル/マチカネタンホイザ/イクノディクタス/グラスワンダー/テイエムオペラオー/ダイワメジャー/ダイワスカーレット/オルフェーヴル

被毛は黄褐色で、長毛は被毛より濃いものから淡く白色に近いものまであります。
サラブレッド全体の約1/4を占めるメジャーな毛色です。
個人的に一番可愛い毛色だと思ってます。
特に牝馬。ラッキーライラックとかレッツゴードンキとかね。

ラッキーライラック

栗毛美人のラッキーライラックちゃん。
……可愛すぎるやろ!!

栗毛をさらに細かく分類した種類の中に「尾花栗毛」という珍しい毛色があります。
たてがみや尻尾が白っぽい色で金髪のように見えるとても美しい毛色です。
「尾花」というのはススキの穂のことで、尻尾がそう見えることから尾花栗毛と呼ばれています。

尾花栗毛

尾花栗毛の競走馬にはゴールドシチーやタイキシャトルなどがいます。

6.栃栗毛(とちくりげ)

サッカーボーイ

写真:サッカーボーイ
代表的な競走馬:カツトップエース/サクラローレル/マーベラスサンデー/コイウタ/ノンコノユメ

全体的に黒味がかった黄褐色から黒味の非常に濃いものまでありますが、黒色にはなりません。
たてがみや尻尾は身体の毛よりも濃いものから白っぽい色まで個体差が現れやすい毛色です。
青毛と同じく出現率1%以下の珍しい毛色です。

7.芦毛(あしげ)

オグリキャップ

写真:オグリキャップ
代表的な競走馬:タマモクロス/メジロマックイーン/ビワハヤヒデ/クロフネ/ヒシミラクル/ゴールドシップ

元々の毛色は栗毛、鹿毛、青毛なのですが、被毛全体に白い毛が混ざっていて歳を重ねるごとに白くなっていき最終的には純白になります。
競馬場で見かける「白い馬」のほとんどがこの芦毛です。

ゴールドシップ_比較

ゴールドシップの毛色の変化の比較。
こんなに真っ白になっちゃって…。
やんちゃっ子だったのが、まるで王子様が乗る白馬のようになったね。

8.白毛(しろげ)

ソダシ

写真:ソダシ
代表的な競走馬:ユキチャン/ブチコ

出現確率0.1%以下という、世界的にも非常に珍しい毛色です。
実はこの毛色の発現はまだ十分に解明されていません。
白毛のサラブレッドは全身のほとんどが白色で生まれますが、眼には色素があり、ピンク色の皮膚の一部に有色の斑点があることから、いわゆるアルビノではありません。

ブチコ

ソダシのお母さん「ブチコ」は白毛の馬体に鹿毛の斑(ぶち)模様が入っていたことで非常に珍しいと話題を作りました。

以上、サラブレッドの全毛色8種類でした。
毛色は遺伝で決まるので、ディープインパクトの仔には栗毛が生まれなかったりします。
その結果、全体数で言えばわずかな差ではありますが鹿毛系の競走馬が増えました。
という事は、今大活躍中のソダシを始めとする白毛一族が繁殖界を席巻すれば日本は世界でも有数の白毛大国になる、なんていう未来もあるかもしれませんね。

見た目のかっこよさ、可愛さだけでなく父や母、血統についての知識の第一歩のような気がする「毛色」。
その魅力を少しでもお伝えできていたら嬉しいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?