4月
瞬きしたら桜が散っていた。
「ここの春は見事ですよ」と人からいちど聞いてはいたものの、外堀沿いに並ぶたくさんの花と、きらきら光を返しながら舞い落ちる花びらと、それを背に青信号を待ったり写真を撮ったりしている人たちの並ぶ光景はそれはそれは絵のような春らしさだったので、毎日お昼休みをつかって外へ出ては向かいの道路越しに春を眺めた。
花と花の隙間を縫いながら走る電車にも心くすぐられる何かがあって、ここにずっと住んでいたら電車が好きになりそうだなと思った。
5月になったら藤を見に行きたいなー。
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